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自衛隊新戦力図鑑

車両近代化を目指すイギリス軍

イギリス軍は同国を代表する軍用オフロード車両「ランドローバー」の退役を決定し、後継車両の選定をスタートさせている。ランドローバーは、第2次世界大戦でのアメリカ製オフロード車両「ジープ」の活躍に触発され、イギリスが戦後に開発した車両。1950年代に軍への本格的な導入が開始された。2025年時点で約5000両が運用されているという。

イギリス陸軍は既存の地上車両の近代化・合理化を目的とする「地上機動車両プログラム(LMP)」を進めており、ランドローバーの退役と後継車両導入もその一環である。計画では、従来からの汎用性はもちろん、デジタル化など通信・電子技術への適応などを目指しており、2030年頃の配備開始を見込んでいる。

RWMIK(改良銃器マウント搭載キット)型ランドローバー。機動性と火力を活かし、偵察やコンボイ護衛などに使用される(Cpl. Aaron J Stone ©Crown copyright 2023)

このランドローバー後継計画に、なんとトヨタ製ランドクルーザーをベースとする車両が提案されている。イギリスの国防大手、バブコック・インターナショナル社が、トヨタとの連携のもと、軍用改設計モデル「GLV(ゼネラル・ロジスティクス・ヴィークル)」を提案している。

バブコック社が提案するGLV。トヨタのランドクルーザーをベースとする。ランドクルーザーは、報道機関や人道援助組織、そして武装民兵まで、紛争地での使用実績が豊富だ(写真/バブコック)

GLVは、世界的にも実績があるランドクルーザー70シリーズのプラットフォームを基盤としつつ、さまざまな任務に適応できるよう、モジュール構造を採用したものであるようだ。バブコック社はGLVに関して、「象徴的なランドローバーの伝統やパフォーマンスを引き継ぎつつ、自社の技術的ノウハウと最新のテクノロジーを融合させた」と公式ページで述べている。

ランドローバー後継計画にはバブコック社のほか、複数の企業が手を挙げている。ドイツのラインメタル社は、ベンツGクラスをベースにした空挺車両「カラカル」の派生型を提案している(写真/ラインメタル)

自衛隊もランドクルーザーの導入を検討している

さて、日本の陸上自衛隊は現在、「LAV(軽装甲機動車)」の後継選定を進めている。LAVは小口径ライフル弾に耐える程度の簡易な防護力を備えた4×4車両であり、約2000両が生産されている。2021年度から後継選定を開始し、一度はスイス製とオーストラリア製の2車種に絞り込むところまで進んだが、車両価格が高価であることなどから2024年までに白紙撤回されている。

自衛隊のLAV。2021年度から後継選定が開始されたが、いまだ決定にいたっていない(写真/筆者)

これに代わり浮上したのが国産民生車両の防弾化案だ。2025年にNHKが報じている。報道によれば、トヨタのランドクルーザーやいすゞのD-MAXが検討されているという。一見すると、良い案のようにも思えるが、両社を含めて国内に民生車両の防弾化の経験や実績が持つ企業はなく、課題の少なくない案だと筆者は考えていた。

バブコックのJLVは、モジュール設計により用途に応じたサブタイプを生産できる。また、将来的な装備追加などを想定し、車重増加の余地を残している(写真/バブコック)

そのようななかで、トヨタとの連携したバブコック社の動きは注目に値する。GLVは防弾車両ではないが、バブコック社では将来的な防弾化(装甲キットの増設)も見越した、発展的余地を持たせた設計であると説明している。近年、日本は防衛装備に関して諸外国との連携を強化している。もしかしたら、日英が同じ「装甲ランドクルーザー」を使う日が来るかもしれない。

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