目次
BMW3シリーズ強し！
まずは、4モデルの現状確認を。
モデルライフ的にもっとも新しいのはメルセデス・ベンツCクラスだ。現行W206／S206系のデビューは2021年。エクステリアデザインもユーザーインターフェースも最新のメルセデス・ベンツ流に切り替わった。
BMW3シリーズの現行型はG20系。2018年パリサロンでワールドプレミアされたから、市場投入はほぼ2019年から。現在はモデルライフ的には中間地点といえる。
アウディA4の現行型B9系で、2015年デビュー。現在モデル末期を迎えている。日本勢のレクサスISは、デビューが2013年だから、ライバルに対しては、やや古参だ。だが、2020年11月に２度目のマイナーチェンジを受けて、大きく商品性を上げている。
今回取り上げるのは2022年の北米販売台数だ。
BMW３シリーズ：30,400台
メルセデス・ベンツCクラス：26,192台
レクサスIS：21,386台
アウディA4：15,239台
ということで、BMW３シリーズの圧勝と言っていい。現行3シリーズは、歴代３シリーズのなかでもヒットモデルと言える。
4シリーズやA5はどうなのだろう？
ここで、ちょっと疑問が湧くのは、BMW３シリーズは、その派生モデルとしての4シリーズが存在するし、アウディA4にもA5としてクーペモデルやカブリオレをラインアップする。これを合計したらどうなるのか？
BMW３シリーズ：30,400台
4シリーズ：36,954台
3／4シリーズ合計：67,354台
アウディA4：15,239台
アウディA5：18,349台
アウディA4／A5合計：33,588台
メルセデス・ベンツCクラス：26,192台
レクサスIS：21,386台
となり、順位が変わる。
セダン人気が日本よりはまだあるはずのアメリカ市場でも王道の３シリーズよりも4シリーズ、A4よりもA5の方が売れているのだ。
メルセデス・ベンツEクラス vs BMW５シリーズ vs アウディA6
今度は、ひとつ上のクラス、ミディアムクラスを見ていこう。ここは、メルセデス・ベンツがEクラス（とそれをベースにしたCLS）、BMWが５シリーズ、アウディがA6が競合する市場だ。価格×ボリューム（販売台数）を考えると、ジャーマン・プレミアム3としては負けられないカテゴリーである。
こちらも2022年の北米年間販売台数で比べてみる。
BMW５シリーズ：20,859台
メルセデス・ベンツEクラス／CLS：18,818台
アウディA6：6,003台
という結果になった。こちらもBMWの勝利である。アウディはA7（2,237台）を加えても8,240台でやはり3位だ。
では、このマーケットに挑むレクサスのセダンは？ というと、これがESだと価格が合わない。たとえば
アウディA6：45TFSI クワトロ 56,900ドル～
レクサスES：ES250AWDの2022年モデルが42,100ドル～
で1万ドル以上も価格帯が違うのだ。本当はかつてラインアップにあったレクサスGSが５シリーズへの挑戦者だったはずなのだが……。
ついでにSクラス vs 7シリーズ vs A8
せっかくなので、プレミアム・ラージクラスも見ていこう。こちらも2022年の北米年間販売台数での比較だ。
メルセデス・ベンツSクラス：15,927台
BMW７シリーズ：5,976台
レクサスLS：2,679台
アウディA8：1,594台
となっている。ここは、Sクラスが王者の風格を見せている。