スタイルは元祖となる名車たちを再現

モンキー125の元祖は、1967年に登場した「モンキー(Z50M)」、ダックス125の元祖は1969年に誕生した「ダックスホンダ」だ。

2026_honda_Monkey125_001
ホンダ・モンキー125
1967_honda_monkey_Z50M_001
ホンダ・モンキーZ50M(1967年)

いずれも、50ccのレジャーバイクと呼ばれるジャンルに属し、コンパクトに折りたためることで、クルマに載せて運べるレジャーバイクとして世界的な大ヒットを記録した名車たちだ。

2026_honda_dax125_001
ホンダ・ダックス125
1969_daxhonda_001
ホンダ・ダックスホンダ(1969年)

ちなみに、モンキーは、元々、遊園地の子供用アトラクションとして誕生した乗り物を公道向けにした仕様だ。モンキーに続くレジャーバイク第2弾として販売されたダックスホンダは、胴長で低重心な姿がダックスフンドに似ていることから命名。後にダックスの車名に変更された。

両モデルは、そんな名車たちのフォルムを再現しつつ、最新装備をまとって現代に復活させたことが共通点。いずれも、排気量を125ccに拡大し車体も大型化したことで、元祖たちのようにクルマへの積載はできなくなった。だが、レトロで小粋な雰囲気を継承した、現代版レジャーバイクという点は同じだ。

ちなみに、両モデルのボディサイズやシート高、車両重量などは以下の通り。

【モンキー125】
全長1710mm×全幅755mm×全高1030mm
シート高776mm
車両重量104kg

【ダックス125】
全長1760mm×全幅760mm×全高1020mm
シート高775mm
車両重量107kg

車体はややダックス125の方が長いが、そのほかのサイズはほぼ同じ。車両重量も両モデル共に軽いため、駐車場などでの取り回しも楽なことがうかがえる。また、低めのシート高で足つき性がいいことも同様で、初心者でもかなり扱いやすいバイクたちであることが分かる。

運転できる免許の違い

一方、両モデルは、運転できる免許に違いがある。

モンキー125:「小型限定普通二輪免許」以上のMT車が運転できる免許
ダックス125:「AT小型限定普通二輪免許」以上のAT限定免許でも可能

モンキー125は、排気量125ccまでのすべてのバイクに乗れる小型限定普通二輪免許か、それ以上のMT(マニュアル・トランスミッション)車を運転できる二輪免許が必要だ。一方、ダックス125では、AT(オートマチック・トランスミッション)車限定のAT小型限定普通二輪免許でも運転ができる(AT限定普通二輪免許やAT限定大型二輪免許でも可)。

これは、排気量は同じでも、モンキー125がクラッチとシフト操作で変速するMT車(5速ギア)なのに対し、ダックス125は、変速時にクラッチ操作が不要な自動遠心クラッチ搭載車(4速ギア)だからだ。

AT小型限定普通二輪免許は、免許取得の際の技能講習が、MTのバイクも運転できる小型限定普通二輪免許よりも少ない。そのため、免許取得にかかる時間や費用を抑えることができ、より取得しやすい免許だといえる。つまり、乗る前提となる免許のハードルがより低いのは、ダックス125の方だということができる。

DRIVERSLICENSE_001
モンキー125とダックス125では運転できる免許にも違いがある

乗り味はクラッチのありなしで異なる

両モデルは、どちらもエンジンに123cc・空冷4ストローク単気筒を搭載。最高出力6.9kW(9.4PS)、最大トルク11N・m(1.1kgf-m)といった出力のスペックも同じだ(発生回転数のみ違う)。

だが、走行中の変速操作には違いがある。

まず、5速MT車のモンキー125は、アクセルとクラッチレバー、シフトペダルを駆使することで、自分で「バイクを操る喜び」を味わえることが魅力だ。ただし、それぞれの操作をスムーズかつ上手くやらないと、エンジンが急に止まる「エンスト」を起こす場合もある。とくに、細い路地などで低速のUターンなどをやる場合、エンストすると立ちゴケしてしまうリスクもある(車体が軽いため、足で踏ん張って立ちゴケを防ぎやすいバイクたちではあるが)。

Monkey125_01_14b
モンキー125は、シルバーカラーのエンジンを搭載

一方、ダックス125は、変速時にクラッチレバーを握ったり、アクセルを戻すなどの操作が不要なため、エンストの恐れはなし。この点は、ビジネスモデルの「スーパーカブ」シリーズと同じだ。

