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自衛隊新戦力図鑑

本日6月7日、静岡県御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場において令和8年度富士総合火力演習(総火演)が実施された。今回もインターネットでのライブ配信が実施され、すでにご覧になった方も多いだろう。

例年どおり、前段・後段の2段構成であり、前段では主に火砲やミサイルの射撃と新装備の紹介を、後段では「離島への侵攻を受けた」という想定のもと防衛から反撃にいたる流れが実弾射撃をまじえて展示された。注目したいのは初公開された新装備だ。近年、陸上自衛隊には続々と新装備が導入されており、総火演はそのお披露目の場ともなっている。

90式戦車による120mm砲の射撃。なお、4月に発生した射撃訓練中の事故の調査が続いている10式戦車は射撃なしの参加となった(写真/筆者)

無人砲塔を搭載した装輪装甲車AMV

昨年から本格的に部隊配備が開始されたフィンランド製の「装輪装甲車AMV」は、後段演習で16式機動戦闘車とともに戦う姿を披露した。また、今回初めて“無人砲塔”を搭載した姿が公開された。これRWS(遠隔操作武器システム)というもので、安全な車内から操作できる武器システムで、12.7mm機関銃と可視光/赤外線カメラ、レーザー測距器がセットになっている。レーダーなどを追加すれば対ドローン射撃も可能だ。

「装輪装甲車AMV」はノルウェー製のRWS「プロテクターRS4」を搭載した姿で現れた。AMVは当初、人力操作の12.7mm機関銃を搭載していた。今後はすべてのAMVに無人式のRWSが搭載されるようだ(写真/筆者)

また、AMVは既存の人員輸送型とは別に指揮通信型が初公開された。もともとAMVはモジュール設計を採用し、さまざまな用途に対応できることが特徴の装甲車であり、陸自では指揮通信型のほか、施設支援型、患者輸送型、兵站支援型が計画されている。

装輪装甲車AMV指揮通信型。人員や機材などを搭載するため車体後部が拡充されている(写真/筆者)

無人地上車両(UGV)

無人装備の導入を積極的に進める陸上自衛隊が外国製の無人地上車両(UGV)2種を試験導入していることは知られていたが、今回その2種がともに総火演に登場した。エストニア製の装軌式UGV「THeMIS(テーミス)」と、ドイツ/カナダ製の装輪式UGV「ミッションマスターSP」だ。

装軌式UGV「THeMIS」より戦闘型(左)と偵察型(右)。戦闘型は7.62mm機関銃が搭載されている。偵察型は箱型の部分に最大6mまで延長できる起倒式・伸縮式のセンサータワーが内蔵されており、身を隠した状態で偵察ができる(写真/筆者)

どちらも全長3m×全幅2m程度の小型UGVで、歩兵や車両に随伴して運用することが想定されている。どちらのUGVも搭載兵装の換装により多様な任務に対応できることを売りにしており、総火演でも各3タイプ(輸送型、偵察型、戦闘型)が展示された。

装輪式UGV「ミッションマスターSP」より輸送型(左)と偵察型(右)。輸送型は平坦な荷台を備えている。偵察型はこちらも起倒式&伸縮式のセンサータワーを備える。光学/赤外線ターレットやレーダーなどを搭載している(写真/筆者)
「ミッションマスターSP」の戦闘型。こちらは履帯を装着していた。ミッションマスターSPは、軟弱地での走行などを想定し履帯を取り付けることも可能だ(写真/筆者)

今回はほかにも長射程地対地ミサイル「25式高速滑空弾」や、対上陸舟艇・対戦車用の車載型ミサイル「MPMS改」の発射車両なども初めて公開されている。まさに新装備が“目白押し”といった印象であり、急速に近代化が進む陸上自衛隊の姿を象徴するイベントとなった。

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