「マフラー交換が全て違法になる!?(←ウソ)」事実誤認のネット報道とその顛末

本当は何も変わらない!! マフラーメーカー大打撃の誤認記事の罪

「マフラー交換が全て違法になる」とも読み取れる事実誤認の記事が、有名カスタム系ネットメディアから配信され騒ぎとなっている。この記事がチューニング業界に与えた影響は非常に大きく、JASMA(日本自動車スポーツマフラー協会)が動く事態にまで発展したのだ。

訂正とお詫びでは済まされない現実

事の始まりは2021年の年末、有名カスタム系ネットメディアが配信した『スポーツマフラー絶滅の危機?「騒音規制」強化でクルマ好きは阿鼻叫喚 打開策はあるのか」という記事だ。

ショッキングに脚色された記事の反響は大きく、瞬く間に公私様々なネットメディアに転載され、年末年始のアフターマフラーメーカーには「マフラー交換が違法になるの?」という問い合わせが増え、注文していた製品のキャンセルや買い控え、購入を躊躇・不安視する声も聞こえてくるなど、極端に言えば業界の存続に影響が出てもおかしくない事態にまで発展してしまったのだ。

JASMAからは事実誤認を周知させるためのニュースリリースが配信されたが、元記事を読んだユーザーの全てに事実を伝えることはできていない。

この事態に慌てたJASMA(日本自動車スポーツマフラー協会 ※)は、国土交通省に問い合わせ、記事内容を精査。その結果、完全な誤報である事が判明。即座に事実誤認を周知させるためのニュースリリースを配信した上で、配信元に記事の削除を要請した。

しばらくして配信元からは『お詫びと訂正』の記事が公開されたが、時すでに遅し。「マフラー交換がNGになる」という認識だけが一人歩きし、事実誤認の拡大を止めることができない状況となってしまったのである。どのような経緯で問題記事が制作されたのかは知る由もないが、根拠のない記事によってマフラー業界が受けた打撃は、想像以上に大きかったわけだ。

最後に。スポーツマフラーに対する規制はなんら変わっておらず、今のところ変わる予定もない。つまり、JASMA認定品やJQRなどで事前認証を受けた製品は、問題なく装着することが可能。これが真実だ。

※JASMAとは…1995年11月の規制緩和を機に市場が膨れ上がったアフターマフラー業界。しかし、それは同時に保安基準に適合していない爆音の不正改造マフラーを増やす一因にもなってしまう。1989年4月にマフラー騒音を原因とした殺人事件が神奈川県で発生し、世間にアフターマフラー撲滅のムードが漂い出したのはその頃からだ。その流れを食い止めるべく同年10月に誕生したのがJASMAだ。積極的に行政に働きかけ、アフターマフラーの信頼を取り戻しただけでなく、保安基準を遥かに超える独自の基準を設け、それを満たしたマフラーのみに専用プレートおよび認定書を添付するシステムを確立。行政からの信頼度も非常に高い。

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