基礎設計を共通とした「ワールドエンジン」として

4B1シリーズは、2002年、当時の三菱と提携関係を結んでいたダイムラー・クライスラー、現代自動車の3社による合弁事業として設立されたGEMA(Global Engine Manufacturing Alliance)で開発された「ワールドエンジン」を基礎とする。しかし実際に「ワールドエンジン」として開発されたのはブロックから下の基礎部分のみで、シリンダーヘッドを始めとした多くの部分を各メーカーが独自にアレンジできるシステムだった。
4B1シリーズは提携関係にあった3社の合弁事業であるGEMAによって誕生した直4の「ワールドエンジン」が母体となる。このエンジンは1.8ℓ、2. 0ℓ、2. 4ℓの3種類があり、世界標準規格化を目指したが、実際に各社で共用化しているのはアルミブロック程度で、クライスラーのGEMA、ヒュンダイ/KIAのシータ(現在はシータⅡに進化)エンジンがそれぞれ相当する。
その三菱版である4B1シリーズの中でも高回転・高出力を志向した最強の存在がツインスクロールターボで武装した4B11T/Cだ。代々、三菱のスポーツモデルのフラッグシップたるランサーエボリューションの心臓として搭載されてきたことで知られるが、現行のランサーエボリューションX用ではブロックにも変更が加えられ、さらなる軽量化と高剛性化が図られている。
4B11ターボに採用された三菱重工製ツインスクロールターボのタービンホイールはチタンアルミ合金、コンプレッサーホイールはアルミ合金製だ。軸受は静粛性に優れたフローティングメタルである。ターボ装着の目的が高回転狙いではなくレスポンス向上が目的なので大型ではない。


以前の搭載車はギャランフォルティス、デリカD:5といった車種に載せられた。後にアトキンソンサイクルに改修された4B1エンジンが登場し、エクリプスクロスPHEVに搭載されたがそちらも終売。現在はアウトランダーPHEVに搭載されており、同車のリバッジモデルである日産・ローグプラグインハイブリッドにもこのエンジンが載っている。
三菱 4B11主要スペック
エンジン形式:直列4気筒DOHC MIVEC
排気量:1998cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
圧縮比:9.0
最高出力:221kW/6500rpm
最大トルク:422Nm/3500rpm
吸気方式:ターボチャージャー
シリンダーブロック/ヘッド材:アルミ合金
吸気弁/排気弁数:2/2
燃料噴射方式:PFI
バルブ駆動方式:直動
VVT/VVL:In◯/Ex◯/×
点火順序:1-3-4-2
(ランサーエボリューションⅩ)
三菱 4B12主要スペック
エンジン形式:直列4気筒DOHC MIVEC
排気量:2359cc
ボア×ストローク:88.0×97.0mm
圧縮比:11.7
最高出力:98kW/5000rpm
最大トルク:195Nm/4300rpm
吸気方式:NA
吸気弁/排気弁数:2/2
VVT/VVL:In◯/Ex◯/◯
(アウトランダーPHEV)






