案内人はこの方!

二輪ジャーナリスト
ノア セレン

これまでにも多くの250モデルを乗り継ぎ、その知識と偏愛で知られる二輪ジャーナリスト。

歯に衣着せぬジャッジに定評があり、辿り着いた愛車はトリッカー。

ライバル不在だった250ccアドベンチャーツアラー

AX-1やTDR250が出たのは80年代の後半、今で言うデュアルパーパス的なモデルの草分けでしょう。

90年代に入ってからは400ccクラスでトランザルプが登場したりして、アネーロの400はそのマーケットも視野に入っていたと思う。

けど、ちょっと遅れた93年に登場したこの250版は、うーん、ライバル不在だったんじゃないかしら。

何がスゲーって色でしょう。

顔とフェンダー、そしてシートが……ピンク!!

ギャッ!

もっともこの頃のカワサキ、色はかなり攻めてましたね。

KDXにもピンクとか、黄緑と水色の中間のような色のシートとかあったもの。

果たしてこの派手色シリーズは売れたのカシラ。

ほぼリアルタイムにバイク大好き少年だった自分でも「これはちょっとなぁ」と思ったものですけど……。

ZZR250譲りのパラツインで淡々と距離を稼ぐ

色はさておき、エンジンはあの名車ZZR250のパラツイン。

その時点でAX-1やTDRとは違ったスタンスを感じます。

速さの追求や新しい提案がしたかったんじゃなくて、ただ淡々と長距離を走れる、馬車馬バイクが作りたかったのでしょう。

ZZRの40psからわざわざ35psに出力ダウンしていることも、何か意図があるはず。

純正で立派なキャリアがついてるし、フロント21インチホイールの採用は不整地も考慮してのことでしょうし。

「よし、街乗りも北海道も、雨もタンデムも何でも来い」という気になれる、優秀な道具的バイクなんです!

実はヴェルシスXのご先祖様だった!?

ただ、やはりこのピンクがイケない。

それこそ陽が当たったら褪せちゃいそう。

カラバリにはネイビー的なのもあって、ソッチはより道具感が強くてカッコ良さも高め。

そして400だとエンジンも元気でさらに使い方が広がりそう。

そういえばフロントをリアと同じ17インチにしてモタード的に乗ってるのを見たことあるな。

あれはカッコ良かった。

アネーロはカワサキのちょっとした黒歴史……と思うなかれ、全く同じコンセプト&同系列エンジン搭載の「ヴェルシスX」というモデルが2017年にラインナップ……されたのも束の間、また2023年に生産終了となったのです!

時代が追いつき、また追い越しちゃった!?

中古車相場チェック(2026年7月時点)

モトチャンプ編集部が2026年7月時点で国内中古車情報を調査したところ、アネーロの中古車流通台数は5台を確認。価格帯は25万円前後から50万円近くまでと幅広く、希少車ながら比較的手の届きやすい相場を維持している。

ZZR250譲りのエンジンや高い実用性が再評価されつつある一方で、流通台数は年々減少傾向。今後はコンディションの良い個体から価格上昇が進む可能性もありそうだ。

平均価格:約37万円
ボリュームゾーン:30〜45万円台
高価格帯:50万円オーバー

カワサキ KLE250 アネーロ 主要スペック

項目内容
発売年1993年
当時販売価格44万9000円
全長×全幅×全高2150×825×1165mm
シート高805mm
車重146kg(乾燥)
エンジン水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量248cc
最高出力35ps/11000rpm
最大トルク2.4kgm/10000rpm
燃料タンク容量12L
ブレーキ(前後)ディスク/ディスク
タイヤサイズ(前)3.00-21
タイヤサイズ(後)120/80-17

※この企画はモトチャンプ2023年4月号に掲載されたものを加筆修正しています。