子どもたち人気ナンバー1の「ジャングルバス」&
ルーフに乗った猛獣にエサあげ体験ができる「スーパージャングルバス」

『富士サファリパーク』のジャングルバス。ライオンやトラ、ゾウなど5種類の動物をモチーフにしたフロントフェイスが特徴となる。国産大型トラックをベースにデザインから架装は専門業者に委託しているとのこと。(PHOTO:富士サファリパーク)

前回、前々回と夏にピッタリな観光地として『富士サファリパーク』の魅力を紹介してきた。同施設の最大の見どころであるライオンやキリン、アジアゾウなどの動物が放し飼いにされているサファリゾーンを車両で巡るには、マイカーやパーク専用レンタカーの「ナビゲーションカー」を利用するほかに、周遊バスの「ジャングルバス」や「スーパージャングルバス」がある。

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2種類のバスの中で子どもたちに人気があるのが、ライオンやトラなどの動物をモチーフにしたジャングルバスだ。1980年に開園した『富士サファリパーク』が前身となる動物バスを導入したのは1991年のことで、それが好評だったことから1996年に意匠を改めたジャングルバスを登場させて今日に至る。

ライオンとサイを象ったジャングルバス。来場客に気持ちよく乗ってもらうために毎日欠かさず清掃しているとのこと。外装やペイントが劣化してきた場合は架装業者に戻してリペアしてもらっているそうだ。

現在、『富士サファリパーク』が運行するジャングルバスは11台。ベースとなるのは三菱ふそうや日野、いすゞの大型トラックで、それぞれにトラやゾウ、サイなどの動物(全5種類)を象ったフロントフェイスが装着されている。なかでも子どもたちのいちばん人気はライオンで、なかには「ライオンのバスでないとヤダ~」と駄々をこねる子もいるのだとか。

子どもたちに人気のライオンを象ったジャングルバス。『富士サファリパーク』では同型の車両を複数運用しているが、ペイントは若干異なるようだ。

昔から「泣く子と地頭には勝てない」と言われるものの、ジャングルバスの運行はランダムとなるため原則として事前にバスの指定はできない。ただし、ジャングルバスのチケットには予約券と当日券があり、全チケットの9割ほどは当日券として販売される。どうしても乗りたいバスがある場合は、敢えてWeb予約サービスの『My SAFARI』を利用せず、入口料金所横の「案内所・園内バス周遊受付」で運行状況を確認し、それに合わせて当日券を購入すれば、好みのバスに乗れる確率は高まるだろう(絶対とは言えないが……)。

ライオンを象ったジャングルバスのリヤビュー。フロントフェイスだけでなく、車体の側面には後ろ足が、ルーフには尻尾が備わる。

ただし、土日祝日や夏休み期間中などの繁忙期は早い時間帯にチケットが売り切れてしまう可能性がある。事前予約なしで確実にジャングルバスに乗るには、開園と同時に入園することが望ましい。

猛獣との距離はわずか20cm!ド迫力の猛獣への餌あげ体験!!
『富士サファリパーク』でしか乗れない「ジャングルバス」

トラをモチーフにしたジャングルバス。(PHOTO:富士サファリパーク)

このバスの特徴は動物をモチーフにしたフロントフェイスだけではない。キャビンの中央には窓側を向いて背中合わせに並ぶ長いベンチシートが縦方向に備え付けられ、車体の両サイドは丈夫な金網が張られている。サファリゾーンではガイド役を務めるスタッフの動物解説とともに、道中ではクマやライオンなどの肉食獣、ラクダなどの草食動物にエサがあげられるのだ。

ジャングルバスのキャビン内部。車内中央部には窓側を向いて背中合わせに並ぶ長いベンチシートが縦方向に備え付けられ、車体の両サイドは丈夫な金網が張られている。

『富士サファリパーク』の動物は充分なエサが与えられているものの、肉食獣にとってはエサあげでもらえる肉は大好物のおやつだ。エサあげのためにバスが止まると、昼行性のクマはもちろん、日中は木陰で休んでいることが多い夜行性のライオンまでもが肉が食べられるとわらわらと寄ってくる。

クマゾーンでジャングルバスがエサあげをする様子。間近で見るアメリカグマはかなりの迫力。果物をおいしそうに食べる仕草は愛らしいが、猛獣であることには変わりはない。

エサを求めて迫る猛獣との距離は約20cm。遮る物は金網だけだ。専用の長いハサミを使って金網越しに肉を与えるとおいしそうに食べる。距離が近いだけあって、ライオンの息づかいまで感じられ、迫力満点だ。

