出光興産: 「硫化物系固体電解質の量産技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金に採択

出光興産が実施する「硫化物系固体電解質の量産技術開発」が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」の一つとして採択された。本事業では、将来的な全固体電池の社会実装に向けて不可欠とされる固体電解質の量産技術の確立を目指す。本事業の対象期間は2022年度から2027年度の6年間(予定)。

世界規模での地球温暖化問題や資源問題の深刻化を受け、カーボンニュートラル・循環型社会の構築が必要となる中、蓄電池市場、特に電気自動車(EV)や定置用などの大型電池市場の拡大が予測されている。全固体電池は、主に自動車産業における電動化、脱炭素化の加速(EV化)、安全性、高容量、急速充電といった性能ニーズを満たす技術として、実用化と普及拡大が期待されている。

本事業では、全固体電池向け硫化物系固体電解質の量産技術の確立を目指す。具体的には、昨年11月に稼働を開始した小型実証設備に続く量産化へ向けた大型パイロット装置を当社の千葉事業所内に建設し、品質、製造コスト、量産性等を確認・検証する。

出光興産は、本事業を通じ、自社原料、自社特許の物質・製造技術を生かした固体電解質材料の量産技術の確立を加速させ、全固体電池市場の早期立上げに貢献する。さらには、電動化社会の実現に向けて、全固体電池市場を一層拡大させるべく、固体電解質にとどまらず、その周辺(さらなる次世代電池材料の開発、リサイクルを始めとする様々な価値提供)へ事業領域を拡大・展開していく。

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