アオシマから超ロングセラーモデル・ヤマハ VMAX(ブイ・マックス)の1/12完成品モデルがカムバック! フレーム&タンクカバーはダイキャスト、カラーは3種類【VMAX発表時の秘話もあり】

ブラック2
プラモデルやホビーでおなじみの株式会社青島文化教材社(アオシマ)は、同社が展開するブランド「SKYNET(スカイネット)」の1/12 完成品バイクシリーズから、1985年より22年間に渡り発売された超ロングセラーモデル・ヤマハ V MAXを2024年8月(予定)に再発売する。同品は一時絶版化となっていたが、アンコールによりこのたび再販が正式に決定。カラーは純正色の3種類をラインナップ。VMAX誕が発表された、バイクブーム&レーサーレプリカ全盛だった当時の話も併せてご紹介しよう。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
アオシマ https://www.aoshima-bk.co.jp/
商品の公式WEBサイト:
ブラック2
https://aoshima-car.com/index.php?dispatch=products.view&product_id=2287
ニューシルバーダスト
https://aoshima-car.com/index.php?dispatch=products.view&product_id=2288
ファイアーレッド
https://aoshima-car.com/index.php?dispatch=products.view&product_id=2289

アオシマ 1/12 完成品バイク Yamaha Vmax(ブラック2、ニューシルバーダスト、ファイアーレッド)……4,180円(消費税込)

受注予約開始日時:2024年5月1日(水)14:00/発売:2024年8月予定

ニューシルバーダスト
ファイアーレッド
ブラック2

1985年より22年間に渡って発売されたヤマハの超ロングセラーモデル・VMAXは、圧倒的な加速性能をもたらす「Vブーストシステム」と145馬力(初期型)の超パワフルなエンジンを搭載した、ストリートドラッガーという新しいジャンルを確立した名車。

多くのユーザーによるリクエストにより、リバイバル発売(再販)となったVMAXの1/12完成品バイクは、排気量1,198ccの水冷4ストロークV型4気筒DOHC 4バルブエンジンや、特徴的なエアインダクトカバー、力強いドラッガースタイルのフォルム等、形状や存在感を余すことなく再現。フレーム&タンクカバーはダイキャスト製とし、重量感・質感ともにハイレベルな仕上がり。コストパフォーマンスに優れた完成品モデルだ。

全長は19cmで存在感も抜群。カラーは純正採用の3色あり(ブラック2、ニューシルバーダスト、ファイアーレッド)。VMAXオーナーはもちろん、当時VMAXが欲しかったけれど買えなかった……という人もぜひどうぞ!

ヤマハの超ロングセラーモデル「VMAX(ブイ・マックス)」

本物のヤマハ VMAX。写真は1993年モデル。ホイール形状など、年式によって各部の仕様は細かく異なる。なお、1990年モデルはヤマハ初のオーバー750cc国内モデルとして発売開始。国内モデルは馬力抑制のため、Vブーストシステム未装着だった。

ヤマハ VMAX(ブイマックス)は1985年(昭和60年)のバイクブーム時に海外で発売された、マッチョなドラッグレーサー風の超個性派モデル。VMAXが初登場した頃、フルカウルを装備したレーサーレプリカモデルが人気の頂点を確立。また当時は、750ccを超えるモデルの国内仕様がない時代(国内メーカーの自主規制により、750cc超の販売は輸入車、もしくは逆輸入車のみ)。

当時中学3年生だった筆者の記憶によれば、VMAXが正式に発表された1984年(昭和59年)、「カウルはないけれどレーサーレプリカを凌ぐ、エゲツないネイキッド車が来年(1985年/昭和60年)にヤマハから輸出車として発売される……」と、バイク雑誌はもちろん、週刊誌や一般誌でも大々的に取り挙げられていた。

エンジンはベンチャーロイヤル用をベースにした、水冷4ストロークV型4気筒DOHC 4バルブ1,198cc。当時はフルカウル付きの「スーパースポーツ」と呼ばれたモデルも到達できなかった、145馬力という常識外れのパワーを発生(当時の最速車だったカワサキGPZ900Rニンジャの北米仕様車は115馬力)。

