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回路基板やカードへの高温実装に対応 日本ガイシ:IoTデバイス用電源チップ型セラミックス二次電池「EnerCera」シリーズを開発

  • 2018/11/06
  • Motor Fan illustrated編集部
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日本ガイシは、小型・薄型でエネルギー密度が高いチップ型のセラミックス二次電池「EnerCera」シリーズを開発した。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」デバイスやスマートカードなどの電源への採用を見据え、2019年4月から量産を開始する予定。

 EnerCeraは、電極に日本ガイシ独自の結晶配向セラミックス板を使用したリチウムイオン二次電池。

 活物質であるセラミックスだけで構成された結晶配向セラミックス板は、一般的なリチウムイオン二次電池の電極に含まれる、電池容量に寄与しない有機バインダーや導電助剤を含まない。これにより小型・薄型でありながら高容量かつ低抵抗で、さらに高温プロセスでの実装が可能という特性を実現した。電池容量は同サイズの市販二次電池の2倍、抵抗は1/2以下(*)で、ICやセンサー駆動、無線通信に必要な数10~数100ミリアンペアの大電流が流せるオンボードタイプの超小型・薄型電池として極めて高い性能を有している。また定電圧充電ができるため、電流を制限するための充電ICが不要。
*2018年10月31日現在、同社調べによる

 EnerCeraにはコイン形で厚さ1~2ミリメートルの回路基板実装向け「EnerCera Coin」と、厚さ0.4~0.45ミリメートルと超薄型で曲げ耐性のあるカード実装向け「EnerCera Pouch」の2タイプがある。
 EnerCera Coinは、基板への電子部品の実装方法として一般的なリフローはんだ付けで回路基板に実装でき、かつ大電流放電が可能な世界初※1のデバイス駆動用リチウムイオン二次電池。EnerCera Pouchは、ICカードの製造で広く使われるセ氏100度以上の高温でカードを成形するホットラミネート加工で実装できる世界初※1の薄型リチウムイオン二次電池だ。EnerCera Pouchはさまざまなデバイス設計に対応した、高速充電タイプ、超高容量タイプ、大電流タイプもラインアップしている。

 EnerCeraシリーズはIoTデバイスやビーコン(近距離無線機器)、スマートカード、RFIDタグ、電子棚札、ウェアラブル端末、ソーラー腕時計、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)のバックアップ電源といった小型・薄型で高容量を要求されるさまざまな用途への採用を想定しており、全世界の数10社にサンプル提供を始めている。日本ガイシはすでに本社地区と製造子会社NGKセラミックデバイスの山梨工場(山梨県都留市)に月産200万個の量産設備を整えており、2019年4月から順次量産を開始する計画だ。

 なお2018年11月14日(水)~15(木)に米国サンタクララで開催される「IDTechEX Show!」で、本製品の展示説明を行う。

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