ジャングルバスのコクピットまわり。この車両は三菱ふそうの大型トラックをベースに架装したもののようだ。

もちろん、危険な肉食獣へのエサあげをするための安全対策には抜かりがない。ジャングルバスは動物が破れない丈夫な金網は二重構造になっているのだが、それぞれの金網は互い違いにずらして張られており、子どもが誤って外に手を出さないように工夫されている。さらに、金網の内側には手すり代わりの丈夫な鉄格子が備えられている。未舗装路を走行して車体が揺れたとしても乗客が金網を掴むことがないように手が尽くされているのだ。

ジャングルバスのヘッドランプ。以前はハロゲンランプが使用されていたようだが、最近になって小径でも明るいLEDヘッドランプに交換されたようだ。

クマやライオンを下から見上げながらのエサあげ体験!

ゾウにもエサあげができる「スーパージャングルバス」

ライオンゾーンを進むスーパージャングルバス。(PHOTO:富士サファリパーク)

間近から肉食獣にエサあげ体験ができるジャングルバスでも充分に迫力満点だが、さらにエキサイティングな体験をしたいという人には、車体の両サイドに加えてルーフまで金網張りとなっているスーパージャングルバスをオススメしたい。

スーパージャングルバスを斜め前方から撮影。車体色はゼブラカラーとなる。

こちらはジャングルバスのような動物をモチーフにしたフロントフェイスこそ持たないが、動物が車体に登りやすいように全面金網と鉄格子張りとなっている。キャビンのレイアウトや安全対策は基本的にサファリバスに準じており、さらに屋根に登った動物がよだれを垂らしたり、おしっこをしても乗客が汚れないようにアクリル製の可動式スクリーンを備えている。

スーパージャングルバスを斜め後方から撮影。この車両は前出の写真のものとは別の車両で、試験的にカメラの撮影窓を設置している。テスト運用の結果、評判が良ければ採用を広げて行く予定なのだとか。

このように『富士サファリパーク』では安全に配慮するだけでなく、乗客が快適に楽しんでバスに乗ってもらえるような気配りを欠かすことはない。

スーパージャングルバスのキャビン内部を後方から撮影。写真ではカバーが掛けられているが、シートレイアウトなどはジャングルバスに準じている。天井まで金網が張られており、肉食獣へのエサあげは写真のように立った姿勢で天井の金網越しに専用のトングを使って行なう。動物が粗相をしても乗客が汚れないようにアクリル製の可倒式のスクリーンが備わる。
スーパージャングルバスのコクピットまわり。クマが天井に登りやすいようにボンネットフードとフロントスクリーンも鉄格子張りとなる。同時にこれは破損防止のための安全装備でもある。
スーパージャングルバスの車体後部に備わる格納式のステップ。ジャングルバスとは異なり、乗客の乗り降りは車体後部から行なう。

スーパージャングルバスでエサあげができる動物は、肉食獣がクマやライオン、草食動物がキリン、そしてゾウだ。
ジャングルバスが車体両サイドの金網越しにエサをあげるのに対して、スーパージャングルバスは天井の金網越しに屋根に登った肉食獣に与えるという違いがある。

スーパージャングルバスのルーフに登ったアメリカグマと、エサあげを楽しむ乗客。(PHOTO:富士サファリパーク)

エサあげの際に木登りが得意なクマは器用にバスに登ってくるが、ライオンはネコ科の動物ではあるが身体の構造が高いところによじ登るようにはできていないため、サファリゾーン内に設置されたバスのルーフの高さまで延びた岩のスロープを伝ってやってくる。

スーパージャングルバスのルーフに登ったライオン。ライオンはネコ科の動物ではあるが身体の構造が高いところによじ登るようにはできていないため、設置された岩のスロープを伝ってバスのルーフにやってくる。(PHOTO:富士サファリパーク)

骨付き肉を与えるとおいしそうに食べる肉食獣の姿を車内から見上げるかたちになり、ジャングルバスとはまた違った驚きと発見があるだろう。

スーパージャングルバスのルーフに備わる金網越しに撮影したライオンのメス。乗客との距離はわずか20cm。息づかいさえ感じられる距離から見る猛獣の姿はインパクト大だ。(PHOTO:富士サファリパーク)

また、ジャングルバスと同様にスーパージャングルバスも肉食獣だけでなく草食動物にもエサあげができる。ラクダなどへのエサあげはジャングルバスと共通だが、それに加えてスーパージャングルバスはアジアゾウにもエサあげができるのだ。