走行性能も驚異的で、0-400mの加速は10秒台前半という、カワサキGPZ900Rニンジャ(下記)を凌ぐ、これまた市販車の常識を完全に打ち破った(ブチ壊したともいえる)強烈な加速力を発揮。(下記に続く)

1984年に登場した“初代ニンジャ”のGPZ900R Ninjaは、最高出力115馬力(北米仕様車/欧州仕様車は110馬力)をマーク。最高速度は240km/h以上で、0-400mの加速は10.976秒という、当時の市販車としては驚異的な記録をマーク。名車・Z1が世に出てから11年目。カワサキは再び「世界最速」の座を手にすることに成功した。

外観面では、驚愕の150mm幅の超極太リアタイヤをチョイス(今では150mmサイズ以上は当たり前だが、当時は規定外の太さだった)。この点もユーザーの度肝を抜いた。

当時、一部では速いバイク=軽量さを競っていたバイク事情とは裏腹に、VMAXの車体重量は、既存のどのモデルにも当てはまらない、スーパーヘビー級の263kg(初期型)。この“理解不能な”超ヘビーな重量、加えて肉感的でマッスルなネイキッドスタイルも、レーサーレプリカ全盛の「速いバイク=スリムでそこそこ軽量が当たり前」だった当時の常識を逸脱していた。

大パワーを生み出すため、VMAXは「Vブースト」という機構を導入。VMAXの代名詞ともなる「Vブースト」とは、ヤマハ独自の過給機システムで、通常は1気筒あたり1個のキャブレターから燃料(混合気)が送り込まれる。一方Vブーストは、6,000回転を越えたあたりから、隣の気筒用のキャブレターからも混合気が送り込まれるよう、フラップバルブが開き始め、8,000回転で1気筒に対し、2個のキャブレターから混合気が送り込まれ、爆発的なパワーを獲得。

バイクブームのレーサーレプリカ全盛時代、異端児ともいえるVMAXが注目された最大のポイントは、「ハイパワーマシン=一番」という分かりやすい風潮があったこと。

VMAXは当時日本人にはあまり馴染みのない、“直線番長”のドラッグスタイルを形成。当時はNEWモデルが出ては、人気がなければ半年で消え去るという、極めて入れ替わりの激しい時代。

そんな中でVMAXは、どの市販バイクも達成したことのない圧巻の145馬力、これまで見たこともないワイドな150mmサイズのリアタイヤ、ゼロヨン10秒台前半という常軌を逸したとも言うべき強いインパクトを寄与。

この時点で、レーサーレプリカ一辺倒だった当時のマスコミや世論、またユーザー層も、異端児であり一見ワケの分からないVMAXを無視できなくなった。

今にして思えば、VMAXに関する当時のヤマハ陣のマーケティング&イメージ戦略は、「お見事」の一言だった。VMAXが1985年から2017年まで支持されてきたのは、VMAXが持つ魅力はもちろん、独自のマーケティング&イメージ戦略も功を奏したのだと思う。

VMAXは国内で750cc以上のバイクの販売が解禁された後も、輸出用モデルに加え、“国内専用モデル”がラインナップされるなど人気を獲得。これまでになかった「ストリートドラッガー」という独自のジャンルを確立し、ロングセラーモデルに成長した。

1,198ccバージョンは排ガス規制により2008年モデルにて生産終了。2009年にはフルモデルチェンジされ、排気量を1,679ccにアップ。同モデルは2017年モデルまで生産された。

ブラック2(1/12 完成品バイク)

ニューシルバーダスト(1/12 完成品バイク)

ファイアーレッド(1/12 完成品バイク)

製品仕様

価格:4,180円(税込)
発売:2024年8月発売予定
発売元:スカイネット
販売元:株式会社青島文化教材社
カラー:ブラック2、ニューシルバーダスト、ファイアーレッド
・塗装済み完成品
・ステアリング・リヤサスペンション可動
・素材:本体/ダイキャスト・ABS・PS タイヤ/TPR
・スケール:1/12
・サイズ:全長約190㎜
・ディスプレイ台座付属
・アオシマオリジナル開発商品
※画像は試作品です。実際の商品とは異なる場合がございます。

キーワードで検索する

著者プロフィール

北 秀昭 近影

北 秀昭