近年は大規模な「林野火災」が頻発。『林野火災注意報』と『林野火災警報』は山火事を未然に防ぐために創設

空気がカラカラに乾いた湿度の低い冬場などでは、山火事など大規模な林野火災が発生することがある。2025年(令和7年)2 月26日、岩手県大船渡市で発生した林野火災は、同年4月7日に鎮火するまで広範囲に延焼拡大。死者1名、焼損建物226棟、延焼面積約3,370ha(2月19日からの火災の延焼範囲を除く)という大きな被害をもたらした。なお同年3月には岡山県岡山市や愛媛県今治市などでも大規模な林野火災が相次いで発生。

大船渡市の林野火災は、まきストーブの煙突から飛散した火の粉が出火源の可能性が高いとされるが、具体的な原因は2026年2月時点では、特定されていない。

国の消防行政機関である「総務省消防庁」は、大船渡市など全国で発生した大規模林野火災を踏まえ、『林野火災注意報』と『林野火災警報』を創設し、全国の市町村に的確な発令などの運用を呼び掛けている。

この『林野火災注意報』や『林野火災警報』は、市町村(各地方自治体)の火災予防条例で規定され、市町村長が林野火災の危険性に応じて発令するもの。2026年(令和8年)1月から全国の多くの市町村で運用が始まった。

林野火災注意報とは?

降水量や乾燥といった条件により林野火災が発生・延焼しやすい危険な状況。発令時には、その地域では屋外での火の使用をひかえるよう努める必要あり。

林野火災警報とは?

上記『林野火災注意報』の条件に加え、強風注意報が発表され、発生した林野火災が大規模化しやすい危険な状況。発令時には、その地域では屋外での火の使用が禁止される。火の使用の制限に違反した場合は、消防法違反として30万円以下の罰金又は拘留に科される場合あり。

※『林野火災注意報』と『林野火災警報』は市町村により条例の制定状況、発令指標、火の使用制限の内容などは異なる。詳しくは管轄の消防本部等に要問い合せ。

林野火災注意報林野火災警報
発令指標(例)前3日間の合計降水量が1mm以下
+
前30日間の合計降水量が30mm以下または、乾燥注意報の発表

※当日に降水が見込まれる場合や積雪がある場合には、この限りでない
林野火災注意報の発令指標
+
強風注意報の発表
内容発令地域での屋外の火の使用中止の努力義務(罰則なし)発令地域での屋外の火の使用の制限
(罰則あり)
林野火災注意報・林野火災警報の発令指標の例。市町村により条例の制定状況、発令指標、火の使用制限の内容などは異なる。詳しくは管轄の消防本部等に要問い合せ。

山林ツーリングや山林キャンプでは“火の取り扱い”に要注意!

総務省消防庁の調査資料によれば、林野火災は年間を通じて発生。年明けから大きく増え始め、特に空気の乾燥した2月から5月にかけての時期に多く発生する傾向がある。出火原因は、たき火、火入れ、放火(疑いを含む)等の人的要因によるものが多いのが特徴だ。

山林ツーリングでの休憩や山林キャンプでは、お湯を沸かしてコーヒーを飲む&カップラーメンをつくる。調理のために火をおこす。焚火をする。バーナーを使うなど、火を取り扱う機会が多いはず。

山林ツーリングや山林キャンプに出掛ける前には、目的地の市町村の公式WEBサイトをチェックするなど、『林野火災注意報』や『林野火災警報』に基づいた行動を厳守すべし!

もしも『林野火災注意報』『林野火災警報』が発令されたら? 屋外での火の使用制限例

林野火災の出火原因の多くは人的要因であることから、大部分は一人ひとりの注意で防ぐことができる。降水量が少なく、空気が乾燥し、強風が吹く2月から5月頃に多くなる林野火災は、この時期に火入れが行われること。また山菜採りやハイキング等で入山者が増加することによる火の不始末等も一因として考えられる。また草や枝などの焼却が火災の原因となることもある。

もしも『林野火災注意報』や『林野火災警報』が発令されたら、下記の行為は厳禁。

1:山林、原野等において火入れをしないこと。
2:煙火を消費しないこと。
3:屋外において火遊び又はたき火をしないこと。
4:屋外においては、引火性又は爆発性の物品(花火等)、その他の可燃物の附近で喫煙しないこと。
5:山林、原野等の場所で、火災が発生するおそれが大であると認めて市(町・村)長が指定した区域内において喫煙しないこと。
6:残火(たばこの吸殻を含む。)、取灰又は火粉を始末すること。

林野火災防止のための注意点

極めて常識的なことだが、たとえ『林野火災注意報』や『林野火災警報』が発令されていなくても、屋外で火を取扱う際には各自が年間を通じて次のような点に注意することが重要。

1:乾燥・強風の日は火を使わない。
2:たき火や火入れは複数人で行う。
3:火から目を離さない。
4:消火用の水を準備する
5:使用後は完全に消火する
6:たばこの投げ捨て、火遊びは絶対にしない