GK型ホンダ フィット

2013年9月から2020年1月まで販売された3代目GK型ホンダ フィットの特徴は、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトによる広大な室内空間と高い実用性と言えるだろう。後席には座面のみを引き上げて広いスペースを確保できるチップアップ機能も備わっており、ステーションワゴンのようにも使える高いパッケージングが魅力だ。

MTは日常使いに適した1.3L モデルと、1.5L エンジンを搭載するスポーツグレードの“RS”に用意される。1.3L 直列4気筒エンジンのスペックは最高出力100ps/6000rpm、最大トルク119Nm/5000rpmであり、5速MTとの組み合わせで高い燃費性能と小気味よいドライビングを提供してくれるはずだ。

一方、RSに搭載される1.5L 直列4気筒直噴エンジンのスペックは最高出力132ps/6600rpm、最大トルク155Nm/4600rpmと十分な実用トルクを備えつつも高回転型の出力特性であり、クロスレシオの6速MTで高回転をキープしながらスポーティに走ることもできる。

ただし、MTを搭載するGK型フィットの全体相場は支払い総額で60万円から250万円と他の2台に比べて平均価格は高い。状態を問わなければ50万円程度で購入できる個体もあるが、走行距離5万km以下の個体を探すとなると1.3L モデルは90万円から、6速MTのRSは120万円以上が相場となる。

DJ型マツダ デミオ

2014年9月から2019年9月まで販売されたDJ型マツダ デミオは、クラスの常識を超えた上質な内外装デザインと、ドライバー中心のパッケージングが魅力となる1台だ。やや狭い後席空間と後方視界の悪さはウィークポイントだが、それがかえってデミオのスポーティな特徴を補強する。

デミオは1.3L ガソリンエンジンに5速MT、1.5L ガソリンエンジンには6速MTが組み合わされるほか、1.5L ディーゼルエンジンにも6速MTが用意される。

それぞれのスペックは、1.3L エンジンが最高出力92ps/6000rpm、最大トルク121Nm/4000rpm。2018年8月に追加された1.5L エンジンは最高出力110ps/6000rpm、最大トルク141Nm/4000rpmだ。

ディーゼルエンジンのスペックは最高出力105ps/4000rpm、最大トルク220Nm/1400-3200rpmであり、2.5L ガソリンエンジン並みの太いトルクによる加速性能と巡航性能、燃費性能はガソリンエンジンの追従を許さない。ただし、重いディーゼルエンジンを搭載する関係から鼻先がやや重く感じられる傾向にあるため、ハンドリングの軽快感を優先するならガソリンモデルを選ぶとよいだろう。

また、デミオには標準の1.5L エンジングレードをベースとして、専用エキゾーストマニホールドとハイオク燃料化で最高出力を116psまで高めた競技向けグレード“15MB”も存在しており、MTモデルの選択肢は広い。

デミオのMT車の中古車相場は支払い総額で60万円から150万円だ。走行距離5万km以下の個体は、1.3L ガソリンモデルとディーゼルモデルが90万円からとなる。15MBを含む1.5L ガソリンモデルは流通台数が少ないうえ、走行距離5万km以下の個体は120万円からと価格も高いが、スポーティなコンパクトハッチに乗りたいなら手間をかけてでも探す価値はある。

ZC72S型 スズキ スイフト

2010年9月から2016年11月まで販売された3代目ZC72S型スズキ スイフトは、洗練されたスタイリングと他の2台に比べてやや軽い車重、それに欧州市場で鍛え上げられたハンドリング性能が強みだ。

5速MTが組み合わされる1.2L 直列4気筒エンジンのスペックは最高出力91ps/6000rpm、最大トルク118Nm/4800rpm。1.6L エンジンに6速MTを組み合わせたスイフトスポーツという上位存在がいるため、標準スイフトのエンジンスペックは控えめだ。しかし非力な標準スイフトだからこそ、5速MTを操ってエンジン性能を使い切れる楽しさがある。

なかでも特別仕様車として登場した“RS”グレードは、欧州仕様と同じチューニングを施したサスペンションと専用のパワステセッティングで直進安定性や旋回時の応答性が高められたスポーツグレードだ。RSのパワートレインは標準グレードと共通だが、スイフトスポーツとは一味違う楽しみ方を提供してくれるだろう。

中古車価格帯は支払い総額50万円から100万円程度で推移しており、紹介した3台のなかでは年式が古いこともあってリーズナブルな価格となる。走行距離5万km以下の個体でも70万円から見つかり、RSグレードであっても走行距離5万km以下の個体が90万円から購入できる。ただし、MT車の流通台数は他の2台に比べて少なめであることは心得ておきたい。

次期型となる4代目スイフトにもスイフトスポーツ以外のMTグレードは存在するが、ZC72S型に比べて高額なうえにMT車の流通台数は極端に少ない。状態が良いZC72S型スイフトのMT車を見つけたら、即決するつもりで検討するとよいだろう。