バイクツーリングに出かける間、ガレージでEVを充電

イタリアの電気自動車(EV)、フィアット500e(オープン)を中古で手に入れてから1年が過ぎました。前回の【EV自腹レポート】では、1年5000kmを走ってのランニングコストや平均電費などを振り返ってみましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか。
あれから3か月、オドメーターも1500kmほど増えています。 相変わらず、急速充電は使わず、ほとんど基礎充電で走らせています。
基礎充電、すなわち自宅や職場での普通充電こそがEV運用の基本という話は、だいぶ認知されてきたと思いますが、そのランニングコストについてミクロ視点で調べてみよう、というのが今回のテーマ。ようは、1回の充電にかかる電気代を調べてみたのです。
とはいえ、通常の生活をしている中で自宅充電をしたとて、生活における電力消費はゼロにできませんから、EV充電にかかった電気代だけを抽出することは難しいことは容易に想像できます。
そこで、バイクでツーリングに行っている間だけ充電することにしました。

フィアット500eのベース基地となっているアトリエには冷蔵庫もなく、換気システムが電力を消費しているくらい。筆者が利用している東京電力の専用サイトでは日々の消費電力が可視化できるので、不在日との差を計算すれば普通充電でどのくらいの電力を消費したのかが導き出せると考えたのです。
今回は、ガレージにあるEV用コンセントに車両付属の普通充電ケーブルをつないだので、最大3kWで充電されることになります。
3kW普通充電を5時間つないで100km相当の充電が完了


結果から記すと、朝9時半頃に普通充電につなぎ、帰宅した14時過ぎに充電ケーブルを抜いて、充電開始時のバッテリー残量53%から89%まで回復することができました。航続可能距離の表示は120kmから222kmまで増えました。
前述した専用サイトで見ると、この日の消費電力は14.7kWh、金額にすると400円相当でした。
不在日の平均的な消費電力は0.8kWhで27~28円くらいとなっていますから、フィアット500eの充電における消費電力は13.9kWh、電気代にして370円程度と計算できます。
3kW充電を5時間弱ですから13.9kWhという消費電力は妥当といえるでしょう。
参考までに記すと、筆者は東京電力の従量電灯Bで契約しています。電力会社やサービス、契約条件が異なるとこの限りでない点は、ご留意ください。
今回の実験(というほど大げさでも正確もでありませんが)の結果を整理すると以下のようになります
普通充電(3kW)に5時間弱つなぐと、フィアット500eのバッテリーは36%相当ぶん充電でき、直近の走り方をもとにすると航続可能距離は100kmほど伸びる。
フィアット500eのバッテリー総電力量は42kWhです。単純計算すると、14kWh弱の消費電力で、42kWhの36%=15kWhを充電できたというあり得ない計算になります。また、消費電力のすべてがバッテリーに充電されるわけではなく、若干のロスはあります。
いずれにしても、実際に搭載バッテリーの領域をどれほど使っているのか、どの程度の劣化があるのかは数値化できません。ただ、事実として13.9kWhの消費電力で、航続可能距離が102km増えたということです。
レギュラーガソリン170円/Lとして45km/L相当

言い換えると、エアコンを使う夏場において「370円の電気代で100km以上走れる」のです。
現在、レギュラーガソリンには170円/Lになるよう補助金が出ています。この数字を参考に計算してみましょう。
370円はレギュラーガソリン2.2Lぶんです。2.2Lで100kmを走れるということは、フィアット500eを普通充電で運用するときのランニングコストは、45km/Lの燃費性能に相当するといえるのです。この燃費性能は、どんなハイブリッドカーでも到達が難しいレベルでしょう。
しかも、これはエアコンを常用している状態です。空調を使わない時期であれば電費がよくなりますから、直近の走り方をもとにする航続可能距離の表示はもっと伸びる傾向にあります。
経験則としてフィアット500eの航続可能距離は辛めの表示という印象があります。実際には、370円のコストで100km以上走れることでしょう。
オーナーとしての肌感覚でいえば、空調を使わずに走れる季節の電費は10km/kWhを超えることも珍しくなく、満充電で300kmという数字と見ることもあります。そうした季節に、同じような実験をすれば、さらに良好な計算結果となる可能性は高そうです。
ちなみに、EVの場合は、エンジン車と異なり、パワートレインの暖機による影響は極小ですので、短距離ユースで電費が悪化することもほとんどありません。その意味では、けっこう再現性の高い計算結果だといえそうです。
いずれにしても、原油先物市場やインフレトレンドを考慮すると、ガソリン補助金がなくなったらレギュラーガソリンで200円/Lとなることは現実味を帯びています。ランニングコストを考えると、ますますEVを選ぶインセンティブが上がってきたといえるのかもしれません。



「年間の電気代たった2万円」フィアット500eに1年間5000km乗って分かったリアル 【EV自腹レポート】 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