スーパージャングルバスのみの特典がアジアゾウへのエサあげだ。器用に長い鼻を伸ばしておいしそうに果物やサツマイモを食べる彼らの姿に大人も子どもも歓声をあげる。(PHOTO:富士サファリパーク)

安全のためにゾウゾーンに設けられた堀すれすれにバスが停車し、乗客が金網からサツマイモを差し出すと、ゾウは器用に長い鼻を伸ばしておいしそうに食べる。彼らが間近でエサを食べる姿はなんとも迫力があるが、同時にかわいさも感じる。

スーパージャングルバスの車体側面の金網。ジャングルバスと同様に金網は互い違いに二重に張られている。さらに車体が揺れても乗客が金網をつかまないように内側には鉄格子が備わる。これは乗客が誤って手を外に出さないための対策だ。『富士サファリパーク』では周遊バスの安全対策が徹底されている。

また、ゾウゾーンでは9月下旬までの期間限定で透明なアクリル越しに泳ぐ彼らの姿を見学することができる。アジアゾウの生態を学べる貴重な機会となっている。

ゾウの水中を遊泳展示を記念して、サファリショップ(売店)の壁面には泳ぐゾウを描いたタペストリーが貼られている。SNS映えするポイントなので『富士サファリパーク』を訪れたらぜひ家族全員で記念撮影をしよう!
ゾウゾーンでは、9月下旬までの期間限定で体重3t以上のアジアゾウが水中を遊泳する姿を見学することができる。(PHOTO:富士サファリパーク)

雨対策と暑さ対策が何よりも重要?
雨天でも運行する周遊バスに乗車する上での注意点

それぞれの所要時間はジャングルバスが50分、スーパージャングルバスは60分となる。『富士サファリパーク』の周遊バスは台風などの気象災害時を除いて、基本的には天候にかかわらず運行される。また、同施設は海抜約850mの高地にあるため天候が変わりやすい。パーク内を巡るバスはその構造上、雨を充分に防ぐことはできない。特に天井まで金網張りとなるスーパージャングルバスは雨が降ると乗客はずぶ濡れになってしまう。

サファリショップではビニール製のポンチョが販売されている。大人から子ども用まで3種類あり、1枚450円と価格も手頃だ。雨天時や突然の雨の保険としてバスに乗車する前に購入すると良いだろう。

車内で傘をさすことはできないので、雨天時は雨合羽などが必要だ。とは言え、突然の雨振りで合羽を用意できないこともあるだろう。だが、安心してほしい。パーク内にある売店『サファリショップ』にはビニール製のポンチョが1個450円で販売されている。

ポンチョ以外にもサファリショップはさまざまな商品が販売されている。特に動物のぬいぐるみの充実ぶりは、デパートや玩具店のそれをも超える。ほかにも魅力的なさまざまなアイテムが用意されているので、パークを訪れたら立ち寄ることをオススメしたい。

動物を象ったデザインとなっており、おとな、こどもでデザインは変わらない。それぞれで3種類(キリン、トラ、シマウマ)のラインナップだ。子ども用のポンチョはパーク内で使うだけでなく、普段使いとして買っても良さそうだ。
同店にはほかにも、ここでしか買えないサファリバスのミニカーやかわいいぬいぐるみ、サファリパークグッズなどのお土産が販売されているのでパークを訪れた際は雨具の購入に限らず、立ち寄ることをオススメしたい。

男の子に人気なのが、ここでしか買えないジャングルバスのミニカーだ。全5種類あり、ブルパップ方式で走行が楽しめる。ミニカーとしての出来も良いので、コレクションとして買い求めても良いだろう。

夏場で問題になる暑さだが、これも両サイド、あるいは天井までが金網張りになる周遊バスは外気が素通しとなり、強烈な日差しが車内を容赦なく照りつけることもある。近年の夏は猛暑日が増加しており、高地にある『富士サファリパーク』でも日によってはかなりの暑さを覚悟しなければならない。

水飲み場に訪れたアムールトラ。暑い日に水分補給が必要になることは動物も人間も変わりはない。(PHOTO:富士サファリパーク)

そうなると体温調整能力が低い子どもや高齢者は急激に体力を消耗し、熱中症のリスクが極めて高まる。周遊バスには蓋付きのペットボトルや水筒ならば持ち込みが可能なので、途中の水分補給のために忘れずに用意し、アイスノンなどの冷却用保冷剤やネッククーラーなどを持参すると良いだろう。

