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  • 2018/06/01
  • MotorFan編集部

落ちたら死ぬ!!『最凶酷道───国道157号線(酷道険道:福井県/岐阜県)』ジープ・レネゲード

連載コラム「酷道を奔り、険道を往く」Vol.9

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「落ちたら死ぬ!!」
日本に酷道は数あれど、こんな注意書きで始まるものはほかにない。
岐阜県岐阜市から石川県金沢市を結ぶ国道157号線。
なかでも根尾から温見峠を越えて越前大野へ抜ける区間は、
クルマが通れる国道としては最難関との呼び声が高い。
ジープ・レネゲードで日本最凶の酷道に挑む。

TEXT:小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO:宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

酷道界の無差別級王者

 最も険しく、酷い国道はどこか? さまざまな意見が飛び交うだろうが、国道157号線がその最右翼に挙げられることは間違いない。

 岐阜県と福井県にまたがるこの国道は、古くから愛好家の間でも最凶の酷道として崇め奉られてきた(?)存在だ。試しにインターネットで「酷道」と打ち込んで検索してみてほしい。間違いなく国道157号線が上位にヒットし、ページに飛んでみれば、ほとんどの場合、全国でナンバーワンの存在とされているはずだ。

 ちなみにこの国道157号線は、酷道度がマックスに達する根尾〜越前大野において国道418号線と重複しているが、この区間に実際に掲げられている道路標識はほぼすべてが「157」との表示になっているので、本稿では国道157号線として扱う。

 当連載では、基本的に東京に近い側からアプローチするのが通例だが、今回は取材スケジュールの関係で福井県側からスタートする。北陸自動車道を福井ICで降り、国道158号線を東へ、郡上八幡方面へ向かう。関東に住んでいる自分にとって、郡上八幡や飛騨高山には険しい山岳地帯を越えた先にある秘境の街というイメージがあるのだが、そんな郡上八幡に関東とは反対の西側から向かっているのがなんだか新鮮だ。

 しかし今回は郡上八幡に行くわけではない。越前大野で針路を南に取り、国道157号線に入る。麻那姫湖を左手に見ながら、二車線道路を快走する。ガードレールがワイヤーやコンクリートブロックになり、どことなく酷道な匂いを漂わせ始めるも、道幅は十分に広くセンターラインもあり、気持ちよくドライブができる。

 だが、あまりに快走路が続くと逆に不安になってくるのは職業病というか、当ページ担当者病だろう。

「もしかしたら改修が進んでいて、もはや酷道ではなくなってしまっているのではないか?」酷道険道の取材は、実はいつもこの不安との戦いでもある。フツーは酷道に出くわしたほうが不安になるものだが......。

 というわけで麻那姫湖を過ぎて20分ほど走って俄に道幅が狭くなり、センターラインが消えたところでホッと胸をなで下ろした。「お〜、やっと来ましたねぇ」とMカメラマンも安堵の表情である。最凶の酷道を前にして余裕があるのか頭がおかしいのか。

酷道険道の例に漏れず、道幅はご覧のように狭隘で、すれ違いは困難だ。だが不思議なのは、こうした道で対向車に出くわしても必ずすれ違えてしまうこと。酷道険道におけるドライバー同士の阿吽の呼吸というものは実に絶妙で、そこはかとなく連帯感すら覚えてしまう。

 のっけから前方に対向車の姿が現れる。どう見てもすれ違えないので、こちらが延々と後退する。少し広くなった場所で待機し、プップッと軽いホーンでお礼される。

 筆者は、この酷道険道ではお馴染みともいえるやり取りが好きである。ふたりのドライバーの阿吽の呼吸がなければうまくすれ違えないのはもちろん、クルマがダメージを負ったり、ヘタをすれば命の危険だってある。だがこれまで、どんなに狭い酷道険道でもすれ違えなかったり、危険な目に遭ったためしがない。もちろん、こうした酷道険道にはある程度の運転技術を身につけた人しか足を踏み入れない、ということもあるだろう。

 いずれにせよ、互いに持てる技術を駆使して危機に対峙し、乗り越える過程がなんとも気持ちいい。ときには連帯感すら生まれるのは、危機的状況だからこそなのかもしれない。

 だが、すれ違いが快感などと嘯(うそぶ)いてばかりもいられない。走るほどに景色は山深さを増し、ガードレールは消え、気がつけば道幅は完全にクルマ一台分となっていた。路肩から見下ろせば、そこは奈落の底である。

「落ちたら死ぬ!!」

 かねてからインターネットなどで目にしていた看板のフレーズが脳裏をよぎる。日本の交通標語や注意書きには大げさ過ぎて効果ゼロのムダなものが多いが、これは本気である。落ちたら、そりゃあかなりの確率で最悪の結果が待っているだろう。正確に言えば、落ちたら死にそうな場所は日本中どこにだってある。でも、たいてい落ちにくいようになっている。ところがここは落ちやすいのだ。 屁理屈はともかく、この看板が放つメッセージ性は強烈で痛快だ。実物はどこにあるのだろうか?

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