Studie AG
BMW M4 30th WideBody(G82)
スタディの30周年記念車



横浜の街はずれで、クルマを2、3台入れるのがやっと、という小さなガレージから始まったスタディAGは、2025年に30周年を迎えた。いまでは全国8店舗(技術提携店含む)に拡大し、BMW公認のレーシングチームであるBMW Mチーム・スタディも発足させた。日本はおろか世界のBMWチューニングを、ともすればカーカルチャー全体を牽引する存在となった。
このG82型M4は、栄光の30年を統括するかのような、記念碑的な30周年記念車だ。スタディAGのキーパーソン、創業者にして現会長を務める鈴木“BOB”康昭氏の愛車でもある。それは唯一無二のワイドボディを纏い、内外装どこを取っても完璧にコーディネートされた1台だった。
ワンオフエキゾーストが奏でる快音

イヴェンチュリのインテークシステムと、スーパースプリント30thアニバサリー・ワンオフエキゾーストとが、現代流のシルキーシックス(S58型3.0リッター直列6気筒ツインターボ)を鼓舞するかのように快音を奏でる。スタディオリジナルのDME(ECU)チューニング、FTPチャージパイプなども効いているのだろう。
いや、本当の歓びはドライバーにある。郷愁漂うレカロCクラシックシートと、320mmという小径なJQシステム/OMPのステアリングからは、路面のリアルを身体全体に伝えてくる。手首の動きひとつでスパっと入るCAEウルトラシフターの感触も心地いい。そんな操作系を通して、まるで身体の一部になったかのような自在なコントロール性と、いかなる速度域でも地べたに張り付くような安心感を訴えかけてくる。
懐かしさを感じるインテリアのコーディネート



個性満点のアピアランスや、刺激的な走りだけではない。車室後部にはレーシングカーを彷彿とされるヴィヒャーズ製ロールケージを組んで、車内は潔く2シーターへ。なのにインテリアはチェック柄に張り替えて、懐かしさと温もりを感じさせる。そのうえで車内をコンサートホールに一変させるオーディオシステムがあり、スタディオリジナルで開発したカップホルダーや、大型のデジタルルームミラーもある。ドラレコだって、レーダー探知機だって、欲しいものは全部ついている。たとえ些細なことだって構わない。あの手この手で改造した愛車は、自分にとって唯一無二の存在であることを改めて教えてくれる。
ワイドボディ化とこだわりの足まわり


鈴木氏を軸にスタディが何年もかけて育てた軌跡を感じる。もっとも、30周年記念として「INDIV_OFFICIAL」によるワンオフのワイドボディ化を遂げ、ALPHA-Nパフォーマンス製F-ONEホイールを装着して走り出したのは、つい先日のこと。HKSTUDIE製車高調のベストアンサーを含めて、セッティングはまだ途上にある。それでも、比類なき性能と世界観の片鱗を味わせてくれた。スタディが何周年を迎えようとも、この1台は成長しながら寄り添い続けるのだろう。
そうした意味で、これはスタディ30年の歩みを統括した集大成にして、未来への架け橋となる第一歩だ。そう考えたとき、シグナルグリーンという色味がすっと腑に落ちた。この1台をもって、スタディの映えある未来に、ひいては日本から発信して世界を飲み込むBMWカルチャーの未来に、グリーン・シグナルが灯ったのである。

REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/真壁敦史(Atsushi MAKABE)
MAGAZINE/GENROQ 2026年11月号
【問い合わせ】
スタディAG
https://www.studie.jp


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