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自衛隊新戦力図鑑迎撃が難しい、特殊な飛翔方式
25式高速滑空弾は「射程数百km」、「超音速」などの能力が報道され、なんとなく「長射程で速く飛ぶミサイル」くらいには理解されていると思う。
さて、長射程ミサイルは、飛び方の違いで「弾道ミサイル」と「巡航ミサイル」に分けられる。それぞれ以下の通りだ。
●弾道ミサイル:宇宙ロケットのように宇宙空間に向けてブースターで打ち上げ、その後は地球の重力によって目標に向けて“落ちてくる”。落下速度はマッハ5~20以上。
●巡航ミサイル:飛行機のようにエンジンがあり、水平飛行して目標に向かう。飛行速度は基本的に亜音速。

弾道ミサイルは、北朝鮮関連の報道で聞いたことがある人も多いだろう。極超音速(マッハ5以上)で落下してくるミサイルの迎撃は難しく、日本は専用の迎撃ミサイルを複数導入した。
25式高速滑空弾は「弾道ミサイルの亜種」といえる。ブースター切り離し後、本体である「滑空体」が大気圏上層を「石の水切り」のように滑空飛翔したのち、目標上空で急降下する。このタイプのミサイルは「極超音速滑空体(HGV)」と呼ばれる。

弾道ミサイルは、地球の重力に引っ張られて“高く上がってから落ちてくる”だけの単純な放物線軌道を描く。このため既存の迎撃ミサイルは、軌道を予測して迎撃を実行してきた。対してHGVは大気圏上層をマッハ5~10で滑空しつつ積極的に機動するため、こうした予測に基づく迎撃が困難になっている。

またHGVは、高く打ちあがる弾道ミサイルよりも飛翔高度が低いため、地上のレーダーからは地球の湾曲の裏側に隠れてしまい、早期探知が難しい。さらに、その飛翔高度(高度80~40km)は、従来の大気圏外用迎撃ミサイル(ミッドコース段階での迎撃用)の想定高度より低いため、有効に機能できないという厄介なシロモノなのだ。

歴史的な転換点となった25式の導入
そもそも、日本はこれまで「専守防衛」の観点から射程数百kmという長射程ミサイルを保有していなかった。その点で25式高速滑空弾の導入は、とても大きな意味がある。

なぜ、長射程ミサイルが必要なのか? 東西1000km、南北1200kmに広がる南西諸島を防衛するためだ。日本に侵攻する敵に対して、反撃できない遠距離から対処することで、自衛隊員の安全を確保しつつ、効果的に侵略を阻止できると防衛省・自衛隊は考えている。
現在、日本では複数の長射程ミサイル、「スタンドオフ・ミサイル」の開発が進められており、25式高速滑空弾も射程をさらに延長した発展型を開発中だ。「ブロック2A」型が2027~2028年度、「ブロック2B」型が2030年度の開発完了を目指す。
