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Valkyrie Racing Porsche 356A Antarctic Mission
レネー・ブリンカーホフが目指す南極大陸
アメリカ・デンバー在住のレネー・ブリンカーホフが運営する慈善団体「ヴァルキリー・ギブス(Valkyrie Gives)」は、児童人身売買と闘うためのチャリティ活動に邁進している。そして現在、彼女が自身のチーム、ヴァルキリー・レーシングとして進めている「プロジェクト 356 ワールドラリー・ツアー(Project 356 World Rally Tour)」は、ポルシェ 356Aで寄付を集めながら世界7大陸を走破することを目標に掲げてきた。
2017年にメキシコの「カレラ・パナメリカーナ(La Carrera Panamericana)」、2018年はオーストラリアの「タルガ・タスマニア(Targa Tasmania)」と、標高1万5000フィートのアンデス山脈を臨む「カミノス・デル・インカ(Caminos Del Inca)」に参戦した。
2019年は6日間をかけてユーラシア大陸を9300マイルを横断する「北京~パリラリー」に挑戦。この年はさらに「イーストアフリカン・サファリ・クラシックラリー(East African Safari Classic Rally)」でも完走を果たしている。そして設立以来50万ドル近くの寄付を集めてきたプロジェクトのフィナーレとして、残されたのが南極大陸だった。
集まった資金の全てが恵まれない子どもたちへ
プロジェクト 356 ワールドラリー・ツアーにより集められた寄付金は、ヴァルキリー・ギブスを経由して100%がモンゴル、ペルー、タイ、インド、ケニアなどの、慎重に選ばれた児童保護施設やNGOに提供されることが決まっている。ブリンカーホフは活動の目的について次のように説明する。
「ひとりひとりの子どもの命に値段をつけることはできません。彼らは世界が育てるべき子どもたちです。そして私たち自身の心の奥底を見つめれば、会ったことのない彼らも、私たちの子どもであることが分かります。 児童人身売買は“パンデミック”とも呼ばれています。私たちが提供できる教育やサポートを増やすことで、始まってはならないパンデミックを終わらせることができるのです」
ブリンカーホフは、ヴァルキリー・ギブスのプロジェクトマネージャーを務める娘のクリスティーナと共に、アメリカの児童救済NGOの活動にも参加。性売買の被害者を救出するため、東南アジアにおいて危険な潜入捜査にも参加したことがあるという。
南極を熟知したスタッフと共に南極点へ
今回の南橋大陸走行チャレンジにおいてクリスティーナは、撮影を担当するニール・キャリー、サービス/技術サポート担当のサイモン・レッドヘッドとともに南極大陸遠征に参加。 南カリフォルニア大学を卒業し、タレントエージェントとしても活躍した経歴を持つクリスティーナは、7大陸横断チャレンジのドキュメンタリーフィルムも制作する。
これまでマシンのプレパレーションを担当してきた英国の356スペシャリスト、タットヒル・ポルシェ(Tuthill Porsche)に加えて、極地探検家であり3度の極地走行世界記録を打ち立てた経験を持つキエロン・ブラッドリーがチームに加入。南極大陸横断のためにポルシェ 356 Aをベースに、スキースキッドとクローラーを含むトラックユニットを装着した。
ナビゲーターには極地探検の世界記録保持者であり、北極点・南極点を含む50回以上の極地探査経験を持つジェイソン・デ・カータレットの起用も決定。デ・カータレットは、ブリンカーホフがドライブする356 Aの助手席から、彼女のチャレンジをサポートすることになる。