シート下収納だけじゃない! 毎日使う便利装備を比較

実用スクーターというと、まずシート下収納の容量が注目されがち。しかし実際に毎日使っていると、ありがたさを実感するのはフロントポケットやコンビニフック、USBポートといった“すぐ手が届く装備”だったりする。

信号待ちでドリンクを飲む。スマホを充電する。スーパー帰りの買い物袋を掛ける。トップケース(リヤボックス)を装着する。どれも地味な機能だが、日々の使い勝手を大きく左右する重要なポイントだ。

そしておもしろいのは、各メーカーが同じ「便利」を目指しながらもアプローチが異なること。収納スペースを増やすメーカーもあれば、コンビニフックやリヤキャリアの使い勝手を重視するメーカーもある。今回はそんな実用性に直結する装備に注目しながら、人気モデル5台の実力をチェックしていきたい。

■ホンダ・リード125 収納&便利装備のお手本的存在!

フロントのポケットは左側に1か所。500mlのペットボトルが縦にすっぽり入る。この状態でも手前に余裕があるので、スマホや財布なら同時に収納できる。ボディと同色のしっかりとしたリッド(蓋)が付き、押すだけでワンタッチ開閉できるのもいい。

・フロント側に装備されるコンビニフックは上側がスライドして開閉するリング状。使用しないときには折りたためる。・ポケット内の上側にUSB-Cソケットを装備。出力は5V/3W。・リヤキャリアを標準で装備。トップケースを取り付けるための穴もあらかじめ開いている(4箇所)。

■ヤマハ・ジョグ125 ペットボトル2本収納は想像以上に便利!

フロント右側、キーシリンダーの下に幅が広めのフロントボックスを装備。500mlのペットボトルを2本入れてもグローブなどの小物が入れられる余裕がある。蓋がなく少し浅めなので、バウンドして落ちそうなものは避けたほうがいいだろう。当然ながらペットボトルは取り出しやすい。

・コンビニフックはハンドル下に。上部がスライドして開閉するリング式なので、エコバッグなどの持ち手が大きい荷物もOK。・ウイング形状のリヤグリップは、裏側が肉抜きされていて握りやすい形状。タンデム時でもしっかりとグリップできる。

■ヤマハ・アクシスZ 買い物派なら見逃せない実力車

アクシスZは収納力そのものよりも、荷物を運ぶための工夫が光るモデルだ。深さのあるフロントポケットは500mlペットボトルと小物を同時収納できる設計。スーパー帰りの買い物袋やエコバッグなど、荷物が増えた時の対応力はトップクラス。L字形状なので少し大き目の物も入れやすい。USBポートはオプション装備として用意されている。

・上側がスライドして開閉するリング状のコンビニフックはハンドル下に装備。リングは大きめなので、軽めのビジネスバッグも吊り下げることができる。・リヤのグラブバーは大きめなので、リヤシートに荷物を乗せるときに、ネットやコードで固定しやすい。

■スズキ・バーグマンストリート125EX 使い勝手はミニツアラー級!

左右にボックスを装備するのはバーグマンのみ。左側は500mlペットボトルがすっぽり入り、その状態でリッドを閉めることができた(ポケット内にはUSBソケットを装備)。右側は出し入れのしやすいオープンタイプで、ペットボトル+αの広さを確保している。

・フロントの中央にオープンタイプのコンビニフックを装備。・コンビニフックはシート下にも用意されているので、スーパーでたくさん買い物しても安心 ・グラブバーも備える小ぶりなリヤキャリアが標準装備。荷掛けフックもあり、オプションで用意されるトップケースが装着できる。

■ホンダ・ディオ110 シンプルだからこそ使いやすい!

真上から取り出すことができるワンタッチ開閉するリッド(蓋)付きのポケットを左側に装備。雨の日でも貴重品が濡れにくいのはうれしい。500mlのペットボトルを入れることができるが、大径14インチホイール採用の影響か、この状態だと蓋が閉まらないのはちょっと残念。

・ハンドル下にシンプルなオープンタイプのコンビニフックを装備。・リヤキャリアは標準装備。荷掛けフック付きなのでロープで荷物の固定ができる。トップケースを装着するための穴が開けられている(4箇所)のでさまざまなタイプの取り付けに対応する。

もはや便利装備の進化はミニバン級!?

ハンドルバーやミラーにステーを介して装着する後付けのドリンクホルダーが便利装備の代表格だった時代を知る筆者からすると、現在の125cc実用スクーターの進化には驚かされる。USB充電ソケットや大型ポケット、コンビニフック、スマートキーなど、その装備はまるでミニバンのよう。トップケースが装着しやすいようにリヤキャリアにあらかじめ穴まで用意されているのだから、もう至れり尽くせり。

ホンダ、ヤマハ、スズキの実用スクーターを実際に比べてみると、各メーカーが考える「便利」の方向性はそれぞれ異なっていた。収納重視、買い物重視、ツーリング重視──。そんな個性の違いが見えてくるのも、実用スクーター比較のおもしろさなのだろう。

※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】