かつてホンダが販売していたFFライトウェイトスポーツの名車「CR-X」。1992年に姿を消してから30年以上が経過した現在も、その人気は衰えていない。そんななか、独立系デザイナーのヴィタリー・バタルカ氏が現代版CR-Xをイメージした予想CGを公開。往年のファンの間で大きな話題となっている。

ホンダCR-Xは初代(1983年)、2代目(1987年)、3代目CR-Xデルソル(1992年)へと進化した。その後、事実上の後継モデルとしてCR-Zが登場したが、日本仕様は2017年1月に販売を終了している。

ホンダ CRX 後継 予想CG

FFスポーツの歴史を変えたCR-X

2代目は1987年にデビュー。ワイド&ローなスタイリングに加え、前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、走行性能を大幅に向上させた。さらに、高回転型1.6L・DOHC VTECエンジン搭載モデルも設定され、世界中のスポーツカー愛好家から高い評価を獲得。「FFスポーツのひとつの完成形」とも称された伝説的モデルだ。

また、当時の日本では「プレリュード」と並ぶ人気デートカーとしても知られ、多くの若者の憧れの存在となった。

今回の復活予想プロジェクトでは、1987年から1991年まで販売された2代目CR-Xをベースに現代的な解釈を加えている。

完成したCGを見ると、ショートホイールベースや低いルーフライン、そしてCR-Xの象徴ともいえる分割式リヤウインドウを継承。ひと目でCR-Xと分かるシルエットが与えられている。

フロントマスクは往年のデザインを残しつつも大幅に刷新。かつての角形ヘッドライトは薄型LEDユニットへと進化し、グリルレスデザインのフロントノーズと組み合わせることで、近未来的な表情を実現している。

さらに、彫刻的なボンネット形状やブラックトリムなど、オリジナルモデルを思わせるディテールも採用。リヤには横一文字のLEDテールランプとイルミネーション付き「CR-X」エンブレムが配置され、クラシックとモダンを融合したスタイルに仕上げられている。

サイドビューでは、フラッシュドアハンドルやブラックアウトされたピラー、フレームレスドア、未来的なデザインのアルミホイールを装備。往年の軽快なスポーツハッチを現代のデザイン言語で再構築した姿が印象的だ。

バタルカ氏は、この次世代CR-XにハイブリッドではなくEVパワートレーンを想定。最高出力は355ps(261kW)に達すると予想しており、かつての1.6L・VTECモデルを大きく上回るパフォーマンスを想定している。

コンパクトなボディに高出力モーターを組み合わせた電動スポーツという構想は、現代版CR-Xとして十分な説得力を持つかもしれない。

ホンダ CRX 後継 予想CG

CR-Zでも埋められなかったCR-Xの存在感

CR-Xは1992年に登場した3代目「CR-Xデルソル」を最後にその歴史へ幕を下ろした。その後、2010年には精神的後継車ともいえるホンダ「CR-Z」が登場したが、ハイブリッドスポーツという独自路線を採用したこともあり、CR-Xの直接的な後継とは言い切れなかった。

CR-Zも2017年に生産終了となり、現在ホンダのラインアップにコンパクトスポーツハッチは存在しない。現在のホンダは電動化やソフトウェア開発への投資を優先しており、採算性の観点からも3ドアスポーツハッチバックの新規開発は容易ではないだろう。

それでも近年はスポーツモデルへの関心が再び高まりつつあり、往年の名車復活を望む声も少なくない。

現時点でCR-X復活を裏付ける具体的な情報はない。しかし、この予想CGが示すように、現代技術と往年のデザインを融合させた新世代CR-Xが実現すれば、多くのファンを熱狂させる存在になるのは間違いないだろう。