夏に増えるドラレコ落下は両面テープや吸盤の熱劣化

夏にもっとも多いトラブルが、ドラレコ本体の脱落だ。実際に、夏場になるとメーカーの相談窓口にはドラレコ脱落関連の問い合わせが増加するという。
真夏の炎天下の屋外駐車では車内温度が60度近くまで上昇することも珍しくない。直射日光が当たるフロントウィンドウ周辺はさらに高温になりがちだ。
この熱で、ドラレコを固定している両面テープが軟化すると保持力が低下していき、そうした状態で大きな振動や急ブレーキ/急ハンドルなどの加速度変化が加わると、両面テープが剥離してドラレコ本体の脱落につながる。
取り付け時に耐熱性の低い両面テープを用いた場合や、脱脂処理が不十分な場合などは特に脱落を起こしやすく、本体重量が増す大型のドラレコほど入念な取り付けを要する。
吸盤固定の場合はさらに脱落しやすい。ゲルサクションなどの高性能吸盤であっても、夏の暑さで吸盤のゴムが軟化するうえ、吸盤内部に残ったわずかな空気が膨張することで負圧を維持しにくくなり、大きな力が加わると吸盤が剥離してドラレコ本体ごと落下してしまう。
ドラレコが落下すると本体の故障につながるだけでなく、突然の落下に驚いて事故を誘発する恐れもある。なにより衝突事故などの肝心なときに本体が脱落し、事故映像を記録できなければドラレコとしての意味がない。
両面テープや吸盤は長期使用で確実に劣化していくため、脱落事故を予防するためにはある程度の年月ごとの交換が理想だ。可能であればクランプやブラケットなどによる固定への切り替えも検討するとよいだろう。
SDカードやデータの破損も熱による可能性が大

夏場に多発するもう一つのドラレコトラブルが、本体のシステムエラーや記録データの破損だ。
しっかりした製品であれば、ドラレコ本体の耐熱温度は十分に確保されている。しかし一般的なSDカードは動作保証温度が60度前後となっており、それを超えると読み書きエラーが頻発し、最悪の場合は録画データそのものが破損してしまう。
ドラレコは常時上書き録画を行うため熱負荷が高い。特に4Kなどの高画質モデルや2カメラモデルのように、大量のデータを短時間で書き込み続ける必要があるドラレコほど、SDカード自体の熱負荷は高くなる。そこへ外部から想定外の熱が加わることでSDカード内のデータが破損するリスクが一気に高まる。
有効な対策は、85度程度の動作保証温度が与えられたドライブレコーダー向けの高耐久・高耐熱SDカードを使うことだ。SDカードの推奨交換サイクルは1〜2年ごととされており、交換時期が迫っているなら、気温がピークに達する前にドライブレコーダー向けのSDカードへ交換するとよいだろう。
また、エラー通知音をオフにしている場合は、気づかないうちにドラレコがシャットダウンし、肝心なときに録画されていない事態に陥る。ドラレコトラブルが出やすい夏場だけでも通知音が聞こえるように設定しておきたい。
リチウムイオンバッテリー内蔵タイプは車両火災リスクも

一部のドラレコには、バックアップ電源としてリチウムポリマーバッテリー(リポバッテリー)が内蔵されている。こうしたリチウム系二次バッテリーは車内の過酷な高温環境に弱く、高温下での充放電が繰り返されることで内部にガスが充満し、外装が膨張しやすい。
バッテリーが膨張したドラレコをそのまま使い続けると本体の変形や故障につながるばかりか、最悪の場合は発火事故に発展する可能性が高まる。本体裏蓋が浮き上がるほどバッテリーが膨張している場合には即時使用を取りやめ、なるべく早期にドラレコ本体を買い替えたい。
なお、バックアップ電源にキャパシタ(大容量コンデンサ)が使用されているドラレコは、リチウム系二次バッテリー内蔵型に比べて熱による発火や破裂のリスクが低い。バックアップ電源に起因する深刻なトラブルを未然に防ぐためには、ドラレコ本体の選び方も重要だ。
サンシェードの取り付け方で熱害がさらに深刻化

夏の暑さや日差しによる温度上昇に加えて、サンシェードの誤った設置方法がドラレコのトラブルを助長することも知っておきたい。
フロントウィンドウにサンシェードを設置する際にドラレコ本体を覆うように設置してしまうと、直射日光の反射も相まってシェードとガラスの間に熱がこもり、ドラレコ本体を想定以上の高温にさらすことになる。その結果、両面テープや吸盤、SDカードやドラレコ本体の劣化も著しく早まってしまう。
対策は、ドラレコ本体をサンシェードとガラスの狭い隙間に閉じ込めないように気をつけるだけだ。ただし、このように設置するとサンシェードでカメラの視界が遮られるため駐車監視機能が使えない。駐車監視機能を動作させたい場合は、シェードの上部をメッシュ素材として通気性を確保したドラレコ対応サンシェードを選ぶとよいだろう。
真夏の炎天下はドラレコにとっても過酷な時期だ。ドラレコの脱落やSDカードの破損といった夏場のトラブルを避けるためには、ドラレコ周りの定期チェックと適切な熱対策が欠かせない。