「BMW X3」のMパフォーマンスモデルを新型「M50 xDrive」と旧型「X3 M40i」で比較

「新旧X3“Mパフォーマンス”対決」フルモデルチェンジした「BMW X3」の進化をスペックから徹底比較

2024年11月に「BMW X3」がフルモデルチェンジした。それに伴い、高性能モデルとなる「Mパフォーマンス」も大幅なアップデートを受けている。旧型の「X3 M40i」と新型の「X3 M50 xDrive」のスペックを比較して走行性能や価格の違いを明らかにしてみよう。

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新型X3はやや大型化したうえ80kgの車重増加

新型「BMW X3」のボディサイズを旧型と比較すると、新型の方が若干大きくなっている。ただし拡大量は数十mmとわずかだ。ホイールベースに変更はないが、車両重量は80kg増えている。重量増加は48Vマイルドハイブリッドシステムの追加が大きな比重を占めていることだろう。

エクテリアデザインは旧型のイメージを引き継ぎつつ、BMWの新しいデザイン言語に基づいて大胆な刷新が図られている。各部のラインが鋭角的になり、キドニーグリルはブラックアウト化。アグレッシブな印象がより強められた。

内装に関しては、新旧ともにドライバーオリエンテッドな仕上がりとなっている点は同じだが、デザインは1世代分の差がはっきりと表れている。新型の各部の装飾や湾曲液晶ディスプレイは、現代基準の洗練度といえるだろう。

BMW X3 M40i(旧型)

ボディサイズ=全長4725mm×全幅1895mm×全高1675mm
ホイールベース=2865mm
車両重量=1920kg
タイヤサイズ=245/45R20(前)/ 275/40R20(後)

BMW X3 M50 xDrive(新型)

ボディサイズ=全長4755mm×全幅1920mm×全高1660mm
ホイールベース=2865mm
車両重量=2000kg
タイヤサイズ=255/45R20(前)/ 285/40R20(後)

48Vマイルドハイブリッドの搭載が進化のカギ

新型X3には、旧型と同系統の直列6気筒ガソリンターボエンジンが搭載される。最高出力は発生回転数が引き下げられたこともあり、わずかに低下しているが、最大トルクは発生回転数はほぼそのままに40Nm引き上げられた。

さらに新型には18PS/200Nmのスペックを持つ48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載されたため、システム最大トルクは580Nmにまで引き上げられている。よって発進加速時のトルクは旧型を大きく上回る。

8速AT本体はギア比が共通であることから変更はなさそうだ。駆動方式も引き続きBMWの電子制御AWD「xDrive」を搭載する。車重が大幅に増加しているのにもかかわらず、WLTCモード平均燃費が10.5km/Lから11.9km/Lへと改善されている点も新型X3 M50の隠れた進化のポイントだ。

BMW X3 M40i(旧型)

エンジン形式=直列6気筒DOHCガソリンターボエンジン
排気量=2997cc
最高出力=387PS/5800rpm
最大トルク=500Nm/1800〜5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

BMW X3 M50 xDrive(新型)

エンジン形式=直列6気筒DOHCガソリンターボエンジン+モーター
排気量=2997cc
最高出力=381PS/5500rpm
最大トルク=540Nm/1900〜4800rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

40万円の値上げ、その価値はあるか

旧型X3 M40iの価格は958万円だったが、新型X3 M50 xDriveは998万円となり、価格は40万円も上昇している。とはいえ昨今の物価高を踏まえると、値上げは仕方がないといえるだろう。

しかし、マイルドハイブリッドシステムの追加による動力性能や燃費性能の向上に加え、洗練された内外装デザインなどの装備を考慮すれば納得の金額といえそうだ。

新型X3のMパフォーマンスモデルは旧来の性能を継承しつつ、より速く効率のよいクルマへと間違いなく進化しているといえよう。

車両本体価格

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