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今日は何の日?

■4代目パジェロにクリーンディーゼル車を設定

2010(平成22)年9月16日、三菱自動車は4代目「パジェロ」に当時世界で最も厳しい排ガス規制とされていたポスト新長期規制に適合したクリーンディーゼル車を追加した。このパジェロでは、厳しい排ガス規制に適合するため、高圧コモンレール噴射システムに加えて、排気系にはDPF+NOx吸蔵触媒が搭載された。

2010年にデビューしたクリーンディーゼル搭載4代目「パジェロ」
2010年にデビューしたクリーンディーゼル搭載4代目「パジェロ」

RVブームをけん引して絶好調だった初代&2代目パジェロ

三菱「パジェロ」は、1982年4月に誕生した。初代パジェロが目指したのは、ジープの走破性能を持ちながら、それまでの武骨なイメージの本格4WDオフローダーとは異なる、乗用車のような快適性や安全性を合わせもつ4WDオフローダーだった。

1982年に誕生した初代「パジェロ(2ドアメタルトップ)」
1982年に誕生した初代「パジェロ(2ドアメタルトップ)」

またパジェロは、発売の翌年1983年からオフロード性能の高さをアピールするため、パリ・ダカールラリー(通称パリダカ)に参戦し大活躍。このパジェロの活躍ぶりをNHKが連日特番で放映しため、パリダカブームに火がつきパジェロ人気はさらに加速した。

2代目「パジェロ」
1991年にデビューし人気が爆発した2代目「パジェロ」

パジェロは、1991年1月に初めてのモデルチェンジで2代目へ移行。初代同様ラダーフレームが踏襲され、4人乗りソフトトップから7人乗りワゴンまで多彩なボディスタイルが用意された。スタイリングは先代のボクシーなイメージを継承しながらも、サンドシェイプフォルムと呼ばれるデザインの採用により洗練されたフォルムとなり、パジェロ人気は絶頂期に達した。

篠塚建次郎選手が乗るパジェロ
1997年、篠塚建次郎選手が乗るパジェロがパリダカ総合優勝に輝く。クラスは市販車改造クラス

ディーゼル車が廃止となった3代目

1999年9月のこの日、パジェロは3代目にモデルチェンジした。最大の特徴は、ボディ構造がそれまでのラダーフレームからビルトインフレームモノコック構造に変更され、市場の変化に対応してオンロード性能の向上が図られたこと。スタイリングは先代よりもさらに曲線を取り入れた都会的な雰囲気をイメージさせたが、市場のRVブームは去り、パジェロ人気にも陰りが見え始めた。

1999年にデビューした3代目「パジェロ(ロング)」
1999年にデビューした3代目「パジェロ(ロング)」

エンジンは、当初は最高出力220ps/最大トルク35.5kgmを発揮する3.5L V6 DOHCガソリンエンジンと175ps/39.0kgmの3.2L 直4 DOHC IC(インタークーラー)ディーゼルターボの2種だったが、その後3.5Lの代りに3.8Lガソリンエンジンが追加された。

一方で、トルクフルで人気の高かったディーゼル車については、2003年の新短期規制への対応が困難なことから廃止された。

要望に応えてディーゼル車復活を果たした4代目

2006年にデビューした4代目「パジェロ」
2006年にデビューした4代目「パジェロ」

2006年10月にビューした4代目は、先代に較べると比較的スリムなスッキリとしたスタイリングとなった。エンジンは当初262ps/34.5kgmの3.8L V6 DOHC(ロングボディ)と249ps/34.5kgm(ショートボディ)のガソリンエンジンの2種が用意された。

しかし、パジェロと相性の良いパワフルなディーゼルエンジン搭載車の復活を要望するファンの声は大きかった。そこで三菱は、2008年10月にまず新長期規制対応のディーゼル車を復活させた。

ポスト新長期にも対応したディーゼル
ポスト新長期にも対応したディーゼル

新長期規制対応のために、先代で搭載されていた 3.2L 直4 DOHC ICターボディーゼルをベースに、ターボチャージャーを可変容量式(VGターボ)に変更やコモンレール燃料噴射システムの最適化、そして排気系にはDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)、NOx吸蔵触媒システムが搭載された。

ポスト新長期にも対応したディーゼル
ポスト新長期にも対応したディーゼル

さらに2010年9月のこの日には、2009年10月から施行が始まったポスト新長期にも対応したディーゼル車も投入した。同じく3.2Lディーゼルエンジンの圧縮比化や燃焼室形状の最適化、コモンレール噴射の多段噴射の最適化などによってエンジンから排出されるNOxを低減。加えて排気系のNOxトラップ触媒の高効率化によって、NOx排出量を大幅に低減、当時世界で最も厳しいとされていたポスト新長期規制にも適合したのだ。

クリーンディーゼル「パジェロ」のコクピット
クリーンディーゼル「パジェロ」のコクピット
クリーンディーゼル「パジェロ」のフロントシート
クリーンディーゼル「パジェロ」のフロントシート

また排ガス低減とともに、ターボの効率化などで最高出力190ps/最大トルク45.0kgmへと向上。さらに、新しい5速ATの採用などによって、燃費についても従来型エンジン搭載車に比べ0.7km/L改善され、10.2km/L(10・15モード)が実現された。

ディーゼル車の価格は、ショートが384.3万円、ロングが411.6万円に設定、いずれもエコカー減税対象となった。

・・・・・・・
当時は、パジェロの約1年前2009年に日産自動車「エクストレイル」が、また2012年にはマツダ「CX-5」がポスト新長期規制適合車(クリーンディーゼル)を発売し、日本市場でもちょっとしたディーゼルブームが起こった。しかし、排ガス規制適合のために多大なコストがかかり、一方で安価なガソリン車の燃費が改善され、また電動化技術も進んだことからディーゼル車の存在価値が下がり、現在は世界的にもディーゼル車のシェアは大きく低下している。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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