Q. バイクのロードサービスで最も多い救援理由は何?
神奈川県・バッテリーが心配さん
バイクのトラブルといえば、エンジンの故障やパンクなどを想像するかもしれませんが、実際にはどんな理由でロードサービスのお世話になる人が多いのでしょうか? そこで、JAF(日本自動車連盟)が公表している2025年度の二輪車ロードサービス救援データを調べてみました。
最多はバッテリー上がり! 劣化も含めると約3割を占めていた
JAFの2025年度(2025年4月〜2026年3月)の統計によると、二輪車のロードサービス出動件数は一般道路と高速道路を合わせて9万6032件! そのうち最も多かった救援理由は「過放電バッテリー」で、なんと2万648件! なんと全体の21.5%を占めているんです。
さらに注目したいのは、3位にも「破損/劣化バッテリー」が8099件(8.4%)でランクインしていること。この2つを合わせると2万8747件で、全体の約3割(29.9%)にもなります。つまり、JAFが二輪車の救援に出動した理由のうち、約10件に3件がバッテリー関連だったというわけです。

二輪車ロードサービスでは、過放電によるバッテリー上がりが最多。破損・劣化によるトラブルも合わせると、全体の約3割を占めていた。
ところで、JAFのデータでは「過放電」と「破損/劣化」が別々に集計されていますが、この違いをご存じでしょうか?
【過放電】とは、簡単にいえばバッテリーの電気を使いすぎて、必要な電力を取り出せなくなった状態。例えばライトの消し忘れや長期間の放置、短距離走行の繰り返しなどで充電不足が続くと、バッテリー上がりにつながることがあるんです。バイクは乗らなくても少しずつ自然放電しますし、時計やセキュリティ装置などが待機中に電気を使う車両もあります。しばらく乗らずにいたら、いざ出掛けようとしたときにセルが回らない! なんてこともあるわけです。
いっぽう、【破損や劣化】はバッテリーそのものが傷んでいる状態。長年使っているうちに性能が低下し、十分な電気を蓄えられなくなったり、エンジンを始動させる力が弱くなったりすることがあります。充電不足が原因なら、充電によって回復する場合もあります。ただし、深い過放電や劣化が進んだバッテリーは、充電しても本来の性能が戻らないことがあるんです。
つまり、同じようにセルが回らない症状でも、電気が不足しているだけなのか、バッテリー自体が弱っているのかによって対処法が変わるんです。しかも、過放電を繰り返すとバッテリーの劣化を早めることもあるので、まったく無関係というわけでもありません。
昨日まで普通に掛かっていたのに!? 冬場や長期放置には要注意
バッテリーの厄介なところは、前回まで普通にエンジンが掛かっていたのに、ある日突然始動できなくなる場合があること。とくに寒い季節は、低温によってバッテリー内部の化学反応が鈍くなり、エンジンを始動させる力が弱まりやすくなります。さらに冷えたエンジンはオイルの抵抗も増えるため、始動時の負担も大きくなります。
だからといって、冬場のバッテリー上がりがすべて寒さのせいというわけではありません。もともと弱っていたバッテリーが、寒さをきっかけに始動できなくなるケースも考えられます。休日しか乗らないバイクや、しばらくガレージで眠っていたバイクは、なおさら気を付けたいところですね。
では、どうすればトラブルを防げるのか? まず大切なのは、バッテリーを充電不足の状態で放置しないこと。長期間乗らない場合は、充電器で適切に管理するのもひとつの方法です。また、セルの回り方が以前より弱くなった、エンジンの掛かりが悪くなったといった変化も見逃したくありません。ただし、こうした症状はバッテリー以外の不具合でも起こるため、気になる場合はショップで点検してもらいましょう。
ちなみに、バッテリーの状態を知る目安として電圧計も役立ちます。最近はコンパクトなデジタル式もあり、普段の電圧を知っておけば、いつもと違う変化に気付くきっかけになります。ただし、電圧が正常に見えても始動に必要な電流を十分に取り出せない場合があるため、電圧だけでバッテリーの良否を断定することはできません。

意外と見落としがちなのが端子の緩み。とくに単気筒エンジンは振動も多いため緩みやすい傾向だ。ときどきチェックしたい。


今回のJAFデータは、ロードサービスが出動した理由の集計ですから、すべてのバイクの故障原因を示すものではありません。それでも、バッテリー関連が約3割を占めているという数字は、なかなか見逃せませんよね。
普段はエンジンを掛けるときくらいしか意識しないバッテリーですが、いざ弱ってしまうとバイクは動かせなくなることも。最近はスクーターでもキックペダルのないモデルが大半ですから、バッテリーが上がってしまうと始動が困難になります。だからこそ、日頃のちょっとした気配りが大切なんです。
せっかくの休日、ツーリングに出掛けるつもりがバッテリー上がりで予定変更! なんてことにならないよう、愛車のバッテリーもたまには気に掛けてあげましょう。
【モトチャンプ編集部】
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