エンジンを切るたびに「iMT」がOFFになる

信号の少ない山道を走っているとき、それなりのストレートが続いた後にタイトなコーナーが待ち構えていることがある。右足の爪先でブレーキを踏んで減速しつつ荷重を前に掛けつつ、クラッチを切ってシフトレバーを1速下のギヤへ。そして右足の踵でアクセルを瞬時に吹かして、クラッチを繋げる。
文字にすると長いが、これらは一瞬の出来事。いわゆる“ヒール&トゥ”というMT車特有のテクニックだが、慣れないうちはエンジンを吹かす程度やクラッチを繋げるタイミングが合わずに、クルマがギクシャクしてしまう。けれども、スムーズにバシッと決まったときの爽快感はMT車でしか摂取できない栄養だ。

MTのスポーツカーに乗るなら、ぜひ知っておきたいテクニックだが、当然ながら教習所で教わらない(それどころかまともな駐車の仕方さえ教えてくれない。)とはいえ、この“ヒール&トゥ”も習得必須のテクニックではなくなった。それが、今回の「GRカローラ」にも搭載されているインテリジェントマニュアルトランスミッション(iMT)だ。
シフトレバーの前方に「iMT」と書かれたスイッチがあり、これを押すだけで変速後のエンジン回転数が合うように制御される。つまり、これをONにするだけで誰でもMT車の栄養を摂取できるようになった。

実際、この「iMT」はとても便利だ。例えば、ETC料金所手前での減速からの再加速や、交差点手前で停止する直前に信号が赤から青に変わって再加速する場面など、前もってギヤを落としておくようなときでも、雑にシフトを操作しても自動でエンジン回転数が制御されるおかげでクルマがギクシャクしない。
ところが、高速道路を走行中、ETC料金所手前でギヤを落とそうとしたところ、急にクルマがギクシャク。確認してみるとメーター上に点灯しているはずの「iMT」が消えているではないか!?再び「iMT」のスイッチを押すと点灯し、iMTがONになった。
何かの拍子に間違ってスイッチを押してしまったのかと思ったが、翌日に乗る際に確認してみるとメーターの「iMT」が消えている。なので、iMTをONにして、エンジンを切って、またエンジンを付けた。すると、iMTがOFFになっている。どうやらエンジンを切るとiMTもOFFになる仕様らしい。
もしかしたら車両設定の中にONをデフォルトにする項目があるのかもしれないが、前に乗った際の設定が維持されないのはちょっとモヤモヤする。