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小さな空間を有効活用する軽キャンパー|スマイルファクトリー・オフタイムトラベラー2 ポップアップルーフ
昨今、軽のバンが女子に人気だという。たしかにYouTubeなどを観ると、軽バンや軽バンベースのキャンパーで旅を楽しむ女子の動画がけっこうアップされている。手頃な大きさで運転しやすく、スペースユーティリティが高く、なにより価格が安い軽バンは、彼女たちにはうってつけの相棒なのかもしれない。
キャンピングカーショーに出かけると、相変わらず軽キャンパーのコーナーには多くの人が群がっている。かの震災以来、絶対的な人気を誇るカテゴリーだが、さらに人が増えた感じがするのは、こうした背景があるのかもしれない。
今回、会場で特に注目を浴びていたのが、スマイルファクトリーの「オフタイムトラベラー2」だ。分かりやすく、テレワーク時代を生きる我々には納得のネーミングと言える。
ベースはエブリイ・バンで、女性にも馴染みやすいキュートなデザインになっている。ダイハツ・ハイゼットはいかにも男性的な意匠だが、それを好む女性も多いようなので、キュート=女性ウケではないのだが…。
ただし拝見した展示車両は、女子ウケを狙ったインテリアになっていた。マットのトリムやクォーターウインドゥに取り付けるサイドポケット、シートカバーのカラーリングが、いかにもだ。もちろん、これがデフォルトというわけではなく、数種類のトリムから選ぶことができるので男性諸氏は安心してもらいたい。
装備の構成はオーソドックスで、頭上の収納、車両後部の家具、ベッドマット、内装断熱、そしてテーブルとなっている。ギャレーなどは付いていないが、車中泊ではそれほど必要性を感じないし、実際になくていいというユーザーも多いと聞く。
マットを展開した時の就寝スペースは、1800×1200mmと大人2名分の広さ。天高は1000mmとなっている。1800mmの奥行きが確保されているのは、個人的には美点だ。
フルパック仕様の展示車は集中電源や走行充電システム、1000Wインバーター、50Aリチウムサブバッテリーも装備される。
装備で目を惹いたのは、テーブルとサイドポケット。テーブルは2WAYの使い方ができるレッグを採用しており、チャブ台、もしくは後部バンパーのレールに装着して車外テーブルとして使うことができる。チャブ台というのは結構便利で、決まった位置への装着を強いられないので、車内のいろいろな場所で自由に使えるという利点がある。
サイドポケットは断熱に一役買うだけでなく、就寝時にメガネやスマホなどを入れておくのに重宝するだろう。こうした小物類は、意外と置き場所に困り、寝ている間に見当たらなくなってしまうということが度々ある。
さて、今回チェックした車両で目玉と言えるのが、ポップアップルーフだ。
オーバーランド流行の兆しもあり、ここ数年需要が伸びているルーフテントだが、このような形状は希有だ。片開きタイプだが、テント内にもう1本フレームを入れることで、スペースユーティリティをさらに拡大。軽サイズのコンパクトなテントながら、中で動きやすく、開放感のある空間を実現した。テント内の広さは1800×1070mmで、高さは1000mm。大人1人なら十分すぎる広さだ。
ルーフテントのメリットは、就寝スペースの増加だけではない。通常は床板を開けておけば、車内のヘッドルームが2倍近くになる。立ったまま車内を移動することもできるし、車内でくつろいでいる時の頭上の圧迫感がないのは実に快適だ。ルーフテントは、約100万円アップで装着できるということなので、車内はノーマルのままで、テントのみを装着するという選択肢もある。
ちなみにオフタイムトラベラー2は、PAの2WD・5MTベースで、222万2638円。写真の車両の状態だと、413万27円となる。いい値段だが、テントの他にサイドオーニングやソーラーパネル、カーテン、ナビなども付いての値段なので、装備を選ぶことで予算を圧縮することもできるだろう。
なお、兄弟モデルにオフタイムトラベラー3があり、こちらは後部に1200×900mmのロフトベッドを採用したファミリーモデルになっている。お子さんのいる方は、併せてチェックしていただきたい。
スマイルファクトリー・オフタイムトラベラー2 ポップアップルーフ
■車両本体価格:366万5827円/展示車価格:413万27円
■ベース車両:スズキ・エブリイ
■乗車定員/就寝定員:4人/2人
■展示車のオプション装備:カーテンセット 8万4700円/ソーラーパネルセット 16万5000円/ナビ単体DVD 13万2000円/サイドオーニング 8万2500円