華奢な自転車用ハンドルやC100用レッグシールドなど、昭和を感じさせるパーツを巧みに組み合わせる。大幅に手が入っていながら、自然なまとまりを見せるのがポイント。

昭和の実用自転車をカブに融合

ベースはスーパーカブ90。青いボディと赤いシートの組み合わせで、昭和の名車スーパーカブC100をオマージュしたスタイルに仕上げられている。さらに特徴的なのが、細く大きく湾曲したハンドル。これは昭和の蕎麦屋などでも活躍した実用自転車のものを流用している。

昭和の実用自転車用ハンドルを流用。ロッド式のブレーキ機構を生かしながら、カブのフロントブレーキを操作できるよう加工されている。

単に自転車用ハンドルを取り付けただけではない。ブレーキは自転車と同じロッド式で、このロッドを使ってカブのフロントブレーキを操作できるよう加工。スロットルも旧型カブのスライド式を使用することで、一般的なスロットルホルダーのないスッキリとしたハンドル周りを実現している。

旧型カブのスライド式スロットルを使用し、一般的なスロットルホルダーのないシンプルな右グリップ周りを実現。自転車用ハンドルの華奢な印象を崩さない。

C100用レッグシールドでクラシック感をアップ

フロント周りだけでなく、車体全体のバランスにも手が入る。レッグシールドは小ぶりなC100用へ変更し、前後サスペンションもショート加工。車高を抑えることで、華奢なハンドルが似合う低くコンパクトなシルエットを作り出した。

ハンドル変更によって行き場を失ったチョークはレッグシールドへ移設。小ぶりなレッグシールドはC100用を使用する。

ハンドル交換によって行き場を失ったチョークもレッグシールド付近へ移設するなど、機能面にも抜かりはない。こうした細かな加工を重ねながら、完成した姿はあくまでシンプル。大幅に手を加えたことを感じさせない自然なまとまりこそ、このカスタムの面白さだ。

延長リヤフェンダーまで自然に見せる作り込み

延長加工したリヤフェンダーは、つなぎ目や不要な穴などをスムージング。テールランプにはカワサキ・エストレヤ用を流用している。

リヤフェンダーは純正形状を生かしながら延長加工。つなぎ目や不要な穴はスムージングされ、最初からこの形だったかのような仕上がりを見せる。テールランプにはカワサキ・エストレヤ用を流用し、クラシカルなリヤビューを完成させた。

薄く仕立てられた赤いシートは、カブ仲間が製作したワンオフ品。内部にはスチールフレームを使用し、薄さだけではなく強度も確保されている。ハンドル、足周り、外装、シートと手が入る範囲は広く、まさに「ノーマルっぽく見えるフルカスタム」。昭和の乗り物が持つ素朴な雰囲気を、作り込むことで再現した一台なのだ。


※この記事はモトチャンプ2022年7月号に掲載されたものを加筆修正しています。