東レ:車載コンデンサ用高耐熱・高耐電圧二軸延伸ポリプロピレンフィルム 「トレファン新世代グレード」を開発 電動自動車の設計自由度や燃費の向上に貢献
- 2020/09/23
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MotorFan編集部

東レは、電動自動車(xEV)向け車載コンデンサ用高耐熱・高耐電圧二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン新世代グレード」を開発し、本格生産を開始したと発表した。本新世代グレードを用いたポリプロピレン(PP)フィルムコンデンサをxEVのパワーコントロールユニット(PCU)に適用することで、PCUの小型化、耐熱性向上、高効率化が可能となり、xEVの設計自由度や燃費の向上に大きく貢献する。
トレファンはプラスチックフィルムの中でも軽く、強靱性・電気特性・機械的特性に優れたフィルムで、一般工業用・包装材料用・コンデンサ用などに広く利用されている。その主力用途であるフィルムコンデンサは、家電・IT機器向け電子部品のほか、環境規制の高まりから欧州や中国を中心に年率約20%の高成長が見込まれるxEVに用いられている。本用途においてトレファンは独自の技術により薄膜化と高耐電圧化という相反する性能を両立するフィルムとして、これまでも広く採用されておりトップシェアを有している。
PCUはxEVのモーターの出力制御を担うxEVパワートレインの中核装置だが、xEV設計の自由度向上のため、PCUの小型化が求められている。PPフィルムコンデンサはほぼ全てのxEV向けPCUのインバーター回路で使用される最大サイズの基幹部品であり、これまでの小型化と耐電圧向上ニーズに加え、近年、特に高耐熱化のニーズが高まっている。しかし、従来の設計手法ではOPPフィルムの大幅な耐熱性向上は困難だった。
「トレファン新世代グレード」は、OPPフィルムの結晶構造と非晶構造を独自技術によりナノレベルで精密制御する「高強度化コンセプト」でOPPフィルムの高温での構造安定性を飛躍的に高め、高耐熱・高耐電圧性を実現した。新世代グレードは従来品対比で高温(125℃)の耐電圧性は約15%、耐熱温度は5℃以上向上し、PPフィルムコンデンサの耐熱性・耐電圧性向上、薄膜化による大幅な小型化に寄与し、xEVの設計自由度や燃費の向上に大きく貢献する。
「トレファン新世代グレード」はその高性能を評価・確認を得ていることから本格生産を開始した。また、今後の更なる車載コンデンサの需要拡大に対応するため、東レ土浦工場(茨城県土浦市)に生産設備を増設(2022年稼働開始予定)し、車載コンデンサ用フィルムの生産能力を現行比1.6倍にする計画を進め、生産体制の拡充を図る。
東レは今後も「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念のもと、環境負荷の低減に貢献するxEVの主要部材であるPPフィルムコンデンサの需要拡大ニーズをいち早く取り込んだ新世代グレードの拡充により、成長市場の取り込みを図り、更なる事業拡大を目指していくという。
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