アドレスVを7.0psのスポーツ仕様へ【スズキ・アドレスVチューン】

SUZUKI アドレスVチューン|1991年発売
1991年(平成3年)に登場したアドレスVチューン。なんとなく予想が付くと思うが、アドレスVをベースに、走りと装備をグッとスポーティに仕立てた上級グレード。
最高出力は、アドレスV50の6.8psから7.0psへアップ。数字だけ見ればたった0.2psだが、原付の世界では走り出すと分かるほどの差なのである。しかもVチューンの見どころはエンジンだけじゃない。
まず目につくのがフロントのディスクブレーキ化。さらにリヤスポイラー、サイドのエアダクト、開閉式フューエルリッドなどを装備し、見た目にも“普通のアドレスVとは違いますよ”感をアピールしていた。
前後タイヤもフロント80/90-10、リヤ90/90-10と後輪をワンサイズ太く設定。パープルを基調としたボディカラーにゴールドのホイールを組み合わせた姿も、いかにも当時のスポーツスクーターらしい。
そして真横から見ると存在感を放つのが、チャンバー形状のマフラー。スクーターの弱点でもあるバンク角を確保しつつ、パワーを引き出す内部構造を持っている。ハイアップR(1988年)やセピアZZ(1990年)などの、スズキ・スポーツスクーター共通の雰囲気だ。
“実用スクーターにちょっと豪華な装備を足した”というより、アドレスVの使いやすさを残したまま、ちゃんとスポーツ方向へキャラクターを振った1台。それがVチューンなのだ。
【SPECIFICATIONS】
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:7.0ps
最大トルク:0.75kgm
全長×全幅×全高:1730×635×1000mm
重量:73kg
タイヤ:80/90-10・90/90-10
発売当時価格:16万680円(税込)
※諸元・価格は編集部調べ
ベースとなった「アドレスV」ってどんなモデル?

SUZUKI アドレスV|1990年発売
Vチューンのキャラクターを知るなら、まずベースのアドレスVを見ておきたい。
1990年(平成2年)に登場したアドレスVは、スズキが「長距離でもゆったり乗れる上級スクーター」と位置づけたモデル。50ccスクーターとしては余裕のある車体に6.8psの2ストロークエンジンを搭載し、4.8Lの燃料タンクやヘルメットを収納できるパーソナルスペースも備えていた。
チューブレスタイヤやボトムリンク式フロントサスペンションも採用するなど、ベーシックな足としてだけでなく、少し上質で快適な50ccを狙ったモデルだったわけだ。
こうして2台を見比べてみると、その違いはかなりわかりやすい。アドレスVが“ちょっと上級な日常の足”なら、アドレスVチューンは走りもルックスも欲張る。そんな絶妙な立ち位置も、1990年代スクーターのおもしろさなのだ。
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】