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Aston Martin Vantage
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Porsche 911 Carrera GTS
典型的なRWDスタイルを持つヴァンテージ




アストンマーティンらしいロングノーズ&ショートデッキスタイルを持つ「ヴァンテージ」に対し、「ポルシェ 911 カレラ GTS」は、現代的にアップデートを繰り返しながらも、ひと目で“911”と分かるアピアランスを受け継いできた。
そのディメンジョンを比較すると、911 カレラ GTSの方が50mmほど長いが、全幅は130mmぼど狭く、全高は30mmほど高い。ヴァンテージが、911よりも低くワイドだということが理解できるだろう。重量に関しては、ハイブリッドシステム用のバッテリーやモーターなどが搭載されているため、911 カレラ GTSの方が200kg以上も重い。古典的なFRレイアウトで軽快なドライブを楽しみたいのであれば、ヴァンテージという選択肢になりそうだ。
アストンマーティン ヴァンテージ
ボディサイズ=全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1745kg(AT)
タイヤサイズ=275/35/ZR21(前)、325/30/ZR21(後)
ポルシェ 911 カレラ GTS
ボディサイズ=全長4553mm×全幅1852 mm×全高1303mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1945kg
タイヤサイズ=275/35/ZR21(前)、325/30/ZR21(後)
AMG製V8ターボか最新「T-ハイブリッド」か


ヴァンテージは、メルセデス AMG製4.0リッターV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載。対する911 カレラ GTSは、911初の電動パワートレイン「T-ハイブリッド」が導入された。T-ハイブリッドは、新開発3.6リッター水平対向6気筒エンジンに、こちらも新開発の電動ターボチャージャーと軽量リチウムイオンバッテリーが組み合わせられている。
最高出力はヴァンテージが、エンジン単体で665PSを絞り出すのに対して、911 カレラ GTSはエンジン単体で485PS、これに電動ターボのブーストが加わることで、541PSを発揮。最高速度はヴァンテージが325km/h、911 カレラ GTSは312km/hと、ヴァンテージに軍配が上がる。ただ、電気ターボによるブーストの威力は凄まじく、0-100km/h加速は0.5秒も911 カレラ GTSが速い。
アストンマーティン ヴァンテージ
エンジン形式=V型8気筒ガソリンツインターボエンジン
排気量=3982cc
最高出力=665PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
最高速度=325km/h
0-100km/k加速=3.5秒
ポルシェ 911 カレラ GTS
エンジン形式=水平対向6気筒+T-ハイブリッド
排気量=3591cc
最高出力=541PS
最大トルク=570Nm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RR
最高速度=312km/h
0-100km/k加速=3.0秒
600万円の価格差を埋めるのは「価値観」の重視


ヴァンテージは、アストンマーティン伝統の細部まで緻密に作り込まれたインテリアを持つ。一方の911 カレラ GTSはポルシェらしく、スポーティでシンプル。それでも、911としては初めて12.6インチ曲面ディスプレイが導入されるなど、時代に合わせたアップデートは行われている。
内燃機関+後輪駆動という古き良き英国の価値観を持つヴァンテージか、ハイブリッドという新機軸が導入された911 カレラ GTSか……。約500万円の価格差があった上でヴァンテージ選ぶには、アストンマーティンが掲げる英国的な価値観を重視できるかに掛かっていそうだ。