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LEXUS LX700h
待望のハイブリッド仕様を導入
レクサス LXは、「世界中のどんな道でも楽に・上質に」をコンセプトに、世界中のあらゆる道での走行に耐えうる運動性能と、レクサスらしい上質な乗り心地を両立したフラッグシップSUV。現在、日本を含む世界約50ヵ国以上で販売されているが、レクサスでは唯一電動モデルをラインナップしていなかった。
「LX700h」の導入にあたり、LXが代々培ってきた「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を電動化においても守り抜く事を第一に、専用のパラレルハイブリッドシステムを新開発。モータートルクを活かしたレクサスらしい走りに加えて、環境性能面でも車両使用時の年間CO2排出量を、グローバル全台数分で大幅に低減している。
今回の一部改良では内燃機関搭載モデルを含め、基本素性を向上させ、レクサスらしい乗り味「Lexus Driving Signature」に関するレベルアップを実施。ドライバーの操作に遅れなく反応する「対話のできる走り」に磨きがかけられた。さらに安全装備に関しては、より安全・安心を極めるべく、最新「Lexus Safety System +(LSS+)」へとアップデートされている。
レクサス・インターナショナルのチーフエンジニアを務める横尾貴己は、今回の一部改良について次のように説明を加えた。
「2021年にフルモデルチェンジしたLXは、世界中のお客様から供給が追い付かないほどのご好評を頂いています。一方でカーボンニュートラル社会の実現を目指すレクサスとしては、唯一電動車の設定が無いというジレンマを抱えていました。レクサスにとって、そして長らくLXに携わってきた私にとって、全世界の過酷な環境下で使用されるLXの電動化は、不可能と思えるほどの高いハードルであり、かつ悲願でもありました」
「開発にあたり、最初に固めたのは『電動車であっても、歴代LXが守り抜いてきた信頼性・耐久性・悪路走破性は絶対に犠牲にしない』という強い意志と決意です。どうしたらLXとして安心に使って頂けるか、どうしたら生きて帰ってこられるか、どうしたらレクサスらしい走りを実現できるか……。開発チーム一丸となり、たどり着いた答えが、新開発のパラレル・ハイブリッドシステムと、GA-Fプラットフォームの改良でした」
「発売から約3年が経過したガソリン&ディーゼルモデルにおいても『Lexus Driving Signature』のさらなる追求と安全・快適装備の充実を行いました。走りの味磨き活動で得られた知見を、惜しみなく投入し、対話のできる走りに磨きをかけ、電子プラットフォームの刷新によるLSS+の最新化など、これまで以上に楽しくドライブできる改良を施しています。また、新たに『OVERTRAIL』パッケージも設定し、多様なライフスタイルに寄り添うラインアップとしています」
新開発パラレルハイブリッドシステム
LX700hに導入された新開発「パラレルハイブリッドシステム」は、3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンと10速ATの間に、クラッチを有するモータージェネレーター(MG)を配置。駆動系の「フルタイム4WD」「トランスファーLoレンジ」「トルクコンバータ付AT」が、電動化においても維持された。このシステムは、エンジン+モーターの高出力・大トルクを確実に路面へと伝え、シチュエーションに応じてエンジン/モーターの切替を、ハイブリッド制御システムが最適にコントロールする。
従来のパラレル・ハイブリッド車には装備されない、オルタネータとスタータを標準装備。万が一ハイブリッドシステムが停止した場合でも、スタータでエンジンを始動し、オルタネータで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することで、エンジンのみでの退避走行が可能になった。これはレクサス初のシステムとなる。
