世界耐久選手権(EWC)第1戦 ル・マン24時間耐久レース 結果報告

2026EWC第1戦ル・マン24時間耐久レーススタート

2026世界耐久選手権(EWC)第1戦「ル・マン24時間耐久レース」において、チャンピオンゼッケン1を付けたYamalube YART Yamaha EWC Official Team(以下:YART)のM・フリッツ、K・ハニカ、L・メルカドの3選手がチームの連覇を達成した。タイトル防衛に向け、絶好のスタートを切る形となった。

コースレコードでのポールポジション獲得

K・ハニカ選手が金曜日の予選で、ブガッティ・サーキットのラップレコードを更新する1分34秒267を記録しポールポジションを獲得。予選2位にはBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、3位には日本から参戦するオートレース宇部 Racing Team(BMW M1000RR)が続いた。

BMWとの熾烈な攻防

決勝は、スタートで一時後退したYARTだったが、即座に挽回して前方グループとの差を縮める。開始3時間後にはトップに立ち、3選手が見事なペースで周回を重ねて後続との差を広げる。

レースが進行するにつれ、展開はYARTとBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMとの一騎打ちへと変わる。YARTは着実にペースを刻み、一時アドバンテージを30秒まで広げた。しかし、燃費に勝る37号車のBMWが各スティントで4ラップ多く周回できたため、ピットストップのたびに差を詰められるという難しい状況が続いた。

転夜間走行から終盤へ

ワークスチーム同士の熾烈なトップ争いを繰り広げたYARTとBMW

夜間走行中もピットのタイミングでトップが入れ替わる接戦が繰り広げられた。ポイント加算のタイミングとなる8時間および16時間経過時点では、YARTは2位を走行していたため、いずれも最大10ポイント中9ポイントの獲得に留まる。

しかし、17時間経過後に37号車のBMWが転倒し、優勝争いから離脱。これにより、YARTは2位走行中のYoshimura SERT Motul(以下:ヨシムラ)との差を4ラップにまで広げた。

結圧倒的な勝利と記録

ライダー3人はその後もプッシュを続けてリードを拡大し、24時間後にフリッツがトップでゴールラインを通過した。チームは完璧なパフォーマンスを披露し、最終的に合計859ラップを走破。2位のヨシムラに5ラップ差をつける圧勝であった。

YARTは、2025年の優勝に続き連覇を果たし、ヤマハのル・マン24時間耐久レース通算優勝回数を6回に伸ばした。今大会で計63ポイントを獲得したYARTは、順調なシーズンスタートを切っている。なお、2位には堅実な走りを見せタイトル奪還を目指すヨシムラ、3位にはKawasaki Webike Trickstarが入り、それぞれ表彰台を獲得した。

EWC第2戦となるスパ8時間レースは、6月6日にベルギー・スパ・フランコルシャンで開催される予定。

ライダーコメント

Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(優勝)

Yamalube YART Yamaha EWC Official Team

・マーヴィン・フリッツ選手

ゼッケン1をつけ、絶好の形でシーズンをスタートすることができました。ここル・マンでの連覇は本当にうれしいです。昨年はちょうど私の誕生日だったのですが、今年も直前であり、少し早めのプレゼントになりました。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。

ウイーク初日は苦戦し、私はグラベルへ出て転倒してしまったのですが、チーム全員で話し合い、困難を乗り越えて優勝マシンを作り上げることができました。レース中は非常にフィーリングが良く、終盤を迎えて少しペースを落としたかったときも、まだ十分な速さがありました。YARTの全員に、とくにチームメイトたちに心からの感謝を伝えたいです。一度もミスをすることなく、本当に素晴らしい仕事をしてくれました。だからこそ、こうしてル・マン優勝を成し遂げることができました。

カレル・ハニカ選手

最高のシーズンのスタートになりました。昨年よりも多くのポイントを獲得できたのもとても良かったと思います。プラクティスではいくつか問題も発生しており、決して完璧な週末だったわけではありません。何かがいつもと違う動きをしていたので、何度かモディファイを繰り返し、自分たちのライディングを調整する形で解決策を追求しました。

難しい状況のなかで良い仕事ができ、前進し、決勝日には素晴らしいマシンが出来上がっていました。技術的なトラブルもピットストップでのミスも一度もなく、全体を通して最高の週末となりました。ラップレコードを更新し、ポールポジションを獲得し、決勝で優勝を成し遂げたのですから、これ以上に望むことはありません。今は次のレースを楽しみにしています。

レアンドロ・メルカド選手

まるで夢のようです。初めてこのチームに加入し、ポールポジションとレースでの勝利を手にしたのですから本当に素晴らしい気分です。

レース展開はパーフェクト、フィーリングも絶好調でした。チームのみんなの素晴らしい仕事に心から感謝しています。チームメイトたちも本当に速く、誰ひとりとしてミスをおかしませんでした。ピットストップも完璧、まさにクリーンなレースを貫徹することができたことがとてもうれしいです。最高の気分です。

YOSHIMURA SERT MOTUL(2位)

YOSHIMURA SERT MOTUL

グレッグ・ブラック選手

ル・マンで表彰台に立てるのは、いつも本当に嬉しいことです。昨年は少し厳しい結果だったので、今回は満足しています。もちろん優勝したかったですが、コース上でのパフォーマンス自体はしっかりできていました。

レース序盤は暑いコンディションの中で非常に難しい展開でしたが、夕方以降はマシンに対して良いフィーリングを得ることができました。一方で、あるスティント中に電子系およびメカニカルトラブルが発生し、ピットで少し時間をロスしてしまいました。

エティエンヌ・マッソン選手

この結果には満足しています。レースは時に難しい展開となり、60台ものマシンが走る中でいくつか小さな技術的トラブルもありましたが、これがル・マン24時間レースです――安定性と耐久力が問われるレースです。私たちは表彰台に立つことができました。

3週間後には鈴鹿で新型マシンのテストを行う予定です。この数か月間取り組んできたもので、テストライダーからの初期フィードバックも良好です。

ダン・リンフット選手
今回のレースはとても楽しめました。ル・マンでのレースは2年ぶりでしたが、特別なプランを立てていたわけではなく、プラクティスと予選を通して着実に進めていきました。いつも通りチームは本当にハードに働いてくれて、レースに向けた良いベースを作ってくれました。

メカニカルトラブルが多く、ピットで時間をロスする場面もありましたが、それでも力強いレースができたと思います。2位という結果には満足しています。昨年のこの時期と比べて多くのポイントを獲得できましたし、このまま次からの3戦に向かっていきます。