スズキがマイクロプラスチック回収装置を搭載した船外機の生産を開始。スズキクリーンオーシャンプロジェクトを推進

マイクロプラスチック回収装置を備える「DF115B」を搭載したボート
スズキはこのほど、中型船外機5機種に世界初のマイクロプラスチック回収装置を標準装備し、7月から生産開始したことを発表した。今後は北米、欧州などの主要市場を含めた全世界へ順次出荷していく。

マイクロプラスチック回収装置を船外機に搭載することにより、ボートで走行するだけで水面付近のマイクロプラスチックを回収することができる

スズキは、中型船外機5機種に世界初のマイクロプラスチック回収装置を標準装備し、7月から生産開始したことを発表した。
海に流れ込む大量の海洋プラスチックごみは近年大きな環境問題となっており、自然環境下でさらに微細に破砕されたマイクロプラスチックは、生態系に影響を及ぼすことが懸念されている。こうした問題に対処するため、スズキは船外機に搭載可能なマイクロプラスチック回収装置を開発し、2020年10月に発表している。この装置を船外機に搭載することにより、ボートで走行するだけで水面付近のマイクロプラスチックを回収することができる。

マイクロプラスチック回収装置を搭載した船外機
マイクロプラスチック回収装置

2020年10月の発表後、スズキは同装置のモニタリング調査を日本、米国、欧州地域を含む14カ国にて実施しながら改良を重ねてきた。そして、このたび7月からDF140BG、DF115BG、DF140B、DF115B、DF100Cの5機種に標準装備し、生産を開始した。

マイクロプラスチック回収装置の搭載位置

この回収装置の船外機への搭載は、スズキの海洋プラスチック問題への取り組みである「クリーンオーシャンプロジェクト」の3つの活動のうちのひとつ。これからもスズキは、海洋環境の一層の改善と持続可能な社会の実現を目指し、世界中の顧客とともにスズキクリーンオーシャンプロジェクトを推進していく。

●「スズキオーシャンプロジェクト」概要
1. クリーンアップ・ザ・ワールド・キャンペーン
2010年より行っているスズキグループの従業員とその家族による水辺のボランティア清掃活動。昨年度までに全世界で53代理店、累計参加人数は1万人を超えた。本年度より規模を拡大し、活動を継続していく。
2. プラスチック梱包材の削減
「①やめられないか、②減らせないか、③環境負荷の少ない材料にできないか」をキーワードに、船外機本体や純正部品のプラスチック梱包材の削減に取り組んでいる。2020年10月の開始以来、累計で11トン以上のプラスチック梱包材を削減しており、2022年度は対象の製品や純正部品を拡大し、さらなるプラスチック削減に取り組んでいく。
3. 海洋マイクロプラスチックの回収(マイクロプラスチック回収装置の搭載)

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