日本製鉄:純チタンで世界初となる環境配慮型素材「TranTixxii-Eco」を開発

日本製鉄は、純チタンで世界初となる環境配慮型素材TranTixxii-Eco(トランティクシーエコ)を開発したことを発表した。なお、今般、開発されたTranTixxii-Ecoは、ハイエンドのアウトドア製品メーカーであるスノーピークへ6月より供給が開始されている。

チタンは、耐食性に優れ長期使用に耐えることから、カーボンニュートラル実現に貢献する金属材料として知られている。一方で、チタンの製造過程においては、特にチタン鉱石からチタン単体を取り出す過程で多くの電力を使用し、CO2が排出される。日本製鉄は、2050年に向けてカーボンニュートラル実現を経営の最重要課題として、諸対策を検討・実行しており、その一環として今回、環境配慮型素材TranTixxi-Ecoを開発した。

チタン(TranTixxii-Eco)インゴット
チタン(TranTixxii-Eco)コイル

TranTixxii-Ecoは、チタンインゴットの原料としてチタンスクラップを50%以上添加することにより、省CO2・省資源を実現した環境配慮型の素材で、東日本製鉄所直江津地区にて製造される。

純チタンは、チタン素材の中で最も加工性の良い素材であり、極めて高純度に造り込みを行う必要があるため、チタンスクラップの使用に際しては、異材・異物が混入しないよう、非常に厳格な品質管理や前処理を要する。この課題を解決するために、日鉄直江津チタンの新型電子ビーム式溶解炉(以下、EB炉)を活用した。EB炉では、日本製鉄が鉄鋼製造で培った技術を応用し、溶解プロセスにおけるスクラップ配置および電子ビーム照射パターンの最適な組み合わせを開発したことで、スクラップ多配合でも、インゴット成分を均質化し高品質な作り込みを実現しました。

通常、チタンインゴットの原料には主としてバージン原料であるスポンジチタンが使用されるが、TranTixxii-Ecoでは原料の50%以上がスクラップリサイクルに置き換えられる。その結果、製錬工程におけるCO2発生量が50%以上削減できることになる(※)。

 スノーピークは、1958年に“ものづくりのまち”新潟県三条市にて創業し、キャンプ用品、アパレルの開発、国内外での販売のほか、地方創生、ビジネスソリューション等、幅広い事業を展開するアウトドアメーカーで、約30年来にわたり日本製鉄の意匠性チタンTranTixxiiを使用している。スノーピークは、地球という惑星が育んできた自然がなければ楽しめない「野遊び」を守るために、CO2の排出削減をはじめとする環境にやさしいサステナブルな取り組みに励んでおり、日本製鉄ともパートナー関係を更に深め、地球温暖化の課題解決に向けたコラボレーション協議を重ねてきた。

今回、スノーピークは環境配慮型素材TranTixxii-Ecoのコンセプトに深く共感し、商品開発の段階から協議を重ね、商品化を実現することが叶った。現時点では、原料となるスクラップの調達及び製造能力に課題はあるが、今後、年間300トンの製造・供給に向けた体制が構築される。

(※)現在、日本製鉄としてチタン材製造時のCO2排出量を算出中。

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