目次
BMW i Vision Dee
BMWの伝統的なデザインを再解釈

BMW i ヴィジョン Deeの「Dee」は「デジタル・エモーショナル・エクスペリエンス(Digital Emotional Experience)」の略称であり、BMWが考える未来のデジタル体験を体現した1台となる。そのデザインは新しさを表現しながらも無駄を削ぎ落とし、将来のBMW製ミッドサイズセダンを提示するデザイン言語が与えられた。
そのエクステリアデザインは、デジタル体験とBMWブランドが持つDNAにフォーカスすべく、意図的に無駄が省かれた。BMWブランドの中核をなす、クラシカルな3ボックスセダンデザインを選択。キドニー・グリル、ツインサーキュラー・ヘッドライト、ホフマイスター・キンクなど、BMWのデザインエレメントがシンプルに再解釈されている。
BMW AGのオリバー・ツィプセ会長は、i ヴィジョン Deeについて、次のようにコメントした。
「BMW i ヴィジョン Deeは、ハードウェアとソフトウェアが融合したとき、どのようなことが可能になるかを提示しています。私たちはデジタル化の可能性を最大限に活用し、自動車をインテリジェントな仲間へと変化させることができるのです。それが自動車メーカーが目指す未来であり、BMWの未来でもあります」
「BMW i ヴィジョン Deeは『バーチャル体験と真のドライビングプレジャーの融合』をコンセプトに開発されました。同時に新世代EV『ノイエ・クラッセ』を予告する存在でもあります。今回提示されたヴィジョンによって、私たちははるか未来を見据えながら、次世代自動車にとってデジタル化がいかに重要かを強調しているのです」
実用化も近い大型ヘッドアップ・ディスプレイ

インテリアはデジタル化に加えて、マテリアル/操作系/ディスプレイを削減。新たなデジタル体験やドライビングプレジャーを邪魔するものがないよう徹底的に配慮された。ステアリングホイールは、中央に縦長のスポークを配した斬新なデザイン。近づいたり触れたりすることで、タッチポイントが浮かび上がり、親指を動かして様々な操作を行うことができる。
クルマと人々の絆をより強くするため、将来のデジタルデバイスは、現在導入されている音声制御や運転支援システムのレベルをはるかに超えるものになるとBMWは考えている。今回、フロントスクリーンの幅いっぱいに広がったBMWアドバンスト・ヘッドアップ・ディスプレイを採用。この次世代コクピットは、2025年以降に登場する次世代EV「ノイエ・クラッセ(NEUE KLASSE)」モデルから採用される予定だという。
ドライバーはアドバンスト・ヘッドアップ・ディスプレイに、どのようなデジタルコンテンツを表示するか、自分で決めることができる。ドライバーは、アナログメーター、運転関連情報、通信システムコンテンツ、AR(拡張現実)映像の投影、バーチャルワールドへのアクセスなど、5段階からの選択が可能だ。
エクステリア全体が32色に変化する

BMWグループは「カラー・チェンジ・テクノロジー」の導入も計画。前回のCESでブラックからホワイトに変化する機能を備えた「iX フロウ フィーチャリング E インク」を発表しており、今回の「i ヴィジョン Dee」は、さらにカラフルなエクステリアカラーを自由に楽しめるようになった。
BMWグループのパートナー企業のE インク(E Ink)社が独自開発した電子ペーパーフィルムをボディ全体に貼ることで、ボディ全体をまるで魔法のようなカラーディスプレイに変貌させた。これにより、BMW i ヴィジョン Deeは最大32色のカラーディスプレイの変更が可能になった。
さらに、ボディ表面には240もの「E インク・セグメント」に分割されており、それぞれを個別に制御。これにより、ほぼ無限のパターンを数秒のうちに生成し、ボディ上で変化させることもできる。