直列6気筒エンジン、なぜ復活したか:モーターファン・イラストレーテッド vol.197特集「直列6気筒」

『モーターファン・イラストレーテッド』の197号は特集:直列6気筒です。クルマ好きの間では特別なものとして扱われることの多いこのエンジン形式について、現代の復活劇および神格化される理由の解析という2本柱で構成しました。

ご存じ、多気筒の最小排気量である6シリンダーについては主流をV型としている会社がほとんどです。かつての直列6気筒フォーマットは衝突安全の観点や駆動方式/パワートレインの積載方式の関係から急速に姿を消し、コンパクトで縦横いずれでも搭載できるV型6気筒に取って代わられました。直列6気筒を堅持していたのは乗用車においてBMWただ一社――ではないのは特集内でもご紹介しておりますのでぜひご一読ください――だったところ、数年前に現れたのがメルセデス・ベンツのモジュール設計直列6気筒エンジンシリーズでした。以来、欧州や北米でも直6が復活、ついにはここ日本でもマツダがSKYACTIVテクノロジーを盛り込む新エンジンを市場投入します。本特集では、なぜ「かつてのエンジン」扱いだった直列6気筒が再びステージに上ることになったのか、各種の取材から考察します。

コンテンツ 図解特集:直列6気筒――なぜ復活したのか――

▷ 提議直列6気筒サバイバル
  ユーロ7とCO2規制に勝てるか[FEV]
▷ 把握と理解
  「直列6気筒」から想起する素朴な疑問を解消する[畑村耕一博士に訊く ]
▷ 直列6気筒の実際
  マツダ・SKYACTIV-D 3.3「長さのみネガティブ、いかにそれを解決したか」
  日産・TB型「古くより続いてきた直列6気筒をなお使う理由」
▷ 振動と騒音
  「シルキーシックス」の素性 計算から理解する完全バランス[門松晃司博士に訊く ]
▷ 直6を収める
  直6のためのボディを作る「長いエンジン」を収める方法[マツダ ]
▷ 2023年の直列6気筒はどのように搭載されるか
  → マツダ・SKYACTIV-D 3.3[CX-60]
  → BMW・B57[X5]/B58
  → ランドローバー・AJ300D[レンジローバー]/AJ300
  → メルセデス・ベンツ・M256
  → メルセデス・ベンツ・OM656
  → ステランティス・3.0 Hurricane Twin Turbo
  → ステランティス・6.7L DIESEL
  → GM・Duramax 3.0
  → ヒョンデ・Smartstream D3.0
▷ 古今譚
  直6が辿ってきた青春の光と影

1章「直列6気筒サバイバル:ユーロ7とCO2規制に勝てるか」では、ドイツのエンジニアリング会社・FEVに見識をうかがいました。各社の新造機である直6エンジンが現れた背景は規制。これらの苛烈なレギュレーションが何を定め、それをいかに解決するために直列6気筒が登場したのか。建前と本音の間で揺れ動くエンジン技術開発事情について、同社・齋藤氏にお話をうかがいました。

2章「『直列6気筒』から想起する素朴な疑問を解消する」は、一問一答形式のコンテンツです。「なぜ直列6気筒エンジンが普及していったのか」「直6が劣勢となりV6が普及していった理由は」「メインストリームとなったV6エンジンの弱点は」「V6エンジンが主流となった近年、直6が復活したのはなぜ」「新世代直列6気筒エンジンは旧世代とどこが異なるのか」の5問を、MFiお馴染みの畑村耕一博士が回答します。

3章「直列6気筒の実際」では、日本国内の直列6気筒エンジンの姿を取材しました。CASE 1は、本特集での主役級エンジン・SKYACTIV-D 3.3について、縦置きパワートレーンとしたときのネガティブ要素:長さをいかに技術的に解決したのか、マツダのエンジニアに取材しました。誌面では、同機のシリンダーブロックやシリンダーヘッドの実物を撮り下ろし、詳細に解説しています。CASE 2は、知る人ぞ知る日産の現役直6・TB型をご紹介します。

4章「振動と騒音」では、直列6気筒の特性を考察します。「シルキー」や「スムース」といった言葉で表現される直6エンジンについて、ではその言葉に表される現象とはなぜ生じるのか。元新潟工科大学教授の門松晃司博士に教示いただきました。3+3は6、という解説でイメージしやすい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

5章「車両骨格」は、本特集で展開したかったコンテンツのひとつです。これまでの4気筒より長くて重たいパワートレーンをクルマに収め、従来以上の衝突安全性やパッケージングの良化を実現するためのテクノロジーを、再びSKYACTIVテクノロジーのマツダにうかがいました。ひどく揺れてほしくないけど出力を発揮するときにはインフォメーションとしてサウンドを含めドライバーに伝えたい。二律背反をいかにクリアしていったのかを訊きました。

6章「直列6気筒を眺める」は、日欧米の最新エンジンカタログとしています。とくに冒頭の3機種については、実際の搭載車を借り出して採寸撮影、「クルマのどのあたりにどれくらいで載っているのか」を視覚的に表現しました。

最終章「古今譚」。直6はどのようにして現れ、成長し、V6に主役の座を奪われていったのか。沢村慎太朗氏が長大なストーリーとして展開してくれました。古今東西のエポックメーキング、特異なユニットや車両などをご紹介します。

コンテンツ 図解特集:直列6気筒――なぜ復活したのか――

▷ 提議直列6気筒サバイバル
  ユーロ7とCO2規制に勝てるか[FEV]
▷ 把握と理解
  「直列6気筒」から想起する素朴な疑問を解消する[畑村耕一博士に訊く ]
▷ 直列6気筒の実際
  マツダ・SKYACTIV-D 3.3「長さのみネガティブ、いかにそれを解決したか」
  日産・TB型「古くより続いてきた直列6気筒をなお使う理由」
▷ 振動と騒音
  「シルキーシックス」の素性 計算から理解する完全バランス[門松晃司博士に訊く ]
▷ 直6を収める
  直6のためのボディを作る「長いエンジン」を収める方法[マツダ ]
▷ 2023年の直列6気筒はどのように搭載されるか
  → マツダ・SKYACTIV-D 3.3[CX-60]
  → BMW・B57[X5]/B58
  → ランドローバー・AJ300D[レンジローバー]/AJ300
  → メルセデス・ベンツ・M256
  → メルセデス・ベンツ・OM656
  → ステランティス・3.0 Hurricane Twin Turbo
  → ステランティス・6.7L DIESEL
  → GM・Duramax 3.0
  → ヒョンデ・Smartstream D3.0
▷ 古今譚
  直6が辿ってきた青春の光と影

モーターファン・イラストレーテッド
Vol.197 直列6気筒
2023年2月15日発売
定価1760円(本体価格1600円)
ISBN:9784779647710

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Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部