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パワー半導体の高周波化需要に対応 日立金属、ナノ結晶軟磁性材料ファインメットの生産能力増強

  • 2017/10/05
  • Motor Fan illustrated編集部
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近年、xEV、鉄道、再生エネルギー用の電源系回路の小型・軽量化に対応したパワー半導体の高機能化(駆動周波数の高周波化)が加速し、高周波領域において特性を発揮する軟磁性材料のニーズが高まっている。このニーズの急拡大に応え、日立金属株式会社は、ファインメットの増産投資を行ない、生産能力を3倍に増やすと発表した。

xEVとは電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の総称だ。

1.背景
日立金属の特殊鋼事業は、自動車関連分野において、グローバル市場でのさらなる成長をめざしている。このなかでも特に、xEVを中心とした環境性能に優れたエコカー関連製品を成長ドライバーと位置付け、重点施策としてグローバル拡販に取り組んでいる。

近年、xEV、鉄道、再生エネルギー用の電源系回路の小型・軽量化のため、Si(ケイ素)を用いたIGBTの高性能化や、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)などの次世代半導体の登場により、従来にも増して高周波での駆動が要求されるようになった。(IGBTとは絶縁ゲートバイポーラトランジスタのこと。電力抑制用半導体素子のひとつで大容量電力変換器の主変換素子に使用されている)。
しかし、この高周波領域では、電磁鋼板を使用した変圧器やリアクトルでは鉄損(鉄心に交流磁界を印加した時に生じるエネルギーの損失のこと)が大きく、これに起因する温度上昇を抑制するために、小型化が難しくなる課題がある。また、小型・省スペース化と同時に、従来製品では抑えられない高周波領域でのノイズが発生している。
これら背景により、xEV関連を主とする新用途の需要急拡大にともない、変圧器、リアクトル、ノイズフィルター用チョークなどの用途において、高い透磁率と磁束密度の両側面を合わせ持つファインメットの材料特性が注目されている。

2.概要
市場のニーズに応えるため、日立金属は、製造ラインの増強を実施し、2018年度末までに生産能力を3倍(2017 年度対比)に増やす。さらに、工程改善により製品個々の品質向上も追求する。

投資内容
(1)場所:
メトグラス安来工場、Hitachi Metals (Thailand), Ltd.
(2)目的:
xEV 関連を主とした需要の急拡大への対応
(3)投資規模:
2018 年度末までに生産能力を3倍に増加(製造ラインの増強、工程改善)

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