暑い日に『富士サファリパーク』を訪れる際には、アイスノンなどの冷却用保冷剤やネッククーラーなどの使用を一考してほしい。冷凍庫で凍らせた氷結ゲルを専用カバーに入れて使う『アイスノン 首もとひんやり氷結ベルト』は安価で繰り返し使えるのでオススメだ。保冷剤を入れたクーラーバッグに入れて家から持参すれば周遊バスに乗る際に使えるのではないだろうか。少々値が張るがピエゾ素子を使った充電式のネッククーラーも便利だ。(PHOTO:白元アース株式会社)

汗をかいてもいいようにタオルや着替えなどをあらかじめ準備しておくとなおベターだ。『富士サファリパーク』周辺には、子連れ家族でも楽しめる多彩な温泉施設が充実しているので、サファリパークの見学後に立ち寄って汗を流すことを考えても良いかもしれない。

周遊バスには蓋付きのペットボトルや水筒ならば持ち込みが可能なので、途中の水分補給のために忘れずに用意しよう。お茶やジュース、スポーツドリンクも良いが、熱中症対策には『OS-1』のような経口補水液が有効だ。(PHOTO:大塚製薬)

運賃は?当日券でも乗れるの?乗車するためにはどんな手続きが必要?
「ジャングルバス」「スーパージャングルバス」の疑問に答えます

一般草食ゾーンを「ウォーキングサファリ」や「アドベンチャーツアー」で使用する「キリンテラス」。サファリゾーンは1周約4.5kmあり、周遊バスは50~60分かけてまわる。(PHOTO:富士サファリパーク)

ジャングルバスの運行本数は平日は20~30分間隔、土日祝日は10分間隔で運行されている。先ほども述べたとおり、本数が多いジャングルバスは全チケットの9割ほどは当日券として販売される。こちらは午前中に入園すれば、繁忙期でもほぼ確実に当日券を入手できるだろうが、スーパージャングルバスの運行本数は平日で2~4便、土日祝日は4~7便とずっと少なくなるため予約が必須だ。その場合はWeb予約サービスの『My SAFARI』を利用することになる。

入園受付からツアー参加までの流れを説明した「ジャングルバスの利用方法」のYouTube動画。スーパージャングルバスもほぼこれに準ずる。周遊バスの利用を考えている人は『富士サファリパーク』を訪れる前に1度見ておくと良いだろう。(富士サファリパーク公式)

事前にMy SAFARIでチケットを購入した場合、来園当日は入園後、出発時間の30分前までに必ず入口料金所横の「案内所・園内バス周遊受付」に行って乗車手続きを行い、チケット画面にスタンプを押してもらってからそれぞれのバスの乗車券を受け取り、出発時間の10分前にバス乗り場を訪れるという流れになる。

周遊バスのチケット購入・乗車手続きを行う入口料金所横の「案内所・園内バス周遊受付」。

予約をしていても事前受付をしなければ乗車はできず、出発時間を過ぎてしまうとチケットは無効になり、払い戻しも受けられないので注意が必要だ。なお、ツアー中はトイレには行かれないので事前に済ませておこう。

当日券を現金で購入する場合は自動発券機を使い、クレジットカードなどを利用する場合は窓口を利用する。

運行中の注意点は公式のYouTube動画にもある通り、

・走行中に立ち上がらない
・金網には手を触れない
・指定のエリアで決まった動物にパークから渡されたエサのみを与える
・安全のためエサは手で与えず専用の道具を使用する・動物のエサあげの際には1度金網から出したエサを引っ込めたりしない
・撮影の際にはカメラを外に出さない・フラッシュを使わない

といった常識的なことばかりだ。

「ご利用にあたっての注意事項《ジャングルバス編》」のYouTube動画。スーパージャングルバスについての動画も公式HPにある。乗車前に確認しておこう。

なお、周遊バスはオフロードも走るので、飲酒者はもちろん、乗り物酔いがひどい人や妊娠中の女性、重度の疾患を持つ人は利用できないこともある(身体に障害のある人は乗車前にスタッフに相談すると良いだろう)。スーパージャングルバスは小学生未満の子どもは利用できず、保護者のいない小・中学生だけでは乗車が認められていないので注意が必要だ。

周遊バス乗車時の注意事項は、乗車時にガイドスタッフからアナウンスされる以外に、バスのキャビンにも張り紙で書かれている。安全なバスツアーを楽しむために乗客は注意事項を必ず守らなければならない。

周遊バスのチケット代は大人・子供ともにジャングルバスが1500円/1名、スーパージャングルバス が2100円/1名となる。団体客向けには1日1便限定でバスを貸し切る「プライベートツアー」もある。この場合は出発日の3日前の正午までにMy SAFARIで事前申し込みとなる。詳細は『富士サファリパーク』の公式ホームページを参照してほしい。