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2024年も編集部が「これだ!」と目を付けた選りすぐりのアイテムをご紹介した。これらを効果的に組み合わせれば、最高の涼しさを体感できるのでは? 電動ファン4個を採用した超高性能タイプの作業服に、各種インナーをコーディネイトした最上級の組み合わせをチェックしてみよう。
最上級編(STEP:4)……合計金額:2万1919円
空調作業服(4ファン搭載セット)……6580円(税込/送料無料)/別売りのモバイルバッテリー……3000円(税込/送料無料)
工事現場や建築現場の定番となった、作業着の背後に電動ファンを設けたファン付き作業服。電動ファンが作動し、外部の空気を作業着内に送り込むことで、汗が蒸発する時の気化熱で身体を冷却し、皮膚上の汗が冷やされて皮膚の表面温度が低下。これにより涼しくて快適な環境を作り出してくれるのが特徴。ただし汗をかいていない状態だと、あまり涼しさは感じない。
電動ファン2個搭載型が多い中、写真の作業服は電動ファン4個を採用した超高性能タイプ。風量を2倍にすることで、2個タイプでは補えなかった風力不足問題を、見事に解消している。2個タイプに比べ、体感温度の大幅な低下も実現。
ミズノ クーリングインナーベスト(保冷剤3個付/メンズ)……メーカー希望小売価格:6930円(税込)/購入価格:6300円(税込)・送料無料
クーリングインナーベストは両脇と背中の中心部に、専用の保冷剤(サイズは100mm×170mm)が収納できるポケットを設置。各部を冷却して熱中症を防止する、画期的な冷却用アイテム。キンキンに冷えた専用の保冷剤が、脇の下と背部を冷却してくれ、酷暑の中でも非常に快適。結露で衣服が濡れることもないので非常に快適。
冷却ベスト(2枚セット)……メーカー希望小売価格:4800円(税込)/購入価格:2280円(税込)/送料無料(東京都)
バッテリー・保冷剤・薬品・氷などを一切使わず、水だけで冷却効果を発揮する、新素材の「PVA(ポリビニルアルコール)」を採用した画期的なクーリングベスト。PVA素材とは親水性が高く、しかも透湿性に優れている最新のスポンジ。吸水性が良く、湿気や熱気を放出しやすいのが特徴。
超冷却ネックアイスバッグ……購入価格:1280円(税込/送料無料/全国一律)
挿入口からアイス(氷)と水を入れる(内部の容量は約1.2L)、肩掛け式の「超冷却ネックアイスバッグ」。首回りはもちろん、背中、頭部、脇の下、足等々、様々な個所を冷却できるのが特徴。このネックアイスバッグは“超冷却”という名の通り、本体に氷と水を挿入・注入すれば、瞬時に強烈な冷却効果を発揮する。
ミズノ アイスタッチUVアームカバー(メンズ)……メーカー希望小売価格:2640円(税込)/購入価格:1929円(税込)+送料550円(東京都)
猛暑対策におすすめの、冷んやり&さらっとした接触冷感と、紫外線を阻止するUVカット機能を盛り込んだ「アイスタッチUVアームカバー(左右1セット)」。レジャー、買い物、ガーデニング、ウォーキングの時などに日焼けを防ぐこともできる、日常生活での利便性も極めて高い超お役立ちアイテムだ。
走行インプレッション
万全のフル装備だが、走行時は分厚さがネックに。「中級編」のほうが快適かも
「数点を組み合わせる面倒さ」や「各アイテムの持続性」など、実用性はスルー。“その瞬間の最高の涼しさと快適性”を重視してコーディネイトするという、かなり強引ともいえる本企画。
とはいえファン付き作業服、水色のクールベスト、肩掛け式の超冷却ネックアイスバッグの3アイテムを組み合わせた『上級編』の実用性と利便性は、そこそこ良好。特に氷水で首周りをキンキンに冷やしてくれる「超冷却ネックアイスバッグ」。また水で上半身を冷却する「冷却ベスト」のポテンシャルは高く、36℃の猛暑日(日なたの実測温度は42℃超)だったテスト日でも冷却効果を体感。
最上級編となる今回は、上級編の3アイテムに、両腕を冷やすミズノ製のアイスタッチUVアームカバー。また両脇と背中を冷やす、ミズノ製のクーリングインナーベストを追加装着。両アイテムとも、大手スポーツメーカーが徹底研究し、冷却効果を追求しつくしたはずのアイテム。上級編+αの効果やいかに?
