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ルノー・トゥインゴは意外や本格スポーツカーだった【試乗記:箱根】

  • 2019/08/25
  • ニューモデル速報
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8月22日、三代目トゥインゴがマイナーチェンジを受けた。そこでMotor-Fan.jpでは、この三代目トゥインゴの魅力を再検証すべく、前期型デビュー時のフランス本国取材や国内徹底取材を振り返る企画を数回に渡ってお送りする。第二回目の今回は、日本上陸直後に箱根で行った試乗でのインプレッションをお届けする。

TEXT●大谷達也(OTANI Tatsuya)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

※本稿は2016年7月発売の「ルノー・トゥインゴのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

RRではなくミッドシップである!

 ミッドシップ特有のノーズの軽さを実感しながら中速コーナーに進入。以前フランスで試乗した仕様に比べるとロール量は確実に小さく、安定したスタンスを保ったままアペックスにアプローチできる。4本のタイヤはのしかかる横Gと懸命に戦っているようだが、スロットルペダルに込めた右足の力を急に抜き去っても走行ラインはほとんど乱れない。コーナーの出口付近で再びスロットルペダルを踏み込んだものの、リヤタイヤはしっかりと路面を捉えて放さず、ミッドシップらしいバツグンのトラクション性能を発揮しながら次のコーナーを目指して次第に速度を増していった。

 しかし、本当に驚いたのはこの直後のこと。緩い上り坂のライトハンダーにややオーバースピード気味に進入したところ、軽いアンダーステアが発生、ガードレールが目前に迫ってきたのである。しかし、前述したとおりスロットルを戻してもノーズを内側に引き込むのは難しい。そのとき、私はステアリングを少し戻しながら右足でブレーキペダルを蹴り込んだ。するとフロントタイヤは失い欠けていた横グリップを回復し、狙いどおりの走行ラインに復帰。クルマは無傷のまま、そのコーナーから立ち去ることができた。

 このとき私がドライブしていたミッドシップモデルとは、いったい何かおわかりだろうか? 皆さんが手にしている本誌のタイトルを見直すまでもなく、それが三代目ルノー・トゥインゴであることはすでにお気づきかもしれないが、それにしてもここに記述したコーナリング中の“ドラマ”は、高性能なミッドシップ・スポーツをテスト中に起きたことといっても通用するくらい、エキサイティングでスリリングなものだった。

 心温まるフレンチ・コンパクトカーのインプレッションを期待されていた皆さんには誠に申し訳ないが、これが私が日本の箱根で試乗したトゥインゴのファースト・インプレッションであると同時に、最も強く印象に残った瞬間である。そして私がそう感じた最大の理由は、トゥインゴがミッドシップを採用している点にあるといって間違いない。

 ルノー自身はトゥインゴのことを“リヤエンジン”と呼んでいるが、エンジンをキャビン後方のリヤアクスル直前に積んでいるのだから、これは正真正銘のミッドシップである。しかも、エンジンは後方に49度も傾けられているので、直列3気筒でも重心高は恐ろしく低いはず。こうした、まるでレーシングカーのような優れた基本レイアウトが、三代目トゥインゴに驚くべき運動性能をもたらしているのだ。

 そのハンドリング特性をひとことで説明すれば、どこまでも自然で素直で、ミッドシップらしいバランスの良さは感じられても、トリッキーなところはまるでない。それはホンモノのスーパースポーツカーと違ってトゥインゴのエンジンが極めて軽量なうえ、最高出力が90㎰に限られていることと関係があるのだろう。おかげで、前輪駆動のコンパクトカーによく見られるノーズの重さを感じることもなければ、ピッチング方向の動きにハンドリング特性が支配されることもない。極限に近い状態でも狙いどおりのラインを保つことができるうえ、前輪駆動ではトラクションが抜け気味になるアンジュレーションの強い路面も、何ごともなかったかのように走破できてしまうのである。

ボディカラーを効果的にあしらったインパネは、フランスらしいセンスに溢れている。センターコンソール中央には様々なアタッチメントを装着できるスペースが用意されている。
ハイバックスタイルのシートはサイズも大きく、しっかりと身体をホールドする。
リヤシートはふたり分のスペースとなる。Bセグメント並のホイールベースの恩恵でニースペースにも余裕があり、数時間の移動であれば不満を感じることもないだろう。

意外にも高い直進性を披露

 しかし、ミッドシップゆえの弱点も理論上は存在する。例えば高速直進性。リヤが重いよりはフロントが重いほうが真っ直ぐ走るには有利なはず。しかもトゥインゴは後輪駆動なので、高速直進性がコンパクトカーの平均点以下だったとしても不思議ではない。この点は新型トゥインゴのアキレス腱になりかねない(直進性の悪いフランス車なんて、悪いジョークでしかない)と思っていたので、ひとあし先に行なったフランスでの試乗でもとりわけ注目していたのだが、意外や意外、短時間の高速走行だったがしっかりと真っ直ぐ走ってくれた。ただし、さらに注意深く観察していくと、ステアリングを直進状態から少し切ったところに操舵力を重めに設定している領域があり、これが高速直進性を“補助”していることがわかった。

 電気式パワステではこの手のチューニングがよく行なわれていて、後輪駆動で有名な某プレミアムブランドの製品はこの傾向があまりに顕著なためていねいに操舵する気持ちが失せてしまうことがあるものの、トゥインゴの場合はほどよい味付けで、特に意識していなければそうとは気づかないほどよく熟成されている。とはいえ、こうした設定にしたこと自体、ルノーが新型トゥインゴの直進性はあまり良くありませんと認めたも同然。この点は、フランスで試乗して唯一残念な点として私の心のなかに留まった。

 しかし、フランスで高速走行を行なったのは本当にわずかな距離に過ぎない。もっと長い距離を走れば印象も変わるかもしれないと淡い期待を抱いて臨んだ国内の試乗で、予想を大きく上回る収穫があった。

 前述した電気パワステの設定は、スケートボードで用いられるチューブ状に湾曲したコース(アールランプというらしい)のように、外側にはみ出しそうになったスケボーを中央に寄せ集める効果を目指したものだ。したがって、もしも中央の平坦な部分にある程度の幅が持たされていれば、その範囲内では中央に押し戻す力が生まれない。つまり、直進中にチョロチョロと進路が乱される可能性が残されているわけだ。しかし、トゥインゴは操舵力が高まる以前のほぼ直進に近い領域でも、自分自身でしっかりと直進していこうとすることが今回の試乗で判明した。つまり、パワステ任せの直進性ではなく、直進しようとする強い意思をクルマ自身が持っているのだ。

電動キャンバストップは、面積が非常に大きいのが魅力。リヤシートの乗員も開放感が味わえる。
フロアは高いが、2名分の小旅行程度の荷物ならラクに収納できる。フロアマット裏には分厚いスポンジ状の遮熱材が張ってあるので、エンジンの熱はほぼ伝わらない。

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