ポルシェの過去と未来をつなぐデザインスタディ「ヴィジョン 357」

ポルシェ75周年記念モデル「ヴィジョン 357」が示唆する過去、現在、未来とは?

ポルシェ 356 No.1 ロードスターのデビュー75周年を記念した「ヴィジョン 357」のエクステリア。
ポルシェ 718 ケイマン GT4 RSをベースに開発されたデザインスタディ「ヴィジョン 357」。
75年前の1948年6月8日、ポルシェの名を冠した最初のスポーツカー「356 No.1 ロードスター」が、オーストリア・ ケルンテン州政府によって走行許可が与えられた。このポルシェ製スポーツカーの誕生から75周年を記念し、356をオマージュした「ヴィジョン 357」が発表された。

Porsche Vision 357

フェリー・ポルシェの夢をオマージュ

ポルシェ 356 No.1 ロードスターのデビュー75周年を記念した「ヴィジョン 357」のエクステリア。
フェリー・ポルシェによって、世に送り出された「356 No.1 ロードスター」。その誕生から75周年を記念し、デザインスタディ「ヴィジョン 357」が製作された。

今回、ポルシェは現在へと続く長い歴史の起点となった「356 No.1 ロードスター」を称えたデザインスタディ「ヴィジョン 357」を製作。フェリー・ポルシェの夢であったスポーツカーをオマージュし、75周年のアニバーサリーイヤーを祝うことになった。

ヴィジョン 357は、ポルシェ 718 ケイマン GT4 RSをベースに、かつてのシンボリックなフォルムを現代的に蘇らせている。生産モデルとしての法規から解放されたスタイル・ポルシェのデザインチームは、クラシカルでありながら、未来のデザイン哲学の可能性を表現。その一例が、ヘッドライトの斬新なスタイルであり、これは未来のポルシェ製スポーツカーに向けた試みとなる。

スタイル・ポルシェのデザインディレクター、ミヒャエル・マウアーはヴィジョン 357について次のように説明した。

「ヴィジョン 357という特別な誕生日プレゼントを作りました。これは、356をベースに私たちのデザインDNAの意義を強調したデザインスタディで、ポルシェの過去、現在、未来を結合する試みとなります。その歴史的な源泉を彷彿とさせるプロポーションと、未来への展望を視覚化したディテールが特徴と言えるでしょう」

ベルリンで行われた特別展のオープニングで披露

ヴィジョン 357は、1月25日にベルリンで行われた、特別展「75 Years of Porsche sports cars」のオープニングイベントで初公開された。
ヴィジョン 357は、1月25日にベルリンで行われた、特別展「75 Years of Porsche sports cars」のオープニングイベントで初公開された。

ヴィジョン 357は、ベルリンにあるフォルクスワーゲングループのDRIVEフォーラムで開催される特別展「75 Years of Porsche sports cars(ポルシェ・スポーツカーの75年)」の目玉展示として、2023年1月25日に行われたオープニングイベントにてお披露目された。

また、2023年3月10日から米国のオースティンで開催される「サウス・バイ・サウスウェスト(South by Southwest)」でも公開が決まっている他、年内に行われる様々な国際イベントでも展示される計画があるという。

356のウインドスクリーンをイメージ

ポルシェ 356 No.1 ロードスターのデビュー75周年を記念した「ヴィジョン 357」のエクステリア。
Aピラーがブラックアウトされ、サイドウィンドウと一体化したように見えるウインドスクリーンは、湾曲グラスを導入した356をイメージしている。

ヴィジョン 357のプロポーションは、モノリシック(ひと塊)なフォルム、キツいアングルがつけられたフライラインを持つ狭いパッセンジャーセル、ワイドなショルダー部など、356を思わせる特徴が数多く採用された。ウインドスクリーンはAピラーを鋭く包み込んでおり、これも当時のガラス製造技術へのオマージュとなっている。

初期の356はセンターにバーを備えたスプリット・ウインドスクリーンを採用。1952年モデルからは中央が湾曲した一体型ウインドスクリーンに変更された。ヴィジョン 357のAピラーはブラックアウトされており、サイドウィンドウと視覚的に一体化。このDLO(デイライト・オープニング)グラフィックは、ヘルメットのバイザーもイメージしているという。

あえて機能面を隠したスムーズなボディ

ポルシェ 356 No.1 ロードスターのデビュー75周年を記念した「ヴィジョン 357」のエクステリア。
ドアオープナーやテールライトなど、重要な機能面は突出して見えないよう、シームレスにボディへと統合された。

機能的なディテールはボディへと統合。サイドウィウンドウ後方のBピラーに隠されたドアオープナー、ボディそのものに組み込まれたテールライトなど、クルマの彫刻的なキャラクターを強調する。現行ポルシェと同様に、ヴィジョン 357はフロントに4ポイントライトのシグネチャーを配置。ヘッドライトの丸型デザインは、356の特徴的なライトへのオマージュとなる。

アイスグレーメタリックとグリボラグレーメタリックを用いたツートーンカラーは、1950年代に人気を集めていたグレーカラーへの回帰となっている。

足元の20インチ・ホイールはマグネシウム製。空力的に有利なカーボンファイバー製ハブキャップとセンターロックを装備。ドアとフロントセクションには、「75」のアニバーサリーロゴがレースナンバーのように配置されている。ラップアラウンドが採用されたフロントボンネットは、クイックリリース機構で固定。大型フロントスポイラーは、かつてのレーシングカーのようにワイヤとボルトで固定された。

ヴィジョン 357は、2021年に発表されたフル電動GTレーシングカーコンセプト「ミッションR」と同様、天然繊維強化プラスチック(NFRP)をボディシェルに採用。このサスティナブルな素材のベースとなるのは、農業で採れる亜麻繊維となる。

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