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BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形往復で燃費は? 同じことを電気自動車(EV)でできる?

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前型F30型BMW320dスポーツ エンジンは2.0ℓ直4ディーゼルターボだ。

クルマだからできることのひとつは、思い立ったときに好きな場所へ行けること。それがディーゼルエンジン搭載車だったら、どうなるか? 東京から山形まで往復1000kmを2.0ℓ直4ディーゼルターボ搭載のF30型BMW320dで一気に走ってみた。

東北中央自動車道のPAで。

ここのところ、EV、PHEVなどの電動車に注目が集まっている。2035年には、電動デバイスを持たないICE(内燃機関=エンジン)だけのクルマは日本でも販売できなくなる……というニュースもあって、どうにもエンジンのみのクルマへの関心は下がり気味だ。特にディーゼルエンジン車については、欧州メーカーも少し引き気味、日本メーカーはマツダだけが気を吐いているという状況だ。ちょっと風当たりが強くなりそうな感じである。

でも、ディーゼルエンジン車でないと、なかなか実現できない領域もある。それは、たとえば1000km以上を一気に走る、というようなロングドライブのシーンである。

B47D20A シリンダー配列 直列4気筒ディーゼル 排気量 1995cc 内径×行程 84.0mm×90.0mm 圧縮比 16.5 最高出力 190ps(140kW)/4000rpm 最大トルク 400Nm/1750-2500rpm 給気方式 ターボチャージャー カム配置 DOHC ブロック材 アルミ合金 吸気弁/排気弁数 2/2 バルブ駆動方式 ロッカーアーム 燃料噴射方式 DI
F30型のB47型は尿素SCRシステムを搭載していない。したがって、AdBLUEの補給は必要ない。
ターボチャージャーは、車両前方から見て左側(右前輪側)。

21年に入ってからはBEV(バッテリーEV)やPHEVに乗る機会を意識的に増やしてきたこともあって、めっきりマイカーであるF30型(後期型)BMW320dに乗ることが少なくなってしまった。そんななか、往復1000kmを一気に走らなければならない事情ができた。となれば、ここは320dの出番である。

出発地点は東京。目的は山形県肘折温泉である。日本有数の豪雪地帯である肘折温泉周辺には4月になっても雪が残っている。そう、雪の撮影をしなくてはいけない事情があってのロングドライブだったのだ。

まずは、BMW320dのおさらいを。

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エンジンは、2.0ℓ直4ディーゼルターボ。型式はB47D20A型である。
最高出力 190ps(140kW)/4000rpm
最大トルク 400Nm/1750-2500rpm

で、モード燃費はJC08(まだWTLCモードが義務づけられていなかったので)で21.4km/ℓである。
ちなみに、欧州モデルのWLTCモード(日本では導入されなかったエクストラハイモードを含む)の数値は17.24km/ℓ(5.8ℓ/100km)だ。

燃料タンクは57ℓ。
したがって、JC08モードを信じれば
57×21.4=1219.8km
欧州のWLTCモードを信じれば
57×17.24=982.68km
走れることになる。いずれにせよ、東京(目黒区)~肘折温泉は東北自動車道経由で往復956km(Googleマップによる経路計算)だから、無給油で往復できるはずだ。

ここまで約1万9000kmの平均燃費は15.2km/ℓだった。

マイカーの320dは、F30型最終モデルで、オドメーターは1万8913km。ここまでの総合燃費は15.2km/ℓだった。日頃の使い方は、どうしても通勤(片道13kmほど)や近隣へのドライブがメインだから、なかなかディーゼルの実力を発揮できていないのも事実。

今回のロングドライブは、ディーゼルエンジンの真の実力チェックの格好機会だ。オンボードコンピュータをリセットして、朝6時に東京をあとにした。

燃費を計ることが主目的ではないので、ドライブモードは「COMFORT」(つまりノーマルモード)で、「ECO PRO」モード(エコモード)は使わずに走った。速度は周囲のクルマに合わせて走る。

豪雪で知られる山形県肘折。秘湯で有名な肘折温泉がある。
東京ではすでに葉桜になった桜は、北上するにつれて満開~七分咲き~三分咲きになり、東北自動車道から東北中央自動車道で山形県に入ったころには、まだ開花していなかった。やはり日本は南北に長い。

