2023年のデリバリーに向けて開発が続く「ベントレー バトゥール」

740PSを発揮する究極のW12ベントレー「バトゥール」の緻密すぎる実走テストの中身

18台が限定生産されるスペシャルモデル「ベントレー バトゥール」。2023年半ばのデリバリーに向けて、いよいよ最終的な検証作業がスタートした。
18台が限定生産されるスペシャルモデル「ベントレー バトゥール」。2023年半ばのデリバリーに向けて、いよいよ最終的な検証作業がスタートした。
ベントレー バトゥールが、ヨーロッパ全域において実走行テストを開始した。2022年8月「モントレー・カー・ウィーク」においてデビューしたバトゥールは、2台の開発用車両により、最高水準の車両性能と品質を確保すべく厳しいテストプログラムを経験することになる。18台が限定製造されるバトゥールは、2023年半ばからデリバリーが開始される。

Bentley Batur

58週間を超える車両全般の検証を予定

18台が限定生産されるスペシャルモデル「ベントレー バトゥール」、2023年半ばのデリバリーに向けて、いよいよ最終的な検証作業がスタートした。
パワートレインの開発が完了し、いよいよ公道での検証作業がスタートしたベントレー バトゥール。58週間という長期間をかけて、様々な項目がテストされる。

ベントレー バトゥールは、エンジンと車両全体の耐久性、環境適合性と太陽光シミュレーション、高速安定性、エアロダイナミクス、騒音・振動、ドライビングダイナミクスなど、多岐にわたる検証テストを実施。120を超える個別テストは、ゴールドの「オルガンストップ」ベンチレーションコントロールの品質から、搭載されるW型12気筒エンジンの動作状況に至るまで、あらゆる項目が網羅されているという。

2台の先行開発車両「カーゼロ」を使って、58週間を超える車両検証を予定。エンジンのパワーアップを検証するべく、すでに100週間以上をかけたパワートレインのテストが終了しており、バトゥールは最低でも最高出力740 PSを発揮し、史上最もパワフルなベントレーとなることが決まっている。

2500kmに及ぶロングランテストを計画

18台が限定生産されるスペシャルモデル「ベントレー バトゥール」、2023年半ばのデリバリーに向けて、いよいよ最終的な検証作業がスタートした。
公道における検証プログラムは、まずヨーロッパ2500kmというロングドライブテストへと向かう。このロングランには、スペインのサーキットでの高速テストも含まれている。

開発車両「カーゼロ」による最初のテストは、実際の走行状況をシミュレーションするため、ヨーロッパ横断2500kmという大規模なロングドライブを行う。ドイツを出発し、イタリア、フランス、スペインの公道を走破。最後にはテストトラックにおける高速テストも計画されている。

ベントレー・マリナーのチーフテクニカルオフィサーを務めるポール・ウィリアムズは、バトゥールの開発状況について次のようにコメントしている。

「プロジェクトのスタート当初から、このクルマが究極のGTでなければならないことは明らかでした。バトゥールはエクステリアデザイン、エンジンパワー、ハンドクラフトのインテリアなど、すべての要素が妥協なく作り上げられています」

「バトゥールには、新たな挑戦となるユニークな機能がいくつもあります。例えば、エクステリアのヘッドランプは非常にコンパクトなLEDユニットで、スタイリングチームがデザインした挑戦的なプロポーションに合わせて作られています。クルマの印象を一変させますし、生産過程も複雑です。また、20年の歴史の中で最もパワフルなW12エンジンが開発されていますから、膨大な検証プログラムが必要です」

「バトゥールは、細かいディテールまで徹底的に計算されています。フロントグリルのダイヤモンドの角度はW12エンジンのシリンダー角度を表しているほどです」

極限の使用環境を再現する太陽熱負荷試験

18台が限定生産されるスペシャルモデル「ベントレー バトゥール」、2023年半ばのデリバリーに向けて、いよいよ最終的な検証作業がスタートした。
中東やアフリカなど、太陽光戦が厳しい地域での走行を想定し、厳しい品質チェックを行う。4週間弱で600時間も太陽熱負荷にさら、気温の高い地域でも問題なく作動することが確認される。

カーゼロは7週間にわたり、ハンドリングトラック、混合路面、高速テスト、過酷な路面状況での耐久性テストが行われる。すべてのテストにおいてデータとフィードバックが集められ、開発陣が掲げた技術目標が達成されているかが確認される予定だ。

この耐久試験作業が完了すると、さらに7500kmの実走行が行われ、環境試験が開始する。バトゥールは4週間弱で600時間の太陽熱負荷にさらされる予定で、このトータル時間はアリゾナ砂漠の5年分にも相当する。今回、バトゥールはカーボンファイバーに代わるサステナブルな新素材をエクステリアパーツに採用したため、非常に重要な検証作業になるという。

最初のデリバリーがスタートする前に、810以上のユニークなパーツが160週間に及ぶテストと開発を終え、究極のコーチビルトグランドツアラーが完成する。

搭載される6.0リッターW型12気筒ツインターボエンジンの最高出力は740PS以上。新しいエアインテークシステム、改良型ターボチャージャー、改良型インタークーラー、ギヤボックスとエレクトロニックスタビリティコントロールに新しいキャリブレーションを導入した。すでに100週間を超えるパワートレイン開発作業は、すべて完了している。

持続可能性を重視した素材と製造方法

18台が限定生産されるスペシャルモデル「ベントレー バトゥール」、2023年半ばのデリバリーに向けて、いよいよ最終的な検証作業がスタートした。
バトゥールの開発においては、持続可能性が重視されており、環境負荷の低い素材の使用や製造方法が導入されている。

先にデビューした「マリナー バカラル」は、ベントレーとしては近年初のコーチビルドプロジェクトだった。バトゥールでは、カラー、マテリアル、仕上げだけでなく、「マリナー・バイ・ネイム・オーディオシステム」をはじめ、豊富なオプションも用意された。

今回、バトゥール専用で、コンチネンタルGTに搭載された「ネイム・オーディオ・システム」に、20基のフォーカル・スピーカーを追加。さらにカスタムチューニングも施したことで、クラス最高のオーディオ体験ができるようになった。

バトゥールの開発おいては、持続可能性を重視。これを受けて、ベントレーのデザインチームは、ハイエンド素材と仕上げを組み合わせ、バトゥールにユニークな個性を与えた。また、アディティブ・マニュファクチャード・ゴールドやサステナブル・ハイドやナチュラル・ファイバー・パネルなど、環境俯瞰の低いマテリアルが採用されている。

さらに、先進の製造技術により、金型への投資も最小限に抑えることが可能になった。この結果、製造工程における材料やエネルギーの使用量を削減することができたという。また、テストが成功すれば、マリナーはカーボンファイバーの代わりに天然繊維をの導入も計画している。

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