【F1日本GP直前インタビュー】超速のタイ人ルーキー、アレクサンダー・アルボンに注目せよ!〈アストンマーティン・レッドブル・ホンダ〉
- 2019/10/10
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MotorFan編集部 小泉 建治
F1日本グランプリを直前に控えた10月9日(水)、東京は港区の「アストンマーティン青山ハウス」で行われたアストンマーティン・レッドブルレーシングのパーティに、注目のルーキードライバー、アレクサンダー・アルボン(Alexander ALBON)が姿を現し、鈴鹿への意気込みを語った。
REPORT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)
シーズン前半からコンスタントに好成績を収め、サマーブレーク明けの第13戦ベルギーGPからはシーズン中にレッドブル・ホンダに移籍することになり(レッドブルとトロロッソは兄弟チームで、トロロッソとはイタリア語でレッドブルを意味する)、ここまで4戦で、5位、6位、6位、5位と上位入賞を続けている。
とりわけ前戦ロシアGPでは、ピットスタートから15台抜きの5位入賞という離れ業をやってのけた。いま、最も注目するべき若手ドライバーであることに異論はないだろう。
そんなアルボンが、日本GPを前にインタビューに応えてくれた。
カメラマンが100人も待ち構えていた!
アルボン:実は開幕戦の最初のフリーセッションのとき、第3コーナーでクラッシュしてしまったんですよ。ボクのミスではなくてマシンに問題があったんですけれど、ピットに戻ったら100人くらいのカメラマンが待ち構えていて……。「ああ、自分はF1ドライバーになったんだな」って気づかされました。
F1のドライビングに関しては、とくに驚きはありません。ボクは7歳の時からレースをしていて、未知のマシンに対峙し、学び、乗りこなすということを繰り返してきました。F1という世界最高のマシンでもそれは同じです。レーシングマシンを運転しているときが、ボクにとっての平常時なんです。
鈴鹿はひとつのミスを挽回するのが難しい
アルボン:似ているようで大きく異なります。レッドブルはイギリス、トロロッソはイタリアのチームですから、コミュニケーションの取り方から仕事の進め方まで違います。良いとか悪いとかではなくてね。もちろんマシンも違います。いま、自分はそれを学んでいる最中です。
───初めて戦う鈴鹿サーキットにはどんな印象を持っていますか?
アルボン:鈴鹿はすべてのコーナーがつながっていて、ひとつのコーナーでミスをするとその影響がずっと続いてしまいます。次のコーナーで挽回する、というのが難しいんです。だから気が抜けませんね。シミュレーターで練習していますが、とにかくスムーズにミスなくコーナーをクリアしていくしかないでしょう。
シューマッハとロッシには学ぶべき点が多い
アルボン:まずマイケル(シューマッハ)はとにかく努力家でプロフェッショナルで、勝利に対してすべてがストレートです。テクニックもフィジカルも常に最高レベルを保ち、鍛錬を怠りません。フェラーリに加入したときはイタリア語も勉強していました。あの姿勢は本当に尊敬します。
一方バレンティーノは、とにかく情熱的です。そしてレースを心の底から楽しんでいます。ストレスもあるはずですが、それをファンには絶対に見せません。プロスポーツ選手として、彼のようにありたいと思っています。
───逆に、偉大なふたりのチャンピオンと比べても、これだけは絶対に負けないと自信を持っているものはありますか?
アルボン:勝っているとは言えませんが、ハードワーカーであるところはマイケルに負けないように頑張っています。それとドライビングのスムーズさは、マイケルに似ていると思います。
バレンティーノには……とにかく彼のようにファンを惹きつけられる人間になりたいと願うばかりです(アルボンのゼッケンナンバー「23」は、ロッシの「46」を半分にしたもの。その理由を「ロッシのようにはなれないが、彼の半分くらいにはなりたいから」と説明している)。
───最後に、日本グランプリへの意気込みをお聞かせください。
アルボン:台風の接近が気になりますが、ソチ(ロシアGP)での成功を糧にして頑張ります。とはいえ同時に冷静さも失わないようにしないと。もちろん表彰台には上がりたいですよ。でもメルセデスが優位なことは間違いありませんし、直線のパワーはフェラーリに分がありますね。とにかく全力を尽くしますよ。ぜひ応援してください。
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