343psを発生するデュアルモーターAWDに加え、221ps仕様のFWDモデルも設定される予定

スバルのEV戦略が、新たなステージへ進もうとしている。

入手した情報によると、スバルは新型コンパクトSUV「アンチャーテッド」の日本導入を2026年9月にも開始する方向で準備を進めているようだ。すでに北米で発表された同車は、ソルテラ、トレイルシーカーに続くBEVラインアップの第3弾となる。

スバル アンチャーテッド

アンチャーテッド最大の特徴は、「ちょうどいいサイズ」にある。全長は約4520mmとソルテラより約170mm短く、日本の道路環境にも適したボディサイズを採用。一方でホイールベースは2750mmを確保しており、取り回しの良さと室内空間を高いレベルで両立している。

このサイズ感から海外では「電動版クロストレック」と評されることもあるが、実際にはクロストレックに近い扱いやすさと、本格的なEV性能を融合した新しいポジションのモデルと考えるのが適切だろう。

スバル アンチャーテッド

ベースとなるのはトヨタ「C-HR+」だが、サスペンションセッティングやAWD制御はスバル独自のチューニングが施される見込みだ。共同開発車でありながら、それぞれのブランドらしい走りを追求する点は、ソルテラとbZ4Xの関係にも通じる。

パワートレインは343psを発生するデュアルモーターAWDに加え、221ps仕様のFWDモデルも設定される予定である。これまでスバルの電動モデルはAWDが中心だったが、価格を抑えたFWD仕様をラインアップすることで、より幅広いユーザー層を取り込む狙いがあるとみられる。

航続距離も実用性を重視した設定となる。北米仕様ではFWDモデルでEPA推定300マイル(約483km)超を目標としており、日常使用だけでなくロングドライブにも十分対応できる性能を備える。

日本仕様の価格は未公表だが、北米価格や装備内容を踏まえると、日本では400万円台前半からのスタートとなる可能性が高い。価格設定次第では、輸入EVだけでなく国産コンパクトSUVとの競争力も十分期待できるだろう。

スバルのEV戦略は、これまでソルテラを中心に展開されてきた。しかし、ボディサイズや価格帯を考えると、販売の裾野を広げるにはよりコンパクトなモデルが必要だった。

アンチャーテッドは、まさにその役割を担う1台である。扱いやすいボディサイズと十分な航続距離、そしてスバルらしいAWD性能を兼ね備えることで、日本市場におけるEVラインアップの中核モデルへ成長する可能性は高い。

EV市場が拡大するなか、スバルが次に勝負をかけるのは「高性能」や「大型SUV」ではなく、多くのユーザーが日常で使いやすい”ちょうどいいEV”だった。その戦略が日本市場でどこまで支持を集めるのか、アンチャーテッドの動向は今後のスバルEV戦略を占う試金石になりそうだ。