キャンピングカー用「パーキングクーラー」の種類・選び方とは?
昨今のキャンピングカー市場を俯瞰してみると、快適装備のポイントのひとつにクーラーやエアコンがある。かつては「扇風機でもあれば大丈夫」という時代もあったが、近年の夏の暑さは尋常ではない。
RVパークの中には“空調がなければお断り”という施設もあるほどで、日によっては生命の危機を感じる夜すらある。中にはエンジンを作動させたままエアコンを付ける人もいるが、車中泊派のマナーとしてこれは避けたい。そのため、パーキングクーラーを備えてから旅に出るのが、自他共に快適であるための一歩と言えるだろう。
さてパーキングクーラーと言っても、その種類は多様だ。まず電圧が違う。100V、12V、24Vと種類があり、それによって作動させるための電力コントロールの方法が変わってくる。機器本体も、家庭用エアコン、窓かけタイプ、自動車専用タイプなど様々だ。それぞれに一長一短があるが、選ぶうえでのポイントがいくつかある。
まず、電力消費量だ。最近のパーキングクーラーは、自車のサブバッテリーやポータブル電源(ポタ電)を使って平均5時間ほどの使用が可能というのがひとつの目安になっている。ただし、この稼動時間は条件がまちまちであり、設定温度や風量によって変わるし、外気の状態でも異なってくる。もちろん電圧の違いも、バッテリーのもちに繋がってくるわけだ。
筆者は持ち運びタイプのポータブルクーラーを使用しているが、正直その性能には満足していない。タウンエースの場合はエンジンが運転席下に配置されているため、駐車するとその排熱が溜まって車内が暑い。外気温が30度に達するような夜には、その熱のせいでクーラーが十分な性能を発揮しないのである。
加えて稼動時間が短い。前述のような状況で、ある程度快適に寝られるまでに冷やそうとすると、純正のバッテリーではせいぜい3時間程度しか動かないのである。一番効いてほしい夜中の時間にバッテリー切れになるのでは、役に立っているとは言えない。
またサイズが大きく重量もあるため、置く場所にも苦慮する。作動音がかなり大きいのも、安眠の妨げになる。こうした数々の悪条件をクリアするために辿り着いたのが、夏はRVパークかオートキャンプ場に泊まるという答えだった。こうした車中泊施設なら100V電源が使えるし、本体を外に置いて冷気だけ車内に導入してやれば、実に快適に寝られることに気づいたからだ。とは言え、どこでもいつでも快適に寝られるクーラーが欲しい! というのが本音には違いない。
キャビネットにデンソー製パーキングクーラーを一体化する画期的アイデアを実現

各社が自社モデルに付けるパーキングクーラーを模索する中で、筆者はフロットモビールの「シュピーレン用パーキングクーラー・キャンクール」に注目した。同社は数年前から、自動車エアコンでお馴染みのデンソーとコラボをして、シュピーレン用クーラーの開発を行ってきた。
開発初期はベッド下、中期では車内右後部だったが、ついに完成形がジャパンキャンピングカーショー2026でお披露目となったのである。最終形態は、従来から車内左側にある家具の中にインストールされるという理想的なカタチになった。これならベッドスペースを犠牲にすることはないし、ベッド下の収納も実用的に使える。

また今回より吹き出し口が回転するようになり、自分のいる場所に合わせて冷気を導くことができるようになったのも美点だ。ただ、クーラー本体の収納に合わせて冷蔵庫が設置できなくなったことや、収納スペースの一部が失われたことは僅かなデメリットとして挙げられるが、シンクは従来通りインストールできる。
ちなみに室外機は床下に付いており、その排気口に開閉できるベントが付いているのも、フロットモビールらしい気遣いと言えるだろう。さらに電源が3WAYなのも注目ポイントだ。外部電源(100V)、サブバッテリー(12V)のほか、ポータブル電源(100V)も使用できる。

クーラーのコントロールは風量のみ。「強」「中」「弱」の基本モードのほか、「エコ」と「パワフル」の2モードも付いている。問題の稼動時間だが、1000Whのポタ電を使った場合、「弱」で約5時間の作動が可能だ。これなら気温の下がる明け方まで使うことができるだろう。

新車時のオプション価格は77万円。シュピーレンに後付けする場合は、家具の新造やベッドマットの加工が必要となるため、80〜90万円ほどかかる。価格はそれなりに高価だが、クーラーとしての性能はさることながら、車内にデッドスペースができず、抜群のフィット感を実現しているのが特徴だ。
エアコン本体をカバーで隠すケースはあったが、家具と一体化したというのは画期的ではないだろうか。今後各社とも、パーキングクーラーがますます商品力のコアとなるのは間違いなさそうだ。
