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SUV大旋風が吹き荒れた『東京オートサロン2025』
クルマというものへの価値観が変化している。これまでオートサロンといえば、速さにこだわるチューニングや付随するドレスアップが主体だったが、特に2025年のショーでは、SUVの台頭が目立った。タイミング的にトヨタ・ランドクルーザー250や三菱トライトンの登場、そしてスズキ・ジムニー5ドア(ノマド)の登場間際といったことが、クロカン系SUVの注目を集めたのだ。

しかしそれ以上にクルマに対して、速さだけではない魅力が広くクローズアップされてきているように思う。特に注目なのはキャンプなどを軸足として、「自然を楽しむ」ためのギアとしてSUVやミニバンを使い倒そうという流れだ。中でも印象的なのは、「積む」と「車内で楽しむ」の進化系だ。

ピックアップという日本ではマイナーな存在だったが、かっこよさという「力技」でトレンドを捩じ込ませてきたのが三菱トライトン。このDJトライトンはDJブースを荷台に仕立てた迫力モデル。

ルーフの持ち上がる居住スペースを荷台に仕立てる。全幅ギリギリの大改造で広い室内を実現。アイデア次第で様々な遊びをモノにできるんだ、と気がつかせてくれた。載せた姿がかっこいいのも必須。

低い荷室、フラットになる後席を利用したキャンパー仕様。シート&シートバックに使える寝台とテーブルを用いることで、写真のようにダイニングスペースも実現。ベッドにすれば、大人2人がゆったり寝られるサイズを実現。
ドレスアップの裾野を拡大
当然ながらクルマの使い方も様々、そして好みもさまざま。これまでドレスアップというと「強さ」を表現するようなものだった。しかし、それだけでは不十分なんじゃないかな、と思わせてくれたのが今回のショーだ。
ドレスアップとは、自分らしさの表現。クルマの価値が様々なのだから、自分らしさの表現もいろいろあっていいはず。かわいいクルマをもっとかわいくしたいと思ったり、もっと自分らしい相棒感を出したいなんて思ってもいい。そんなことを考えると、好みのファッションや趣味がもっとクルマにも表現されていてもいいのだ。実はここに、まだまだ無限の可能性があるんじゃないだろうか。

ボディカラーは淡いパステル系のツートーン。柔らかなオレンジのラインがアクセントに。タイヤは50年代にまで遡るホワイトウォールタイヤのカラーをごく淡い紫に。全体的にイギリスのアンティーク・ティーカップを想像させる佇まいだ。

トレーラーの数だけ趣味がある
オートサロンの中で、人気の感度が少しずつ上がってきたのがトレーラーだ。トレーラーとはクルマが引っ張る車輪付きの荷台で、必要な時だけ引っ張って行ける便利さがいい。アウトドアやキャンプというと「特別なクルマが必要」と思ってしまうが、逆にキャンピングカーやSUVで日常をこなすのはちょっとしんどい。しかし切り離せるトレーラーなら、セダンやそれこそスポーツカーでも牽引が可能。
だから普段は買い物や仕事に使ったり、走る楽しさを感じたりしつつ、週末だけキャンパーの牽引車として利用するという二刀流ができる。駐車場所の敷地にもよるが、ある時はテント用、ある時はジェットスキー用と、仕様の異なるトレーラーを使えるなんてできれば、まさに夢のトレーラー生活だ。サンダーバード2号みたい(ちょっと古いか……)!?