ファン付き作業服の限界を突破したミズノ製クーリングインナーベスト
ファン付き作業服は電動ファンが作動し、外部の空気を作業着内に送り込むことで、汗が蒸発する時の気化熱で身体を冷却し、皮膚上の汗が皮膚表面の熱を奪う。これにより涼しくて快適な環境を作り出してくれるのが特徴だ(汗をかいていない状態だと、それほど涼しさは感じない)。
過酷な作業現場や建築現場では、ファン付き作業服の下に「コンプレッションインナー」と呼ばれるスポーツ用のインナーウエアを着用するのが人気。身体に密着し、速乾性に優れた「コンプレッションインナー」は、汗を蒸発しやすく、ファン付き作業服着用時は身体を冷却しやすいのが大きな理由。
これは両腕に装着したミズノ製アイスタッチUVアームカバーでも体感できた。両腕にフィットし、速乾性に優れたアイスタッチUVアームカバーは、ファン付き作業服の電動ファンを作動させると、日陰では明確な涼しさを発揮。
ただしテスト日の最高気温(気象庁発表)は36℃の猛暑日。日なたの実測温度42℃超。当日は熱中症警戒アラートが発令されていた。
日なたの実測温度が40℃を超えたあたりでは、ファン付き作業服服着用時、残念ながらあまり涼しさは感じられない。この点はファン付き作業服服の“限界”を見たような気がした。
この“限界”を突破してくれたのが、ミズノ製クーリングインナーベストだ。
もしも熱中症になった場合の「3大局所冷却」
熱中症になった場合、体表近くを太い静脈が流れている首の両サイド、両脇、両脚の付け根を冷やすのが鉄則(様々な病院のサイトや医療系サイトでも紹介されている)。これらの個所は医療現場において「3大局所冷却」と呼称。皮膚を通して静脈血を冷却すると、大量の冷えた血液が体内に戻り、効果的に体内を冷やすことができるのだ(手のひら、足裏、背中を冷やすのも効果的)。
熱中症にも効果を発揮する脇下や背中を冷却するクーリングインナーベスト。また、キンキンに冷えた超冷却ネックアイスバッグの組み合わせで、快適性の向上と熱中症の抑制に磨きがかかるはず。
カチカチに凍った保冷剤を両脇+背中に配置したこのクーリングインナーベストは、各所に明確な冷たさを提供。このアイテムは外気温度が上がれば上がるほど、高い冷却効果を発揮してくれる。
ミズノ製クーリングインナーベストで冷やされる両脇と背中。また水色の空冷ベストで冷やされる胸部や腹部は、停車時に限っていえば、ファン付き作業服の電動ファンが循環することにより、若干だが涼しさが向上(したような気がする)。ただし走行時はやや分厚い作業服の生地が邪魔をしたのか、「中級編」のような快適さは得られない。
なお、クーリングインナーベストの保冷剤が効果を発揮するのは、わずか30分程度(繰り返すがテスト日は36℃の猛暑日。日なたの実測温度は42℃超)。
ファン付き作業服を脱いでクーリングインナーベストを外す→凍らせた保冷剤に入れ替える→ただし入れ替えるには、凍らせた保冷剤を保冷バッグ等に保存して持ち歩く必要がる等々、実際にバイク乗車時に使用するのは、かなりハードルが高いかもしれない。
総括! 初級編~最上級編で、もっともバイクの乗車に向いているのは?
本項では2024年の夏にテストした5アイテムをアレコレ組み合わせ、初級編~最上級編として展開してきた(下記ページ参照)。5アイテムを自由自在にコーディネイトした結論としては、
1:40℃を超える日なたなどでは、たとえ着用するインナーウェアに工夫しても、ファン付き作業服はあまり役に立たない。しかもバイク乗車時は走行風(熱風)により冷却効果は限りなくゼロ。
2:酷暑でバイクに乗車するならば、速乾性の高い肌着とメッシュ地のTシャツやジャケット。これに紫外線もシャットアウトする「ミズノ製アイスタッチUVアームカバー」、水で上半身を冷やす「冷却ベスト」を大いに活用すべし。
3:超冷却ネックアイスバッグは極めて冷却性能に優れ、即効性が高い。ただしバイク専用ではないから、休憩時などに活用したい(走行時に使うなら、脱落防止などの工夫が必要)。
4:ミズノ製クーリングインナーベストは保冷剤の交換や持ち歩きが必要なため、バイク乗車時には向いていない。
以上のことから、初級編~最上級編の中でもっともバイクの乗車に向いているのは、筆者的には「初級編」であると判定した。
とはいえ、各アイテムは工夫次第でもっともっと便利に使えるはず。また、冷却アイテムはこれ以外にも様々なタイプがリリース中。自分流にアイテムを選び、アイデアを凝らし、賢く駆使して、まだまだ続く酷暑を一緒に乗り切りましょう!
※注:上記はあくまでも筆者の感想です。個人の感覚・体質・健康状態、また気象状況等により感じ方は異なります。