メルセデス・ベンツ ベイビーGクラス  予想CG

メルセデス・ベンツが開発を進める新型コンパクトオフローダー、通称『ベイビーGクラス』の登場が近づいている。

オラ・ケレニウスCEOが海外メディアの取材に対し、今後24カ月以内に市場投入する方針を示したと報じられた。さらに、当初は電気自動車(BEV)専用とされていたこの計画に、エンジン搭載モデルが加わる可能性も浮上している。

メルセデス・ベンツ ベイビーGクラス プロトタイプ スパイショット

2028年までに発売へ、開発車両の公道テストも順調に進行中

メルセデス・ベンツが“小型Gクラス”の開発計画を初めて公表したのは2023年のこと。同社を象徴する本格オフローダー『Gクラス』のデザインと走破性を受け継ぎながら、よりコンパクトなボディを採用する新型モデルとして構想された。2025年には公式ティーザーが公開され、その後は公道でテストを行うプロトタイプも目撃されている。

スクープ班が以前捕捉した開発車両には、小文字の“g”を無数にあしらった特徴的なカモフラージュが施されていた。このため、正式車名に小文字の“g”が使用される可能性も指摘されているが、車名はまだ発表されていない。

今回、ケレニウスCEOは開発計画の公表時に大きな反響があったことを振り返り、予想より早く登場するとの見通しを示したという。

報道された「24カ月以内」という発言を2026年10月時点から計算すると、2028年秋までの市場投入が視野に入る。正式な発売日は未発表だが、長らく構想段階にあった新型オフローダーの登場が、現実味を帯びてきた。

EV専用から方針転換? 1.5L ハイブリッドが有力候補?

ベイビーGクラスで大きな注目を集めているのが、パワートレイン戦略の変化だ。当初はBEV専用モデルとして計画されていたが、現在はエンジン搭載モデルも展開する方向で検討が進んでいると報じられている。背景には、世界各国で異なる電動車需要や、消費者の選択肢を広げる狙いがあるものと考えられる。

エンジン搭載モデルで有力視されているのは、新型『CLA』に採用された1.5L 直列4気筒ターボエンジンをベースとするハイブリッドシステムだ。CLAのハイブリッド仕様では、48V電動化技術を組み合わせ、燃費性能と加速時の応答性を両立させている。

ただし、ベイビーGクラスは一般的な乗用車とは異なり、悪路走行性能が重視されるモデルとなる。そのため、エンジンやモーターの特性に加え、駆動力配分や低速域での制御など、オフロード走行に適した専用のチューニングが施される可能性がある。

他方、BEV仕様では前後にモーターを配置するデュアルモーターAWDが有力候補となっている。スクープ班では、85kWh級のリチウムイオンバッテリーを搭載する可能性にも注目している。

ただし、エンジン排気量やバッテリー容量、モーター構成などの具体的な仕様は、現時点でメーカーから正式発表されていない。

専用シャシーで本格オフロード性能を追求か!?

ベイビーGクラスが一般的なコンパクトSUVと異なるのは、車体構造にもある。メルセデスは、既存のコンパクトモデル用プラットフォームをそのまま流用するのではなく、小型Gクラスのために専用設計の車体構造を開発する方針を示している。

在来の大型Gクラスはラダーフレーム構造を採用し、高い車体剛性と本格的な悪路走破性を実現しているが、ベイビーGクラスでは、従来型Gクラスの構造を単純に縮小するのではなく、車体サイズや重量、電動パワートレインとの適合性を考慮した新たな設計が採用されるものとみられる。特にBEV仕様では、床下へのバッテリー搭載と十分な最低地上高を両立させる必要があるだろう。また、エンジン搭載モデルとBEV仕様の両方を展開する場合、車体構造には高い設計自由度が求められる。

メルセデスが専用シャシーにこだわる背景には、単なるGクラス風のデザインを持つSUVではなく、悪路走破性でも独自の価値を提供する狙いがあるものと考えられる。

全長4.3〜4.5m級、角張ったボディを継承?

エクステリアは、Gクラスを象徴する直線基調のデザインが受け継がれる見込みだ。直立したフロントウインドウ、角張ったボディ、丸型ヘッドライト、大きく張り出したフェンダーなどが特徴となる。開発車両のリヤには、スペアタイヤを思わせる大型カバーも確認されている。

ボディサイズは『GLA』や『GLB』に近いクラスになるものと予想される。

スクープ班では、全長4300〜4500mm、全幅1850mm前後、全高1900mm前後をひとつの目安としている。大型Gクラスより取り回しやすいサイズとしながら、オフローダーらしい存在感を維持する設計になるとみられる。ただし、正式な寸法はまだ公表されていない。

日本価格は700万円台から? ジムニーノマドとどう違う?

日本市場で比較対象として思い浮かぶのが、スズキ『ジムニーノマド』だ。ジムニーノマドは全長3890mmのコンパクトなボディに、ラダーフレーム構造と本格的な4WDシステムを組み合わせたモデルである。ただし、ベイビーGクラスは価格帯も車格も大きく異なることになるだろう。

ジムニーノマドが比較的手の届きやすい価格で本格的な悪路走破性を提供するのに対し、ベイビーGクラスは上質な内装や先進安全装備、電動パワートレインなどを備えたプレミアムオフローダーとして展開されるものと予想される。

スクープ班では、欧州市場での価格を5万ユーロ台から、日本市場では700万〜900万円程度と予想している。上級グレードやBEV仕様では、1000万円前後に達する可能性もあるだろう。

もっとも、これらは現時点での予想価格であり、実際の販売価格は為替や装備、グレード構成によって変わる。日本への導入についても正式発表はないが、Gクラスの高い知名度を考えれば、国内展開は十分に期待できる。

“小さなGクラス”は新たな人気モデルとなるか?

ベイビーGクラスは、単にGクラスを小さくしたモデルではない。専用設計の車体構造に加え、BEVとハイブリッドという異なるパワートレインを展開することで、従来のGクラスとは異なる顧客層を開拓する狙いがある。

スクープ情報どおり2028年までに市場投入されれば、メルセデスのSUVラインアップに新たな選択肢が加わることになる。

今後の焦点は、正式車名と量産デザイン、そしてパワートレインの具体的な構成だ。

大型Gクラスの伝統を受け継ぐ小型オフローダーが、どのような走行性能と価格で登場するのか。その続報が待たれる。