街乗り快適、それでいてサーキットも速い!
クルマドーカスタムファクトリーのBRZに迫る
街乗りも快適にこなしながら、峠やサーキットではしっかり速い。そんな理想的なストリートチューンを具現化したのが、“クルマドーカスタムファクトリー”のBRZだ。

注目すべきは、そのベース車両。前期型の多走行車で、エンジン本体は未開封のノーマルFA20のまま。走行距離はすでに13万kmに達している。しかし、トラストT518Zタービンと燃料系の強化、ECUTEKによる現車合わせセッティングによって、最大ブースト1.2キロ時に約340psを発揮。さらに筑波サーキットでは1分1秒台を記録する実力を備えている。

その速さの秘密は、単純な最高出力ではなく、トルク特性の作り込みにある。ブースト制御とECUマッピングを徹底的に煮詰めることで、中間域から力強く加速する扱いやすい特性を実現。レスポンスと実用域での速さを重視したセットアップとなっている。
足回りにも同ショップらしいこだわりが詰め込まれている。ベースとなるのはトラストのパフォーマンスダンパーとアイバッハ製スプリングの組み合わせで、レートはフロント12kg/mm、リヤ14kg/mm。さらにリヤダンパーは取り付け位置を変更し、GR86と同等のレバー比となるよう最適化されている。
「スプリングレートだけを上げると街乗りでのしなやかさが失われてしまいます。足回りが突っ張らないようにジオメトリーを見直し、抵抗なく動くようにセットアップしています」と代表の山田さん。

リヤまわりはフルピロ化され、クスコ製スタビライザーやメンバーカラー、GPスポーツのトラクションプレートを組み合わせることで、サスペンションが本来の性能を発揮できる環境を構築。優れたトラクション性能を実現している。

制動系にはD2製ブレーキキットを採用。フロント6ポット、リヤ4ポットのキャリパーに加え、330φローターを組み合わせることで、サーキットでの連続アタックにも耐える強力な制動力を確保した。

駆動系はGRミッションと、オリジナル仕様のOS技研スーパーロックLSD(1.5WAY)の組み合わせ。ファイナルギヤは4.3を選択する。足元にはボルクレーシングTE37TA(9.5J+42)とポテンザRE-12D TYPE A(265/35R18)を前後同サイズで装着し、340psのパワーを余すことなく路面へ伝えている。


それでも車内にはエアコンやナビを残し、シートもブリッドのセミバケットを選択。車重は約1300kgと、軽量化一辺倒のマシンメイクではない。
「GTウイングを装着したり、エアコンを外したりすればもっと速くできます。でも、ウチは普段乗りの快適性を大切にしたいんです」と山田さんは語る。

実際に榛名を走らせたターザン山田も、その完成度を高く評価した。
「最初はかなり手強い印象だったね。パワーがあるし路面も荒れているから、ラフにアクセルを踏むと暴れる。でも走らせ方が分かると一気に印象が変わる。中間域からしっかりトルクが出るから、一段高いギヤで滑らかに走らせると本当に速い。トラクションも十分だから、アクセルで向きを変えていくFRらしい走りが楽しめるよ」。

派手なワイドボディや極端な軽量化に頼ることなく、普段乗りの快適性とスポーツ走行性能を高次元で両立した1台。クルマドーカスタムファクトリーらしい、現実的かつ実戦的なストリートチューンドBRZと言えるだろう。
●取材協力:クルマドーカスタムファクトリー:岩手県奥州市水沢区佐倉河字前田13 TEL:0197-25-7895
【関連リンク】
クルマドーカスタムファクトリー
https://www.kurumadoh-custom.com/