ディーゼルの美点は、豊かなトルクにある。高速道路を長距離走るのは、本当に楽だ。前走車を追い越す必要があれば、ほんの少し右足に力(というほどでもない)を入れればいい。100km/h巡航時のエンジン回転数も1500rpm程度だから、静か。アイドル時や街中をゆっくり走っているときはやや気になるディーゼル音も、高速走行ではまったく気にならない(というか聞こえない)。

シートの出来もいいので、短時間の休憩を数回とっただけで、約470kmは疲れ知らずで走り抜けた。

肘折郵便局(いまは郵便局としては使われていない)で。

取材・撮影を済ませて東京へ戻る。何カ所か寄り道をしつつ、今度は山形道から東北自動車道経由で東京へ。東京に到着したのは22時過ぎであった。東京~山形をクルマで日帰り往復する人はあまりいないかもしれないが、さして疲れることなく走破できた。

この日の走行距離は1006km。あと210km走れると表示されている。

さて、燃費はどうだったか?
自宅に到着したときのトリップメーターは
1006km
だった。
オンボードコンピュータが表示した燃費は
21.2km/ℓ 平均速度は71.8km/h
だった。なかなか優秀な数字だ。
さらに、「あと210km走行可能」だから、1タンクでトータル1216km走れるわけだ。

オンボードコンピュータの数字。燃費は21.2km/ℓ、平均速度は71.8km/hだった。

ガソリンスタンドで給油したら、47.44ℓ入った。
したがって満タン法でも21.2km/ℓだ。

軽油が125円/ℓで、燃料代は5930円だった。
つまり、1km走るのに5.9円だったというわけだ。

これはレギュラー148円/ℓ、ハイオク158円/ℓとすると、

ハイオク車なら26.7km/ℓ
レギュラー車なら25.1km/ℓ
と経済的には同等ということになる。

EVだとどうなる?

「1000km、1タンク、一気乗り」というのは、ちょっと極端なケースかもしれないが、自動車のユースケースでは皆無というわけではあるまい。これをBEVでやろうと思ったら……(思わないと思いますが)。

日産リーフe+は、62kWHという大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTCで458km走れる電気自動車(BEV)だ。

たとえば、日産リーフe+の航続可能距離は458km(WLTCモードで)だ。バッテリーの電力量は62kWh。したがって、458kmだから7.39km/kWh(1kWhの電力で7.39km走れる)ということになる。これはあくまでもWLTCモードの電費だからリアルワールドでどうなるかは別の話だが、あくまでもモード電費で話を進めよう。

当然、1000kmを走るには充電、それも現実的には急速充電が必要になる。


高速道路のサービスエリアにCHAdeMOの50kWの急速充電器が整備されていたとして、30分充電できたとして25kWh分。これが24×7.39で177.36km分になるわけだ。

となると、今回の1000km一気乗りをリーフe+でやろうと思ったら(思わないと思います。EVの使い方として、あまり向いていないので……あくまでも仮定として、です)。

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まず5時間40分ほどで400km走って(平均速度70km/hだとして)、まずここで30分充電(177km分)
ここからさらに2時間走って(140km走行 総走行距離は400+140で540km)、30分充電(177km分)
また2時間走って140km走行して、総走行距離は400+140+140で680km)、30分充電(177km分)
また2時間走って140km走行。これで総走行距離400+140+140+140で820km)、また30分充電(177km分)
残り180kmを走る……
ということになる。

50kWの急速充電器が140kmごとに設置されていて、着いたら充電器が空いていた、という前提条件が必要だし、バッテリーの温度や残量で充電できる電力はだいぶばらつきがある。モード電費通りでも最低4回は充電(30分×4で2時間)しないといけないのだ。

BEVにはBEVの得意分野があるように、ディーゼル車にはディーゼル車の、ガソリン車にはガソリン車の得意領域がある。CO2排出量を削減していく必要はもちろんあるが、「適材適所」でEV、HEV、PHEV、ガソリン、ディーゼルを使っていくのがいい。

ところで、マイカーの320dは、1200+αを一気に走れる能力があることが確認できた。

じゃあ次はどこまで行ってみようかな。と思って調べてみた。
自宅から青森県の竜飛岬まで792km(楽勝だ。人間以外は)。

自宅から長崎県のグラーバー邸大浦天主堂までが1224km。

長崎まで、一気にドライブできる……んです。早くみんなが自由に気持ちよく移動できる日々に戻ってほしい。そしたら、竜飛岬も大浦天主堂も、一気に走って行ってみたい……ですね。

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