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総監督に東海大学チャレンジセンターの第一期生で元スバルの佐川耕平助教が就任 東海大学が2019年「WORLD SOLAR CHALLENGE」参戦体制を発表。ニューマシンは空力シミュレーション導入で「風切り音も聞こえない」走りを実現!

  • 2019/09/05
  • 遠藤正賢
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東海大学湘南キャンパスの構内を颯爽と駆け抜ける「2019 Tokai Challenger」

東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト・ソーラーカーチームは9月3日、同校湘南キャンパス(神奈川県平塚市)において、10月13~20日にかけて開催される、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでの3,000kmを舞台にした世界最大級のソーラーカーレース「2019 BRIDGESTONE WORLD SOLAR CHALLENGE」(WSC)の参戦体制を発表。ニューマシン「2019 Tokai Challenger」を披露した。

REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、東海大学

「2019 Tokai Challenger」と、東海大学ソーラーカーチームの学生・教授陣、協賛企業・団体の首脳陣。。写真前列中央が佐川耕平総監督、向かって左隣が武藤創チームリーダー、同じく右側が梶井龍太郎副学長

 東海大学は2009年と2011年の2大会連続で総合優勝を果たしているが、2013年は2位、2015年は3位、2017年は4位と、「最近少しずつ順位を落としてきているので、この辺でまた上がってきてくれないかというのが大学としての願い」(梶井龍太郎副学長)。

 チームリーダーは前大会に続き、工学部動力機械工学科の武藤創(むとうあらた)さんが務める一方、総監督が工学部電気電子工学科の木村英樹教授から、同科の佐川耕平助教にバトンタッチされた。

 この佐川助教は、東海大学チャレンジセンターの第一期生で、当時のソーラーカーチームに参加。卒業後はスバルに入社してハイブリッドカーやEVの先行開発などに携わり、2017年に東海大学へ戻って前大会よりドライバーとしてソーラーカーチームに加わっている、電動車とソーラーカーのスペシャリストだ。今回は総監督も務めながら、引き続きドライバーとしても「2019 Tokai Challenger」のステアリングを握る。

「2017 Tokai Challenger」。ニューマシンに比べてハイ&ロングノーズで、ボディ下部の絞り込みも若干緩い
 今大会では大きなレギュレーション変更がないため、ニューマシン「2019 Tokai Challenger」の変更点は前大会の反省を踏まえたブラッシュアップが中心。ボディ形状は前回大会参戦マシン「2017 Tokai Challenger」と同じモノハル型(単胴型)ながら、車体への空気流入を抑え、空気抵抗を減らしつつ横風への耐性を高められるよう、ボディ先端などの形状を変更した。

最大12本・4.5TBのメモリーを実装でき、「市販車開発にも使える空力解析環境が2~300万円程度で構築可能」(菱洋エレクトロ社)という、インテルのサーバーシステムを導入
 なお、この空力開発にあたり、テラバイト級の演算処理が可能なサーバーシステムと流体解析ソフトを、新たに導入している。

左側は2017年型、右側は2019年型の空力解析結果。ボディ上面(上図)ではコクピット周辺の空気抵抗が減り、床面から500mm位置(下図)では車体後部の圧力変化がなだらかになっている

 そして、南半球では北側、つまり南へ向かうレース本戦では車体後部の方が太陽光の照射が強く発電効率も高いことから、コクピットの位置を従来より220mm前進。車体後部により多くの太陽光パネルを配分するなどの改良を加え、発電効率も向上させた。

ブリヂストンの「エコピアwithオロジック」。サイズは同じだがパターン、構造、ゴムとも一新され「確実に前回より転がり性能・信頼性・耐久性が良くなっている」(佐川総監督)
 また、ブリヂストンから供給を受ける「エコピアwithオロジック」は、「内圧を下げながらも転がり抵抗を低減できるよう構造やゴムなど全面的に変更」(大山和俊・同社ブランド戦略・コミュニケーション本部長)。

東レの新世代炭素繊維「トレカMXシリーズ」を用いたプリプレグでは、弾性率を維持しつつ引張・圧縮強度と耐衝撃性の大幅向上が可能。その最初の品種「M40X」をボディに採用している
 CFRP製ボディには、強度を従来より約30%向上させた東レの新世代炭素繊維「M40X」を初めて採用。同時に「2017年型は強度を過剰に持たせていた面もあるので、それを最適化すべく材料置換や形状見直しを行うことで、10%以上の軽量化に成功している」という。しかも、「9月下旬の車両発送直前までにまだ軽量化できる所が何ヵ所かあるので、1gでも軽くできるよう頑張りたい」(武藤チームリーダー)というから、実戦での車重は公表スペックよりもさらに軽くなる可能性が高い。

 さらに同日は、湘南キャンパスの敷地内で、このニューマシンの試走を実施。「風切り音も聞こえないほど空力性能が進化した」(武藤チームリーダー)というその走りを披露し、極めて静かながら高い運動性能を兼ね備えていることを実証した。

 この新体制・マシンで8年ぶりの優勝を狙う東海大学。8月31日から9月1日にブリヂストンのテストコースでシェイクダウンした際の感触も上々とのこと。2011年以降遠ざかっている、悲願の総合優勝なるか。

【Specifications】
<2019 Tokai Challenger>
全長×全幅×全高 4970×1200×1000mm
ホイールベース 1700mm
トレッド 610mm
車両重量 140kg(推定)
太陽電池セル変換効率 24.1%
太陽電池出力 962W
太陽電池面積 3996m2
MPPT変換効率 98.5%
モーター総合変換効率 98%
バッテリー材質 リチウムポリマー
タイヤサイズ 95/80R16
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン
サスペンション 後 ダブルトレーリングアーム
ブレーキ 油圧ディスク&回生ブレーキ
太陽光のみの巡航速度 90km/h
最高速度 120km/h(レース設定)、150km/h(理論値)

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