リヤフロアに搭載されたハイブリッド・メインバッテリー本体に、上下分割した防水トレイでパッキングする、専用の防水構造を採用。深水路などにおいて水の侵入を防ぐことで、エンジン車と変わらない渡河性能700mmが確保された。万が一防水トレイ内に水が浸入した場合は、トレイ内に配置した被水センサが検知。メーター表示によるドライバーへの注意喚起が行われる。
応答性の良いモーターと、大排気量ツインターボエンジンの組合せにより、低速においてはアクセル低開度からレスポンスの良いリニアな発進・加速を実現。アクセル踏み込み時や高速域においては、大トルクを活かした力強く伸びのある加速が可能になった。
オフロードにおいてはトランスファー「Hi」レンジに留まらず、「Lo」レンジでのモーター駆動をレクサスとして初めて採用。マルチテレインセレクトの各モードと組合わせて、繊細なアクセル操作が要求される岩場、ダート、深雪路等において、一部でモーターのみでの走行が可能になった。
センターコンソール下に配置されたACインバータ(防水構造付)により、1500W/2400W(地域によって異なる)までの給電が可能。センターコンソール後部とデッキにコンセントを配置したことで、利便性が大幅に向上した。給電機能は、様々なアクティビティや災害時の非常用電源として利用することができる。
「プロフェッショナルツール」をイメージ
一部改良を受けて、エクステリアには専用のグロスブラック・ペイントのスピンドルグリルと、マットグレーペイントのアルミホイールを導入。フォグランプ、ルーフレール、ウィンドウモール、ホイールアーチモール、ドアハンドル、アウターミラー、リヤバンパーサイドメッキモールをブラックやダーク系でコーディネートし、過酷な環境にも耐える「プロフェッショナルツール」が表現された。
ボディカラーは全6色をラインナップ。ソリッドのような色彩を持ちながら、メタリックの陰影により立体感を際立たせた「ムーンデザート」を「OVERTRAIL」専用色として設定した。
モータージェネレーターの追加により重量が増加し、全長が伸びたパワートレインを搭載するため、専用クロスメンバー(クロスメンバーNo.3)を新設。断面と板厚を最適化し、薄型形状とすることで内燃機関搭載モデルと変わらない最低地上高が確保された。また、パワートレーンの重量増に合わせ、リヤエンジンマウントの材質もより耐久性の高いものに変更されている。
リヤフロアのハイブリッドメインバッテリー搭載に合わせ、スペアタイヤ搭載位置を変更し、スペアタイヤクロスを新設。取付角度を最適化することで搭載位置を下げつつ、デパーチャアングルをキープし、悪路走破性とサービス性を両立させた。また、12V補器バッテリーの搭載位置がエンジンルームからリヤデッキ横へと変更されている。
12.3インチ大型フル液晶メーターを導入
コクピットに12.3インチ大型フル液晶メーターを導入し、ドライバーが運転に集中できるよう、運転支援情報をわかりやすく表示する。LX伝統の補器バッテリー電圧とエンジン油圧計はもちろん、画面カスタマイズにより、ブーストメーターやハイブリッドバッテリー充電状態も表示できる。また、ドライブモードセレクトや、マルチテレインセレクトのモード切替え時のアニメーション表示も一新された。
レクサスのオフロード4WDモデルとして、初めて「エレクトロシフトマチック」を採用。心地の良い触感と高い操作性を両立する、LX専用のシフトノブも同時に導入された。エレクトロシフトマチックの採用と合わせて、アドバンストパーク・スイッチもセンターコンソール上面の視認しやすい位置に配置される。
インテリアカラーに「OVERTRAIL モノリス」を設定。シート表皮のメイン部分とドアトリムに低彩度のモノリスを組合わせ、アッシュバール墨ブラックのオーナメントトリムをコーディネート。レクサスらしい上質なオフロードシーンを演出する。
また、フロントパッセンジャーの疲労軽減を目的に、エアブラダー(空気袋)方式のマッサージ機能を備えた「リフレッシュシート」が採用された。センターディスプレイ内のスイッチから、機能のオン・オフ、全身2コース/部位別3コースという全5コースから選択可能。強度も5段階から選ぶことができる。
SPECIFICATIONS
レクサス LX700h
全長:5100mm
全幅:1990mm
全高:1895-1885mm
ホイールベース:2,850mm
車両重量:2780kg
パワートレーン:3.5リッターV6ツインターボ+ハイブリッド
駆動方式:フルタイム4WD