Dax125_01_14b
ダックス125のエンジンは、ブラックカラーを採用

ただし、極低速での車体コントロールが難しく感じることもある。たとえば、渋滞路で10km/h以下でノロノロと走る場合、モンキー125なら半クラッチも使うことで、細かい速度調整ができ、比較的スムーズな走りができることも多い。

対して、クラッチ操作のないダックス125は、アクセルワークとブレーキだけで速度調整するため、極低速域でギクシャクするケースもある(ライダーの慣れや個人差もあるため、一概に言えないけれど……)。

ともあれ、モンキー125は、MT車ならではの走り方に慣れてしまえば、自在に操る感覚とスポーティな走行を楽しめるのが魅力。一方のダックス125も、アクセルを回すだけで速度がのっていくスクーターとは異なり、4速のギアを使い分ける必要はある。ただし、MT車と違いクラッチ操作がないことで、誰でも乗れて、しかも長距離などでも疲れにくいバイクだといっても過言はないだろう。

タンデムOKのダックス125、NGのモンキー125

両モデルの大きな違いには、ダックス125は二人乗りOKだが、モンキー125は二人乗りがNGであるということも挙げられる。

どちらも原付二種クラスに属するため、道路交通法上は二人乗りもOKなクラスに属する(原付一種は不可)。だが、もともと「一人乗り」のバイクとして設計されたモンキー125の場合、法規上でも乗車定員は1名。そのため、後席のライダーが足を載せるタンデムステップはないし、シートも一人乗りサイズとなっている。

2026_honda_Monkey125_004b
モンキー125のシートまわり。タンデムステップなど二人乗り用の装備はない

一方、二人乗りも可能なダックス125は、2名乗車を考慮した長めのシートを採用。タンデムステップや後席ライダーが握るためのグラブバーなど、一般的な原付二種と同様、二人乗り用の装備が付いている。

2260130-dax125_001Hb
ダックス125には、2名乗車を考慮したシート、タンデムステップやグラブバーなど、二人乗り用の装備が付いている

ちなみに、同じ原付二種でも、一人乗り用のモンキー125で二人乗りをしてしまうと「定員外乗車違反」に該当。検挙されると、以下の罰則が科せられる。

【定員外乗車違反の罰則(バイクの場合)】
反則金:二輪車6000円、原付車5000円
反則点数:1点

また、原付二種バイクに乗り、一般道で二人乗りをするには、免許取得年数が1年以上である必要がある。これに違反すると以下の罰則を科せらる場合があるので注意したい。

【大型自動二輪車等乗車法違反の罰則(バイクの場合)】
反則金:二輪車1万2000円
反則点数:2点

ツーリング時の燃費にも違いあり

両モデルは原付二種バイクなので、高速道路こそ乗れないが、一般道を使ったツーリングを楽しむライダーも意外に多い。バイク旅を楽しむ場合、燃費や1回のガソリン満タンで走行できる距離などが気になるところ。両モデルのカタログ上の燃費や燃料タンク容量、航続距離は以下の通りだ。

【モンキー125】
・燃料消費率(WMTCモード値):68.7km/L
・燃料タンク容量:5.6L
・1回の満タンで走行できる距離:384.72km

Monkey125_01_23b
モンキー125のメーター内には燃料計も装備

【ダックス125】
・燃料消費率(WMTCモード値):65.7km/L
・燃料タンク容量:3.8L
・1回の満タンで走行できる距離:249.66km

Dax125_01_09b
ダックス125のメーターも燃料計付き

両モデルの1回の満タンで走行できる距離は、「燃料消費率×燃料タンク容量」で計算したものだ。あくまでカタログ数値上の計算なので、実際の走行では天候や乗り方などで変わるが、基本的に燃費がよく、燃料タンクも大きいモンキー125の方が、1回の満タンで走行できる距離は長くなるといえる。

選ぶのは「操る快感」か?「安心感」か?

両モデルは、スペックや価格は同じでも、中身を紐解けばそれぞれ異なる魅力を持った個性派たちであることがお分かりいただけただろう。

バイクらしい「操る快感」やソロでのロングランを楽しみたいなら、モンキー125。免許取得の手軽さやエンストのない安心感、そして「二人乗り」の利便性を求めるなら、ダックス125。

2026_honda_Monkey125_004
バイクらしい「操る快感」を味わえるモンキー125
2026_honda_dax125_003
免許取得の手軽さやエンストのない安心感ならダックス125

自分の目的に合わせてロジカルに選ぶのも楽しいが、趣味の相棒だからこそ「見た目の一目惚れ」で決めてしまうのも立派な選び方だ。どちらを選んでも、あなたのバイクライフを最高にハッピーにしてくれることは間違いない。