フワピタ系で正確な操舵 かつ乗り心地にも優れる

現行ヴェゼルは2021年4月に国内発売された通算2代目で、そこから丸3年が経過した24年4月にマイナーチェンジを実施。タフ系デザインの「HuNTパッケージ」が新たに登場して話題となった。そして、そのマイナーチェンジから約1年半後の25年10月に追加されたばかりなのが「e:HEV RS」である。
エクステリア




RSと言えば、体育会系の「タイプR」とは異なり、気持ちいい走りを追求した爽やか系(?)の定番スポーツグレード。RSはフィットやシビック、N-ONEにも用意され、間もなく国内市場に復帰予定の新型CR-Vは国内ではRSのみの設定だ。ヴェゼルRSは1.5ℓハイブリッドのみの設定となる。パワートレインそのものは、ほかのヴェゼルe:HEVと寸分も変わりない。ただ、初代ヴェゼルRSがFFのみだったのに対して、4WDも選べるのが新しいヴェゼルRSの売りである。
乗降性


というわけで、今回のヴェゼルRSの主なポイントはデザインとシャシーだ。デザイン面では黒基調の内装や、低重心感のあるバンパーデザインに加えて、従来のボディ同色横桟グリルから一転して、いかにもスポーティになったブラックのフロントセンターグリルが目を惹く。さらにはシャシーだ。例えば同じ18インチタイヤを履く「Z」に対しては、15㎜ローダウンされた車高、それに合わせて微調整されたダンパー減衰とバンプストップラバー、より軽さと正確性を重視したパワステ制御などがRS専用だ。タイヤのサイズや銘柄は基本的に「Z」と共通ではある。ただ、「Z」ではFFがブリヂストン・アレンザH/L33、4WDがミシュラン・プライマシーだが、RSでは全車にプライマシー4を履かせる。このあたりは、いかにもエンスーな調律と言うほかない。
インストルメントパネル

ヴェゼルRSのもうひとつの注目点は、前記のローダウンの副産物として全高が1545㎜となり、昔ながらの立体駐車場にも入るようになったことだ。もっとも既存のヴェゼルの全高(1580〜1590㎜)から15㎜引いただけでは立駐サイズにはならない。というわけで、ヴェゼルRSではルーフから従来のシャークフィンアンテナを排除することで、全高1.55m切りの立駐サイズを実現した。ちなみに「元から立駐対応を意図していたわけではなく、走りのためにローダウンした結果、『もう少しで立駐に入るんじゃない!?』という気付きがあったのがキッカケ」とは開発担当者の弁である。
居住性


HEV」には減速度を4段階で調整できるパドル式減速セレクターも装備。前後席間のスペースにはゆとりがあり、実測した前席と膝とのクリアランスは約260㎜。シート形状も立体的で、ゆったりした姿勢で座ることができる。頭上の空間はやや狭く、天井とのクリアランスは約35㎜。
ローダウンはしているが、バネ類やタイヤがハードになっているわけではないヴェゼルRSは、もともとの美点である軽快な身のこなしから、さらに正確で無駄のないフワピタ系テイストが強まっている。山道などで心地良いのは想像のとおりだが、ふわりとした上下動が明確に減っている分、街中でもほかのヴェゼルより乗り心地がいい……と感じる向きも少なくないと思われる。
うれしい装備






追加モデル発表 25年10月23日
月間販売台数 5940台(25年6月~11月平均)
WLTCモード燃費 26.0km/ℓ ※e:HEV X系のFF車

ラゲッジルーム


RSは同じヴェゼルの「HuNTパッケージ」とは対照的なオンロード志向が強い仕立てになるが、ヴェゼルはもともとSUVとしてはスポーティな走りが自慢である。初代ヴェゼルにもRSの用意があったし、「RSこそヴェゼルの本命」と考える好事家もおられるはずである。


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